こうばしい日々 の商品レビュー
ダイのお姉ちゃんは、本当はアメリカが嫌いなのではなくて、アメリカに馴染んで、日本を忘れそうになる自分をきらいだったんじゃないかな
Posted by
江國香織「こうばしい日々」を読んだ。しばらくこの人の作品から遠ざかっていたので、何度目かになる本作も新鮮に、たのしく読むことができた。概して、彼女の作品は短いほど良いといえる。「デューク」然り、「ぼくの小鳥ちゃん」然り、そして本作。 まず、書き出しが良い。「ウィルミントンの町...
江國香織「こうばしい日々」を読んだ。しばらくこの人の作品から遠ざかっていたので、何度目かになる本作も新鮮に、たのしく読むことができた。概して、彼女の作品は短いほど良いといえる。「デューク」然り、「ぼくの小鳥ちゃん」然り、そして本作。 まず、書き出しが良い。「ウィルミントンの町に秋が来て、ぼくは11歳になった」なんて読むと、ああ、ウィルミントンの町に秋が来て、彼は11歳になったんだなあ、と思う。つまり、語の選択が心地よいのだ。「ウィルミントン」、「秋」、「11歳」とね。 また、ぼくはこの中で彼の先生、ミス・カークブライドの台詞がいっとう好きだ。「一つのことを、初めから知っている人もいるし、途中で気付く人もいる。最後まで分からない人もいるのよ」と。こういう、大切なことをさらりと言ってのけるところが、著者の魅力の一つでもある。 チョコレート・ブラウニーがたべたい。
Posted by
涙を流してしまうほど誰かを好きになることは、うちにはないかもしれない。いままでもこれからも。 とってもすてきでした。
Posted by
外国と日本で暮らす、二人の少年少女を書いた二作。二人の生活を通して周りの人間たちとの関わりが丁寧に描かれている。特別じゃないんだけど、どこか特別で、ゆるやかに流れていく日々。二人はこれからどうやって成長していくんだろう。
Posted by
あたしは表題のこうばしい日々より 綿菓子のほうがすきだなぁ。 ずっとずっと好きな人が おねぇちゃんの元彼で あえなくてもずっとずっと好きで そんなみのりがもう愛しい。 最後なんてなんか苦しくなるくらい切なくて すっごいきもちわかるんだ。 金色のコーヒー あたし...
あたしは表題のこうばしい日々より 綿菓子のほうがすきだなぁ。 ずっとずっと好きな人が おねぇちゃんの元彼で あえなくてもずっとずっと好きで そんなみのりがもう愛しい。 最後なんてなんか苦しくなるくらい切なくて すっごいきもちわかるんだ。 金色のコーヒー あたしものませてもらいたい***
Posted by
ウィルミントンの町に秋がきて、僕は11歳になった。映画も野球も好きだけど、一番気になるのはガールフレンドのジルのことなんだ……。アメリカ育ちの大介の日常を鮮やかに綴った表題作「こうばしい日々」。 結婚した姉のかつてのボーイフレンドに恋するみのりの、甘く切ない恋物語「綿菓子」。大人...
ウィルミントンの町に秋がきて、僕は11歳になった。映画も野球も好きだけど、一番気になるのはガールフレンドのジルのことなんだ……。アメリカ育ちの大介の日常を鮮やかに綴った表題作「こうばしい日々」。 結婚した姉のかつてのボーイフレンドに恋するみのりの、甘く切ない恋物語「綿菓子」。大人が失くした純粋な心を教えてくれる、素敵なボーイズ&ガールズを描く中編二編。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 江國さんのかく、外国の雰囲気がなんとなくむずがゆくて苦手なんだが、逆にこれってきっとリアルなんだろうなぁっておもう…違うのかな…なんかアメリカンドラマみたいなノリっていうか…… だからどっちかっていうと、綿菓子の方が楽しかったかも。これは、女の子主人公だし、日本だし、感情移入できたっていうのもあると思う。 解説が色々なるほどーって思ったんだけと、同年代の男の子と女の子がそれぞれ主人公なんだね… おなじ年頃の恋愛でも男女で雰囲気がだいぶ変わるっていうか、幼さとか、ませてんなーとか…それぞれの感じ方とか…なるほどねー 大介とみのりが出会ったら~とかの感想文面白そうだよね笑 読んでみたいなぁ
Posted by
10代の男の子が主役の「こうばしい日々」 女の子が主役の「綿菓子」 10代の頃のキュン(*・・*)な体験って良いですね。 誰かを好きになりたくなる そんな本です。 【ウィルミントンの町に秋が来て~】と始まる 秋に読むのに、図らずも今読むのにぴったりすぎて ニヤッとしちゃいました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ウィルミントンの町に秋がきて、僕は11歳になった。映画も野球も好きだけど、一番気になるのはガールフレンドのジルのことなんだ…。アメリカ育ちの大介の日常を鮮やかに綴った代表作「こうばしい日々」。結婚した姉のかつてのボーイフレンドに恋するみのりの、甘く切ない恋物語「綿菓子」。大人が失くした純粋な心を教えてくれる、素敵なボーイズ&ガールズを描く中編二編。 江國さんの本ってなんか何回も読まないと題名と中身がつながんなかったり、読み込まないとするっと抜けてく感じがすごくある。 息を吸うみたいに自然と読めるからそうなるんだと思うんだけど。 これは中でもその傾向が強い本だと思う。たしか読んだはずなんだけど、どんな内容だったっけ?っていう本。 あらすじを読んでも読む前から何度も目にしてきた文章だから、発想につながんないし。 お姉ちゃんとそのアメリカ人のボーイフレンドと主人公の友達のアメリカ人の年上(大学生くらい)の男のがいい感じだった。 先生の話した一言が印象的。 ひとつのことを、はじめから知っている人もいるし、途中で気がつく人もいる。最後までわからない人もいるのよ。
Posted by
「綿菓子」のおばあちゃんや、「こうばしい日々」のミズ・カークブライドやパーネルさん、年配の女性が特に素敵でした
Posted by
十代はじめの若者が恋を経験し始める2つの物語。「こうばしい日々」はダイという少年がクラスメートの女の子と恋をして、「綿菓子」は姉の元ボーイフレンドに恋をして。若い頃はこんな風に恋いに憧れ素敵な気持ちでいられたよね、というのが素直な感想だと思う、実際。ちなみに僕は現在20代、この...
十代はじめの若者が恋を経験し始める2つの物語。「こうばしい日々」はダイという少年がクラスメートの女の子と恋をして、「綿菓子」は姉の元ボーイフレンドに恋をして。若い頃はこんな風に恋いに憧れ素敵な気持ちでいられたよね、というのが素直な感想だと思う、実際。ちなみに僕は現在20代、この本が出版された年から考えると、おそらく著者がこの作品を書いたのも20代ではないだろうか。こう考えてみると、これは20代くらいの人間の恋に対する見方の一つなのではないだろうかと思う。若い頃は恋にもっと必死になれたと、ちょっと醒めた感じで回想する。その見方を代表するように「こうばしい日々」には、ちょっと醒めた感じのダイの姉があらわれる(大学生なので10代後半かもしれないけど)。 そんな風に素敵な気持ちだったと回想できるのも、20代くらいの人間の特権かもしれない。その当事者(といっても10数年前の自分なんだけど)は素敵だなんて思えなくて、単純にいっぱいいっぱいなだけなんじゃないかなと思う。実際には歳をとって、それが素敵なことだったと回想できる余裕ができただけの話で。もっと歳をとったら、恋についてどんな見方になるんだろうか。そんなことを考えてみるのも面白い。
Posted by