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受け月 の商品レビュー

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2009/10/04

第107回直木賞受賞作。「夕空晴れて」「切子皿」「冬の鐘」「苺の葉」「ナイス・キャッチ」「菓子の家」「受け月」の7編からなる短編集。全編に野球のシーンが出てくる。一篇一篇の残す余韻が心地よい。沈んでいるときにも元気なときにも、ほっとする温かさを与えてくれる一冊。解説の長谷部出雄は...

第107回直木賞受賞作。「夕空晴れて」「切子皿」「冬の鐘」「苺の葉」「ナイス・キャッチ」「菓子の家」「受け月」の7編からなる短編集。全編に野球のシーンが出てくる。一篇一篇の残す余韻が心地よい。沈んでいるときにも元気なときにも、ほっとする温かさを与えてくれる一冊。解説の長谷部出雄は、「この短編集の確信をなしているのは、おそらく一種の深い喪失感である。」とおっしゃっている。私が感じた心地よさは、喪失感というよりも作者の人物描写が素晴らしさと印象的な情景も多く感情移入しやすくて、ラストのほっとする結末が単に心地よかった。月や空を見たときに、「受け月」をよく思い出す。受け月にお祈りをするって初めて聞いたけれど、昔からある風習なのかしら。

Posted byブクログ