世界の食糧危機を救った男 の商品レビュー
映画「NORIN 10」の主人公で「小麦農林10号」の育成者、稲塚権次郎の評伝です。 権次郎さん本人も組織の都合に振り回された波瀾の多い生涯を送られていて見どころは多いですが、彼から水稲農林1号の育成を引き継いだ並河氏らの末路があまりに悲惨過ぎてただ呆然としました。 無論並河氏ら...
映画「NORIN 10」の主人公で「小麦農林10号」の育成者、稲塚権次郎の評伝です。 権次郎さん本人も組織の都合に振り回された波瀾の多い生涯を送られていて見どころは多いですが、彼から水稲農林1号の育成を引き継いだ並河氏らの末路があまりに悲惨過ぎてただ呆然としました。 無論並河氏らの功績も死後に年月を経て大きく評価されてはいます。しかし彼らと異なり存命中に自らの育成品種の栽培が世界に広められ、食糧危機を救い評価された事実を知り、あまつさえ栽培普及の立役者であるボーローグ博士との対面まで果たすことのできた権次郎さんは、どちらかと言えば幸せな部類に入るのかも知れません。
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物の価値は、存在そのものではなく、どれだけ世の中に役にたったかで決まる。農林10号のエピソードはその典型ではないだろうか。農林10号の生みの親である稲塚権次郎の功績は確かに素晴らしい。しかし「緑の革命」で世の中から賞賛されたのはノーマン・ボーローグ博士だった。なぜなら世界に普及さ...
物の価値は、存在そのものではなく、どれだけ世の中に役にたったかで決まる。農林10号のエピソードはその典型ではないだろうか。農林10号の生みの親である稲塚権次郎の功績は確かに素晴らしい。しかし「緑の革命」で世の中から賞賛されたのはノーマン・ボーローグ博士だった。なぜなら世界に普及させ、食糧難から世界を救ったからだ。だからといって稲塚権次郎が悪いとか、不器用と言ってるわけではない。太平洋戦争、減反といった歴史が、彼を不運にしてしまったことがとても残念。
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小麦、わが国の消費量の90%以上を輸入にたよるこの穀物。現在世界中で食されているこの小麦が、実は日本人の手によって開発された新種の種子によって飛躍的な生産量を遂げ、「緑の革命」として世界の飢餓を救っていた…、あるブログでその事実を知ったとき、思わず驚きの声を上げ、さっそく本書を手...
小麦、わが国の消費量の90%以上を輸入にたよるこの穀物。現在世界中で食されているこの小麦が、実は日本人の手によって開発された新種の種子によって飛躍的な生産量を遂げ、「緑の革命」として世界の飢餓を救っていた…、あるブログでその事実を知ったとき、思わず驚きの声を上げ、さっそく本書を手にした。内容はその開発者稲塚権次郎の、その業績を知らなければ読み進めるのをためらうほどの、真面目で誠実で地味ーな物語だ。しかし、この種子を使って「緑の革命」を推進したアメリカ人農学者にはノーベル平和賞が授与されている。感動の物語!
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たぶん知ってる人はいないであろう、稲塚権次郎の生涯について書かれた本。この人の業績は知らなくても「緑の革命」と言う言葉は誰でも知っているであろう。超多収穫品種を開発した日本人。
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