エーゲ海に捧ぐ の商品レビュー
ちょっと外国の小説かなと思わせる 舞台がサンフランシスコだということや白人の女性が登場する エキゾチックさばかりから来るものではないが、持ち味というのだろう 一場一場の情景絵を広げていくような ひとこまの静止したエロスのつながり 実を言うとそのような描写はもう、うざった...
ちょっと外国の小説かなと思わせる 舞台がサンフランシスコだということや白人の女性が登場する エキゾチックさばかりから来るものではないが、持ち味というのだろう 一場一場の情景絵を広げていくような ひとこまの静止したエロスのつながり 実を言うとそのような描写はもう、うざったいという感情もある しかしいちどは読んでおかないと、と思った 芥川賞受賞作品だからではないけれどもね(笑 ミステリー仕立てもあるが、そのことは重要ではない サンフランシスコに滞在している日本人の彫刻家に 日本の妻が国際電話でうらみつらみを、長々と述べぐちるストーリー その彫刻家のアトリエには白人女性が二人 ひとかたは素裸、もうひとりは着衣 それが芸術を凝らした絵の連続のようだ そこには才能がきらめいていると思うのがみそ この御仁はお金がないらしいから 妻がする国際電話料金がかさむのが気になる またまた クリーニング代を惜しみ、汚れ物を船便で妻に送ってしまう それがミステリのきも ケチな野郎の芸術家ぶりっこがうける と言っては失礼かな ここのエロスは今となっては上品である 「ミルク色のオレンジ」「テーブルの下の婚礼」の2作品もついている中公文庫
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受賞歴 第77回(昭和52年度上半期) 芥川賞受賞 (「BOOK」データベースより) サンフランシスコのアトリエにいる彫刻家を責め立てる、日本の妻からの長い国際電話。彫刻家の前には二人の白人女性が…。卓越したシチュエーションと透明なサスペンスで第七十七回芥川賞に輝いた表題作ほか...
受賞歴 第77回(昭和52年度上半期) 芥川賞受賞 (「BOOK」データベースより) サンフランシスコのアトリエにいる彫刻家を責め立てる、日本の妻からの長い国際電話。彫刻家の前には二人の白人女性が…。卓越したシチュエーションと透明なサスペンスで第七十七回芥川賞に輝いた表題作ほか二篇を含む、衝撃の愛と性の作品集。 文庫: 214ページ 出版社: 中央公論新社 (1995/5/18)
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文書だけをみると、所々稚拙で推敲したいような箇所が混じっていて(例えばカタカナの文書)不快だが、映像あるいは画像としてみるべきで、作者には一枚の静止画が先行してあっただろう。その強烈で鮮明なイメージが文書/妄想を手繰り寄せていて、その熱気のようなものが、池田満寿夫を版画家にしたよ...
文書だけをみると、所々稚拙で推敲したいような箇所が混じっていて(例えばカタカナの文書)不快だが、映像あるいは画像としてみるべきで、作者には一枚の静止画が先行してあっただろう。その強烈で鮮明なイメージが文書/妄想を手繰り寄せていて、その熱気のようなものが、池田満寿夫を版画家にしたように、芥川賞作家にした。
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1977年上半期芥川賞受賞作。私の一人称語りによって物語が進行してゆく。登場人物は、私の目前にいる2人の女―アニタとグロリア、そして電話を通じて声だけの妻、トキコ。この作品の実に特異な点は、私と2人の女との間で一切の会話が交わされることのない点だ。声の女トキコも一方的に語りかける...
1977年上半期芥川賞受賞作。私の一人称語りによって物語が進行してゆく。登場人物は、私の目前にいる2人の女―アニタとグロリア、そして電話を通じて声だけの妻、トキコ。この作品の実に特異な点は、私と2人の女との間で一切の会話が交わされることのない点だ。声の女トキコも一方的に語りかけるのみで、私との間に対話はない。その間に、彫刻家である私の視線だけが女たちの上を彷徨う。徹底した「眼」の小説なのだ。ロブ=グリエをはじめとしたヌーヴォー・ロマンの手法に近いものだと言えるだろう。これまでの日本文学にはなかったものだ。
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陶芸家であり画家でもある作者がアメリカの田舎町で次々に脳裏に浮かんできた日本語を紡いだという官能的で幻想的な短編小説集。 どことなくブコウスキーとかバタイユっぽくて日本人にしては珍しい感性。 表題作は1977年の芥川賞受賞作。
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「エーゲ海に捧ぐ」とは、不在の肉体が、言葉によって眼前の存在を浸食していく過程を描いた作品。 同時に起きたことを同時には書けないという、小説=言葉のきわめて基本的な構造によって成立しえている。
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視覚的で聴覚的で、幻想(妄想?)的。 色がまぜこぜになったパレットみたいな感じ。その印象が大好きだった。
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第77回芥川賞。 サンフランシスコで2人の外国人女性を撮影している主人公。そこに日本にいる妻からの長電話。夫が浮気をしていることを疑う妻、いやもうほとんど気付いているようだ。…そんな話。 (芥川賞作品はうまく説明できないなぁ)
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