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キリスト教の歴史 の商品レビュー

3.8

18件のお客様レビュー

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2012/04/23

ザザッとキリスト教の歴史が神学、思想的な側面をばりばりとつなぎ合わせるように紡がれています。多少基礎知識がないと人名と著作が飛び交っている関係もあって理解は難しいと思いますが、しっかりと著者の歴史観を色濃く示しつつ書かれているので思いが伝わり良かったです。結構キリスト教史を全般的...

ザザッとキリスト教の歴史が神学、思想的な側面をばりばりとつなぎ合わせるように紡がれています。多少基礎知識がないと人名と著作が飛び交っている関係もあって理解は難しいと思いますが、しっかりと著者の歴史観を色濃く示しつつ書かれているので思いが伝わり良かったです。結構キリスト教史を全般的に網羅しつつこういう風に記せる人は少ないと思うので、立派なお仕事だと思います。  書き出しの聖書についての真理性に関しての件が良かったです。物理科学の真理ではなく、実存的真理である。聖書は神との約束(旧約、新約)なので、その約束を果たし果たされる関係、地平に立ってこそ(私たちの言葉で「相対基準を結ぶ」っていうことですか)それが私の中で真理として刻まれる。という感じであったと思います。これはなるほど、目から鱗でした。  そんな感じで書かれたキリスト教史です。ぜひ。 01 DODORIASAN

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2011/12/29

行間までとは言わずとも、端々まで流すことなく読みました。今まで、部分的な思想や信仰にふれ学んできましたが、実はキリスト教の体型的な歴史に目を通すのは初めてです。250頁程の内容なので、とりわけ深く書かれているわけではありませんが、そもそも歴史書で思想を学ぶことも本意とずれていると...

行間までとは言わずとも、端々まで流すことなく読みました。今まで、部分的な思想や信仰にふれ学んできましたが、実はキリスト教の体型的な歴史に目を通すのは初めてです。250頁程の内容なので、とりわけ深く書かれているわけではありませんが、そもそも歴史書で思想を学ぶことも本意とずれていると思うので、これぐらいのほうが自分としてはよほどわかりやすかったです。  歴史は前時代の反動によって進んでいく事を理解します。ひとつの思想が極端な表れ方をすると、ほとんど必ず逆方向の引き戻しがあるんですね。こう見るとヘーゲルの弁証法はよく捉えたものだと思います。もう二度三度読んでいきたいですね。  個人的に気になったところは「免罪符」という言葉と、カルヴァンが宗教改革マシーンの様に書かれているところに少し違和感を感じましたが。カルヴァンの思想に反動が起こらなかったことをもう少しよく見て欲しいと言うところかな。他著者のキリスト教史も読みたいです。 11/12/29

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2011/09/16

90年代後半に購入。そのままほっておいてたが、やっと読むことができた。 元ネタは、講義録を250P程度でにまとめたもので、やはりこれだけで全部を詳細に語るのは難しい。 講談社学術文庫という形をとっているが、昨今の図解や写真が入っているシリーズに比べると、やはり読みにくい。キリス...

90年代後半に購入。そのままほっておいてたが、やっと読むことができた。 元ネタは、講義録を250P程度でにまとめたもので、やはりこれだけで全部を詳細に語るのは難しい。 講談社学術文庫という形をとっているが、昨今の図解や写真が入っているシリーズに比べると、やはり読みにくい。キリスト教史(教会史)をどこかで学んだが人間が、それを深めるために、または復習するために使う入門書であると思う。 ただし、説明が詳しいこともあり教理史の中で、三位一体論が不毛な論議であったなどの解説は初めて聞いた。あなどれないが、あくまである程度の知識が大前提である。

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2011/08/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

250頁という限られた紙数でキリスト教の歴史をまとめ上げたが、 成功しているとは言い難い。あまりにも大雑把である。 これは著者自身の力量不足というより、そもそも2000年以上の歴史を持つ キリスト教を文庫本一冊で説明することは不可能であるからだ。 また、キリスト教も他の分野(哲学や科学)の影響を受けているため それを説明する際に、突然『グノーシス主義』『経験』という言葉が出てくるため、 多少なりとも哲学などをかじっていないと理解は難しい。 そういう意味で『キリスト教に興味がわき学ぼうと思った人のための本』ではない。

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2011/08/16

キリスト教の歴史…というか、キリスト教から見たヨーロッパ思想史、のような。 この本でもう少しキリスト教についての理解を深める…つもりだった。 思想・哲学にさっぱり疎い私には暗号のようだったよ…。 高校の倫理の教科書、資料集を読み直して出直します。 思えばあの教科書は簡単にコンパク...

キリスト教の歴史…というか、キリスト教から見たヨーロッパ思想史、のような。 この本でもう少しキリスト教についての理解を深める…つもりだった。 思想・哲学にさっぱり疎い私には暗号のようだったよ…。 高校の倫理の教科書、資料集を読み直して出直します。 思えばあの教科書は簡単にコンパクトによくまとまってたなあ。 最後の章に出てきた内村鑑三の弟子という人、どこかで見た名前だと思ったら、「武士道」の和訳の人だった。びっくり。

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2011/07/04

大学の講義の教科書になっていた本です。神学とかの変遷が書いてあって、まるで知らない、自分としては全然足をふみいれていない世界の内容が新鮮でしたね。キリスト教がどうやってこれほどまでに強大になったかという、そのきれいごとでは済まない部分も書かれていたのではなかったかな。

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2011/01/25

『キリスト教の歴史』(小田垣雅也、1995年、講談社学術文庫) 本書は、キリスト教の、教会史、キリスト教思想史を時代を追って述べたものである。キリスト教の発展の背景も説明されているのだが、用語の説明が不十分で初学者には少々難しいかも知れませんね。たとえばグノーシス主義の説明もな...

『キリスト教の歴史』(小田垣雅也、1995年、講談社学術文庫) 本書は、キリスト教の、教会史、キリスト教思想史を時代を追って述べたものである。キリスト教の発展の背景も説明されているのだが、用語の説明が不十分で初学者には少々難しいかも知れませんね。たとえばグノーシス主義の説明もないまま本文が進んでいってしまうなど、僕もよくわからないまま読み進ました。 (2011年1月24日 大学院生)

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2010/01/10

キリスト教の発生とその後の歴史を、主に西方教会の思想史を中心に概説した書物です。 考えてみると、一口にキリスト教といっても、その変遷については意外と知らないことに気づきます。著者も指摘していることですが、キリスト教史を扱う邦文の本は非常に少ないものです。それはあまりにも対象となる...

キリスト教の発生とその後の歴史を、主に西方教会の思想史を中心に概説した書物です。 考えてみると、一口にキリスト教といっても、その変遷については意外と知らないことに気づきます。著者も指摘していることですが、キリスト教史を扱う邦文の本は非常に少ないものです。それはあまりにも対象となる時間と分野とが多いためだと思いますが、それらがコンパクトに文庫版にまとめられた本書は、そういった意味で貴重な存在でもあるでしょう。 ただ、本書の内容は、一般に思うような概説書というようなものではありません。本書の特徴はすでに触れたように思想史に大きなウエイトが置かれていること。冒頭から当たり前のように、聖書の解釈についての神学的な議論が紹介されますが、これには私もさすがに面食らいました。「前理解」すなわち前提となる知識なしに客観的記述はありえない、とは著者がはしがきに記している言葉であり、確かにそれは当を得た見解と私も思いますが、それにしても、読者に求めるハードルはいささか高い気がします。ある程度のヨーロッパ史の知識はもとより、西洋哲学などの予備知識が読むにあたっては必要になるでしょう。 とはいえ、内容としては十分満足のいくものでした。「ナザレのイエス」の生涯、使徒、教父時代の公会議、中世と東西分裂、宗教改革などのトピックを思想という面から照らす手法はとても新鮮でした。今では宗教改革の旗手として一括りにされがちなルターとカルヴァンとが、ほぼ正反対な思想を持っていたことなど、カトリックもプロテスタントも統一的な思想を必ずしももっていたわけではなかったことには驚くばかり。かつて「哲学は神学の婢(はしため)」と呼ばれた両者の関係が逆転しながらも発展していくさまは、宗教と哲学とが切っても切れない関係だったことを教えてくれます。 一般向けの書物なので、研究者の引用と著者自身の見解とがはっきり区別しづらい文体なのが残念といえば残念ですが、18、19世紀の歴代教皇にあまり力量のある人物がいなかったという指摘など、切り込み方もとても鮮やかです。硬派な知的冒険がしたい方は、ぜひ一読を。 (2008年8月 読了)

Posted byブクログ