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ねじまき鳥クロニクル(第1部) の商品レビュー

3.9

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    11

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2011/09/19

1巻読み終わっての感想~。 『1973年のピンボール』ではねずみ男が人間は腐っていくだけだと話す。 『ノルウェイの森』ではキヅキが自殺。 村上春樹さんは「死」をテーマに扱うなぁ。 生きているとやがてやってくる死。 生の延長線上にある死。 この本はそういう死とは違う、「...

1巻読み終わっての感想~。 『1973年のピンボール』ではねずみ男が人間は腐っていくだけだと話す。 『ノルウェイの森』ではキヅキが自殺。 村上春樹さんは「死」をテーマに扱うなぁ。 生きているとやがてやってくる死。 生の延長線上にある死。 この本はそういう死とは違う、「なにかの死」ってのがテーマなのかな? 間宮中尉の話でも、山本はほんとうに死んだ。これ以上ない残酷な死に方で。 一方、間宮中尉は生き残った。でも「なにか」が死んだ。 なんなんだろう?生きる目的? 井戸の中にある死。絶望?希望?わからない。 俺は毎日生きてるけど、死に向かっているなんて考えたこともないけど、「なにか」は生きているのだろうか? 実際の死もコワいけどなにかが死ぬのもコワいとか思っていたら机の上でハエが死んでいた。 なんか俺なりに生と死のコントラストを見た金曜日の昼下がり。

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2011/03/01

ノモンハン。 戦争にまつわる残虐な記述があって、読みながら死にそうな気分になりました。 でも村上さんには、「戦争は嫌だ」という姿勢がはっきり感じられるので、嫌な部分もなんとか我慢して読めます。 そういうのがはっきり伝わってくる作家さんは少ないかもしれないですね。

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2011/02/21

初めての村上作品にして、心をわしづかみにされました。 孤独で、完全悪に立ち向かう超凡人の心の葛藤が、手に取るように痛かったなぁ・・・ 成せばなる、成さねばならぬ 何事も・・・って感じでしょうか。 井戸に入って考える。このシーンが好きです。

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2011/01/02

1~3巻の長編大作、と呼ぶに相応しい。 何を言っているのか、何が書かれているのか、目で追って考えるのではなく感じとってください。 これは決して、心に深い闇を抱えた人のタメの本ではありません。自分とは何か?今一度見つめなおすチャンスを与えてくれる本です。 与えてくれたチャンス、自ら...

1~3巻の長編大作、と呼ぶに相応しい。 何を言っているのか、何が書かれているのか、目で追って考えるのではなく感じとってください。 これは決して、心に深い闇を抱えた人のタメの本ではありません。自分とは何か?今一度見つめなおすチャンスを与えてくれる本です。 与えてくれたチャンス、自ら取りに向かってみませんか。

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2010/10/25

○概要  いなくなった猫をめぐる一連の物語 ○感想  海辺のカフカを読んでから、村上春樹さんはあまり好きではない作家のひとりになった。  それ以前に彼の作品を読んだことはなかったので、関心をもってすぐに好きではなくなったわけだ。それから今日まで、村上春樹さんの作品を読...

○概要  いなくなった猫をめぐる一連の物語 ○感想  海辺のカフカを読んでから、村上春樹さんはあまり好きではない作家のひとりになった。  それ以前に彼の作品を読んだことはなかったので、関心をもってすぐに好きではなくなったわけだ。それから今日まで、村上春樹さんの作品を読んでいない。好きではないからだ。  なぜ好きではないかと言えば、作品がひどく暴力的だったからで、このねじまき鳥クロニクルもやはりそうだった。  鳥を島と勘違いしていたほど関心のない時になぜだか買ってきて、勘違いしたまま読み出した。いつ島が出てくるのかと首を傾げて、鳥が2度目に登場したあたりでようやく気づいた……笑えない話だ。  更に笑えないことに、ねじまき鳥クロニクルの一巻目もまた、読んでいる間中、ささくれだった木を撫でているような感じがした。推理小説などよりよほど暴力的だった。それも、例えば電話がかかってくるだけのことが。  この、意図的に筋書きがずらされているような物語をどうとらえればよいのかがまだ分からない。今のところ、好きではないということだけが確かだ。  電話の人が奥さんってのはありがちよね(笑)

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2010/11/03

高校三年生の時に親に買ってもらって読んだ。ハードブック三巻は高くて…(笑)。未だに何度読んでも理解不能…なのにページをめくる手は止まらない村上マジックですね。

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2017/04/16

「間宮中尉の長い話」は一部読むことはできない描写があり、避けましたが、 何が行われたかは強烈に伝わります。学校では教えない「戦争」。 春樹氏はこういう形で歴史と個人とをコミットメントしてきたのですね。 (戦争の物語ではありません) 新たな領域に入ったことを感じさせます。 1部〜...

「間宮中尉の長い話」は一部読むことはできない描写があり、避けましたが、 何が行われたかは強烈に伝わります。学校では教えない「戦争」。 春樹氏はこういう形で歴史と個人とをコミットメントしてきたのですね。 (戦争の物語ではありません) 新たな領域に入ったことを感じさせます。 1部〜3部の底部に流れている血なまぐさい「暴力」と「痛み」。 登場人物の痛みを、自分のことのように捉えてしまう傾向のある私は、 苦痛を処理しながらの読了となりましたが、主人公、岡田トオルの 圧倒的な優しさに救われ、同時に3部作という長いスタンスの中で、 彼のやさしさがぶれることなく描かれていることに希望を見出します。 でも気をつけなければいけないのは、意識の深い暗部に降りていくので、 読了=開放とはならないでしょう。 未読の方は、時間・思考・体力にゆとりのある時に読んだ方が 作品の面白さがより伝わると思います。 初判時に読了。再読。

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2010/07/26

村上春樹の中でも一番夢中になって読んだ本。よくこの人の話に出てくる「井戸」が重要なモチーフになっている。戦争の描写が一部分からないところがあったが、この現実と非現実の絶妙な混ざり具合が凄い。

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2010/07/26

これは第一部、泥棒カササギ編だ。 なので、感想と言おうにも、まだ話は膨らみ始めたばかりだ。 村上春樹氏の本は、もう十年かあるいはもっと前に読んで以来だと思う。ねじまき鳥クロニクルは、タイトルはもちろん知っていたが、逆にタイトルしか知らなかったので、図書館で目に留まって借りること...

これは第一部、泥棒カササギ編だ。 なので、感想と言おうにも、まだ話は膨らみ始めたばかりだ。 村上春樹氏の本は、もう十年かあるいはもっと前に読んで以来だと思う。ねじまき鳥クロニクルは、タイトルはもちろん知っていたが、逆にタイトルしか知らなかったので、図書館で目に留まって借りることにした。 とりあえず、第一部を読み終えて、思ったことを書く。 まず、以前に読んだ、タイトルも忘れた小話(その中には、実話もあったように記憶しているのだが)のモチーフが、そこかしこに織り込まれているような気がした。読み進むうちに、このモチーフはなにか記憶があると思わされたのだ。それは、作者の意図したことではもちろんないのだろうけれど、たわいない、ちょっと不思議な話として紹介されたかつての小話が、「ねじまき鳥クロニクル」に縫いとられていくと、その中で、確かな装飾となっていくのが面白くもあった。 さて、もっと本作の中味に触れる。話は、主人公の視点で語られる。彼は、仕事をふと辞めてしまい、しばらくの主夫をしている。ところが、彼の生活は不思議な方向へねじれて行く。 ねじまき鳥とは、姿を見たことがないがネジを巻くような声で毎朝鳴く鳥のことなのだそうだ。それを、ウィットをこめて、ねじまき鳥が朝、世界のねじを巻くと主人公は思う。 このウィットは、しかし、ただの言葉遊びではない。 読者は、現実的な物語を読みながら、その世界がひたひたとファンタジーに浸されていくのを感じる。日常の何でもない出来事に疑問を感じる時、戦争という非常の世界で起きた出来事を語られる時、占い師や霊感のある人物が予言する時、奇妙なキーワードの符合が続く時。 現実の世界は現実感を失っていく。それどころか、ファンタジーともホラーともいえるような因縁が背後から主人公をからめ取ろうとしているのを感じる。 物語はどこへ続いていくのだろうか。はるかな非現実へとつながっていくのか。それとも、現実と非現実のはざまをフェアの打球ように、ゆるゆると転がって行くのだろうか。 第一巻では、謎が増える一方で何も解決しない。けれど、次を読みたいと思わせてくれたのは、その謎に対する好奇心だけではない。 村上春樹氏の描く主人公の日常が、繊細でもろく魅力的な世界であることに、私は魅了された。彼の思考は、外から枠づけされた物事の当たり前の認識から、ずっとはるかに自由で、枠組みがない分、的確なのだ。 自分の感覚を研ぎ澄まして、主人公の感覚をなぞりながら、読んでしまった。こういう読み方をさせてくれる文章にはなかなか出会えない。私にとっては、嬉しい出会いとなった。 ひとつ、付け加えるならば、私も、仕事をふと辞めて、人間関係の渦から、人と会わない日々へと生活を変えた人間だ。だから、主人公の感じることのうち、まさに自らの境遇ゆえに、想像力を必要としない部分もあった。それは、この物語を楽しむ上で、プラスに働いたことは言うまでもない。

Posted byブクログ

2010/06/04

もしかしたら村上作品のなかで一番好きかも知れない小説の一巻。出てくる人が皆、自分の物語を持っている。通行人にもスポットを当てる勢い。 山本のかわはぎシーンは中学生には戦慄ものだった。強烈なシーンに限ってとくに淡々と書かれている気がする。笹原メイが凄く好き。

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