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ヒルベルト空間と線型作用素 の商品レビュー

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2015/04/08

 作用素論を学ぶにあたり基礎となるヒルベルト空間上の線形作用素について述べられた本である。第一章は関数解析の初歩だが、位相的な記述は(面倒さのためか、意図的に)簡略化されている。そのため頻出するアラオグルの定理などが演習に回されたり、後の章では連続性の議論が省かれている場合がある...

 作用素論を学ぶにあたり基礎となるヒルベルト空間上の線形作用素について述べられた本である。第一章は関数解析の初歩だが、位相的な記述は(面倒さのためか、意図的に)簡略化されている。そのため頻出するアラオグルの定理などが演習に回されたり、後の章では連続性の議論が省かれている場合がある。第二章は線型作用素の基礎事項で、有界だけでなく非有界の場合も扱われている。極分解辺りがやや難解である。第三章でスペクトル分解定理などを示す。測度論について必ずしも精通している必要は無いが、学んでいればより深い理解を得ることができる。命題3.1.14後の注意は、スペクトル分解を学ぶ前に示せるのだろうか。まえがきにも述べられているが、第四章のコンパクト作用素までが学部で学ぶ一般的な範囲であり、以降は著者の趣味を多分に含む内容である。第五章では作用素の間に不等式を導入し、短調関数や平均といった話題が提供される。第六章は雑多な話題を特論という形で紹介しており、フレドホルム理論、ダイレーション理論など興味深い議論が展開されている。C*代数の初歩を含む補遺や、参考文献とその案内なども充実していて困ったときに手が伸びる一冊である。

Posted byブクログ

2011/01/02

セミナーの参考文献として使っています。 というか、辞書代わり。 難しいですが、使いやすいです。 1 ヒルベルト空間 2 ヒルベルト空間上の線型作用素 3 スペクトル分解 4 ヒルベルト空間上のコンパクト作用素 5 作用素単調関数と作用素平均 6 作用素特論

Posted byブクログ