ショアー の商品レビュー
映画「ショアー」の書き起こし。映画は第二次世界大戦におけるホロコーストに関わった人々のインタビュー動画。収容所から生還したユダヤ人、元ナチ親衛隊員など38名に渡るリアルな記憶。 同族の死体を処理させられたのもユダヤ人。ユダヤ教では火葬はされないが、死体が焼かれるということは二回...
映画「ショアー」の書き起こし。映画は第二次世界大戦におけるホロコーストに関わった人々のインタビュー動画。収容所から生還したユダヤ人、元ナチ親衛隊員など38名に渡るリアルな記憶。 同族の死体を処理させられたのもユダヤ人。ユダヤ教では火葬はされないが、死体が焼かれるということは二回殺されるにも等しいことであった。死体とか犠牲者とかという言葉は禁止され、丸太やクズと呼べと。痕跡を残らないように、土に埋めた死体を素手で掘り起こす作業もさせられた。丸裸にされそのままガス室に。ナチスのために歌わされたり、収容者同士で徒競争をさせられたり。人権などなかった。飲むものも与えられず貨車で運ばれて、その中で亡くなる人も多かった。ユダヤ人の組織的な大量殺戮。このことが戦後になるまで知られなかった。 人間が引き起こした悲劇から目を背けてはいけず、こうした歴史を認識しておくことは教訓にもなるのだと思うが、この本を読むには、覚悟が必要だ。思想や暴力の怖さと同時に、民族が自衛のために力を持たねばならぬ根源的な理由を知る。国や宗教、民族といった領域において相互に防衛協定を結んでおかなければ、暴走した支配欲に絡めとられてしまう。
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1985年、11年をかけて作られた、第2次大戦中のユダヤ人絶滅政策体験者たちへのインタビュー、9.5時間の映画、その全テキスト。ポーランドのアウシュビッツの地の農民や機関手や駅員、生還者たち。元SS隊員や学者、活動家たち。 文字ですから読み返したり中断したりできますが、語ってい...
1985年、11年をかけて作られた、第2次大戦中のユダヤ人絶滅政策体験者たちへのインタビュー、9.5時間の映画、その全テキスト。ポーランドのアウシュビッツの地の農民や機関手や駅員、生還者たち。元SS隊員や学者、活動家たち。 文字ですから読み返したり中断したりできますが、語っている映像には負けると思いました。
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ホロコーストについて語るとき「その末端を支えたのは善良なる顔をもつ市民であった。」といった言説は繰り返し述べられているが、「善良なる顔をもつ市民」がホロコーストへと従事していく過程においてやはり社会システムの果たした役割は小さくないだろう。そのような観点に立ち、ナチスによるホロコ...
ホロコーストについて語るとき「その末端を支えたのは善良なる顔をもつ市民であった。」といった言説は繰り返し述べられているが、「善良なる顔をもつ市民」がホロコーストへと従事していく過程においてやはり社会システムの果たした役割は小さくないだろう。そのような観点に立ち、ナチスによるホロコーストを社会システムの面から問い直したドキュメンタリー映画のルポ。映画の方は10時間近くあるので取りあえずこちらを…。いずれは映画の方も観たい。
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ホロコーストの証言。被害者であったり、関係者であったり、傍観者であったり。証言というには詩的だったりする箇所もあるけど、それは映画におこしたものだからなのかも。 ひたすらに証言に終始しているのが何故か悲惨なシーンを見せられるよりも胸にくることがあるのがわかった。
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