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画商の罠 の商品レビュー

3.3

8件のお客様レビュー

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美術館学芸員クリス・…

美術館学芸員クリス・ノーグレンシリーズ第三弾。日本ではまだまだイマイチ知名度が低い著者ですが本格ミステリの好きな人は著者の作品は要チェックですよ。

文庫OFF

レンブラントの絵を鑑…

レンブラントの絵を鑑定するためフランスへ行ったクリスは殺人事件に巻き込まれようとは・・・

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寄増は受けるべきか。…

寄増は受けるべきか。恋人と過ごす休暇を犠牲にして、わたしは絵を鑑定するためフランスへ赴くが、そこで殺人事件に巻きこまれようとは…好調、美術館学芸員クリス・ノーグレン・シリーズ第三弾。

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2017/02/13

美術学芸員クリス・ノーグレンシリーズ3作目にして今のところ最終巻。 今回の舞台は芸術の国フランス。よくよく考えると絵画をテーマにしたミステリで舞台といえばすぐにフランス、パリという図式が思い浮かぶが、3作目でようやく登場というところが意外といえば意外。まあ、深い意味は無いんだろう...

美術学芸員クリス・ノーグレンシリーズ3作目にして今のところ最終巻。 今回の舞台は芸術の国フランス。よくよく考えると絵画をテーマにしたミステリで舞台といえばすぐにフランス、パリという図式が思い浮かぶが、3作目でようやく登場というところが意外といえば意外。まあ、深い意味は無いんだろうけど。 さて今回もなんとも面白いシチュエーション。クリスの勤めるシアトル美術館にフランスの画商ヴァシィがレンブラントの絵を寄贈するという申し出があった。しかし真贋鑑定の科学的検査はしないこと、そして美術館の目立つところに「レンブラント作」として展示することという非常に悩ましい条件が付けられていた。 こんな面倒な仕事が回ってくるのがクリスで、彼はこの申し出のためにフランスに飛ぶが、やはりそこでも殺人事件に巻き込まれるというお決まりのパターン。 御決まりなのだが面白いのがこの作家の作品のいいところで、今回は美術に造詣の深い作者ならではの仕掛けが散りばめられている。 まず画商ヴァシィの人となり。魅力的なキャラクターはエルキンズの専売特許だが、これがけっこう問題児で、腕はいいが今まで色んな騒動を起こしてきた人物だというところ。そんな人物が、真贋鑑定はしてはいけない、一番目立つところに作者名付で飾れというのだから、信頼していいのかどうか非常に不安なところ。もし贋作だった場合は真贋を見極められなかった美術館の沽券にも関わり、評判も落とすから、こんな危ない橋は渡りたくないというのが正直な気持ちだが、集客力の強いレンブラントの作品を、無料で頂けるのは美術館としても魅力的なわけでなんとも判断に困るというのが容易に窺える。 さらに今回作者が上手いのは寄贈する作品の作者をレンブラントにしたところにある。と、さも私が美術に精通しているように書いているが、実はこの作品にこのレンブラントの作品を扱う際に陥りがちな罠について述べてあるので、そっからの受け売り。 本書にも書かれているが、レンブラントは実は工房を持っており、弟子達が師匠レンブラントの技法を真似して書いた作品が多々あり、しかもその作品にレンブラント本人がサインまでしているので、非常に真贋が見極めにくい画家だというのだ。だから世に蔓延っているレンブラント作と冠された絵画は到底レンブラント1人が一生に描ける分量をはるかに超えているらしい。こういう薀蓄は堪りませんね。 まあ、そんな背景を見事ストーリーに溶け込ましてヨーロッパ美術の歴史の暗部も盛り込みつつ、読み終わった時にはなんだかいっぱしの美術通になった気がした。 本書はミステリの部分よりもやはり薀蓄やその辺のサブストーリーが琴線に触れたので、ちょっと評価は高くなっている。 さて冒頭に述べたように本書を最後にこのシリーズは続編が書かれていない。その後別の主人公を使って『略奪』という邦題の美術ミステリを発表したがこちらは本格ミステリ風味が薄れ、サスペンス色が濃くなっており、既出のクリスシリーズのイメージが先行して、なんともちぐはぐな印象を受けた。 美術、絵画をテーマにした作品となると、ナチスによる掠奪品、贋作疑惑、盗難事件と意外にヴァリエーションは少ないと思われるが、私が読んでいたマンガ『ゼロ』はそんな制約の中で多数物語を発表しているので、アイデア1つで面白く書けそうな気がする。 もしエルキンズがこのシリーズをもう1作書くとしたら、例えば日本の浮世絵を扱ったミステリを書くなんて、非常にワクワクするのだが、どうだろうか?

Posted byブクログ

2015/07/25

クリス・ノーグレンシリーズ第3弾。 今度のクリスの冒険の舞台はフランス。 クリス勤める美術館にフランスの画商がレンブラントの絵を寄贈すると言ってきた。その申し出の条件は、事前の科学的検査は認めず、そしてその美術館の目立つところに「レンブラント作」としてかざらなければいけない、と...

クリス・ノーグレンシリーズ第3弾。 今度のクリスの冒険の舞台はフランス。 クリス勤める美術館にフランスの画商がレンブラントの絵を寄贈すると言ってきた。その申し出の条件は、事前の科学的検査は認めず、そしてその美術館の目立つところに「レンブラント作」としてかざらなければいけない、というもの。 しかしフランスへ向かったクリスはその画商の謎の死に出会い、さらに自身も窓から突き落とされる。 はたしてそのレンブラントは本物なのだろうか。 クリスいわく、レンブラントは工房のようなものを開いており、弟子がレンブラント調で描いた絵にレンブラントがサインをしたり、師匠の絵を真似して絵の技術を学んだりした弟子がたくさんいたため、贋作がとても多い作者なのだそうだ。 それは贋作を意図して作られたものでなく、弟子が描いたレンブラント調の作品を、後世の人間がレンブラントの作品としてみていたり、というものもあるのだとか。 また、そのような作品とレンブラントの作品を見分ける方法は非常に難しい。なぜなら科学検査でわかることは、たとえばレンブラントの時代の絵の具であるか、カンバスであるか、などなどであるからだ。もちろんレンブラントの時代のレンブラントの弟子なら、レンブラントと同じ絵の具、同じカンバス、同じ技術を使っていて当たり前。 それではどうやって見分けるか、ということはクリスから教えてもらってほしい。

Posted byブクログ

2014/10/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シリーズ第3弾。王道レンブラント登場で、美術雑学も楽しめる巻。 ちょっと1巻と似たような箇所もあるやなしや。美術は金持ちのものとは思わないけれど、少なくともコレクターは金持ちでないとなれないよな…… 適度に軽く、十分に楽しめるシリーズなのに、これ以降がないのが残念至極。

Posted byブクログ

2013/12/15

学芸員クリス・ノーグレンのシリーズ第3弾。 シリーズの主人公ノーグレンは良くも悪くも普通の人で、共感しやすい反面、インパクトに欠ける感がある。そのせいもあってか、3作すべて読んだものの、どれもこれも印象に残っていない。つまらないということではなく、それなりに楽しんでサクサク読ん...

学芸員クリス・ノーグレンのシリーズ第3弾。 シリーズの主人公ノーグレンは良くも悪くも普通の人で、共感しやすい反面、インパクトに欠ける感がある。そのせいもあってか、3作すべて読んだものの、どれもこれも印象に残っていない。つまらないということではなく、それなりに楽しんでサクサク読んでいるはずなのだが、読み終わったらもう忘れた、みたいな。 主人公のキャラだけではなく、作品の中で殺人事件のウェートが小さすぎるせいかもしれない。殺人よりも、絵画の鑑定、売買、贋作をめぐるあれこれの話の方が面白い。無理に殺さずに、詐欺事件の話にしても良いのでは?

Posted byブクログ

2011/06/04

Old Scores by Aaron Elkins. 美術館学芸員クリス・ノーグレンのシリーズ第3弾。今回の主題はレンブラント! Aaron Elkinsによる、主人公の愛する人やモノ(本作では恋人のアンやレンブラントの絵画)に対する心理描写がたまらなく好き。それだけで主人公...

Old Scores by Aaron Elkins. 美術館学芸員クリス・ノーグレンのシリーズ第3弾。今回の主題はレンブラント! Aaron Elkinsによる、主人公の愛する人やモノ(本作では恋人のアンやレンブラントの絵画)に対する心理描写がたまらなく好き。それだけで主人公は圧倒的な魅力を持つ人物となり、たとえプロットがいまいちだったとしても、難解なタームが多すぎて混乱・退屈したとしても、読み進めずにはいられないし、また次作も読みたいと思ってしまうのだ。(ちなみに本作は内容もとても面白い。) 読了後気づいたことに、ちょうど上野でレンブラント展が開催中!たまたまチケットも持っていることだし、ここまで熱くレンブラントを語られては行くしかない。 しかし…入場規制こそなかったものの、美術館内は人だらけ。押し合いへしあいの状況では、クリスのように1点のレンブラントを心ゆくまで堪能することなど到底かなわなかった。

Posted byブクログ