にわとりのジョナサン の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
子供の頃『かもめのジョナサン』を読んだことを思い出したら、にわとりバージョンを読んだ記憶も蘇った。 当時は続編と思って読んでいた気がするのだが、著者も違うパロディ本だったのか。 何かこう、ぶっとんだ内容だった気がする。
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その題名で期待するまんまで、カモメのジョナサンのパロディ。1970年出版超ベストセラーのリチャードバックの”かもめのジョナサン”の原題は"Jonathan Livingston Seagull"、このシーガル(Seagull)はいわゆるざっくりとカモメ種の総称...
その題名で期待するまんまで、カモメのジョナサンのパロディ。1970年出版超ベストセラーのリチャードバックの”かもめのジョナサン”の原題は"Jonathan Livingston Seagull"、このシーガル(Seagull)はいわゆるざっくりとカモメ種の総称、ガル(gull)と同じ意味、日本の種名のカモメとは全く別もんで、出てくるカモメの名前がジョナサン・リビングストン。そしてこちら白色レグホンとブロイラーのハイブリッド、食用鶏のジョナサン・シーガル(Segal)人の名前によくあるシーガルで、カモメのシーガルとめちゃ発音にてます。ちなみに俳優のスティーブン・セガール(Seagal)は綴りをみるとシーガルと発音したいですが、セ(シ)ガールて発音しますよねぇ。名前てどこの国でも読み方が難しいもんです。 本書原作は読んだことがないんですが、青島訳はかなり意訳してるようです。しかも、昭和文化で訳されているので、分かりづらい単語や適切でない語彙も含まれます。昭和に詳しいなら読みやすい作品。ニワトリに象徴されているが、田舎から都会に出てきて、革命運動家になり、最後は結局食われるというオチのつくストーリー。30分ぐらいで読めるので、サクッと読んでから、数時間後から思い出してふつふつといろんなことを考えてしまうタイプのブラックでダークな、令和に生きる人間には結構笑えないシュールなパロディ。ニワトリが努力だけでマッハで飛べるとか、必要に迫られて火事場のくそ力的に全部のニワトリが飛べるようになるところがドリーミーでラノベ的ではあるかと。 今度この著者のオッドファーザーが読みたい
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タイトルからすぐにピンとくる人も多いだろうが「かもめのジョナサン」のパロディ。 ちなみに訳は「意地悪ばあさん」であり、「東京都知事」でもあった青島幸男。 主人公のジョナサンは空に憧れ、毎日、訓練を続け、ついに飛行能力を手に入れる。 そして、養鶏場で人間に食われるのを待つだけの人...
タイトルからすぐにピンとくる人も多いだろうが「かもめのジョナサン」のパロディ。 ちなみに訳は「意地悪ばあさん」であり、「東京都知事」でもあった青島幸男。 主人公のジョナサンは空に憧れ、毎日、訓練を続け、ついに飛行能力を手に入れる。 そして、養鶏場で人間に食われるのを待つだけの人生・・・いや鳥生はゴメン、と故郷を飛び出し、ニューヨークへ旅立つ。 が、そこで人間達のニワトリ一族に対する扱いに腹を立て、仲間の自由と平和のために人間達と戦う事を決意する・・・。 ジョナサンの戦う相手は、誰もが知る日本でも有名な某フランチャイズチェーン。 古い本なので時代なのだろうか、そのままの名前で登場する。今なら、即、文句をつけられ、自主回収になるに違いない。 基本的に荒唐無稽な話なのだが、ジョナサンの最初の人間との戦いと「敵」のニワトリに対する姿勢が気になった。 ジョナサンの最初の「戦い」は某有名フランチャイズチェーンではなく、日本から上陸した照り焼きチキン専門店(具体的な店名は出てこない) 9割のウソの中に1割の真実を含んだデマを広めて、悪い評判をばらまき撤退に追い込んでしまったのだ。 デマは、ごくわずかな真実を含んでいる、というのがミソ。 実社会でも意図的でも、意図せずにもこういう事を実践している人がいる、と思った。 もう一つ、ジョナサンの「敵」のニワトリに対する姿勢というのは、登場する某有名フランチャイズチェーンの人には、ニワトリを生き物として見る視線が全く感じられない、という点。 工業製品のように「効率良く」「早く」「規格通り」にタマゴや鶏肉を作る事しか考えていないのだ。 (こういう事を考えているのは、あくまで小説の中に登場する某有名フランチャイズチェーンの人なので、実社会とは関係ないが) こういう姿勢の行き着く先は資源を無駄に浪費した挙句、そのツケを他人に押し付ける、という事になるだろう。 別に肉を食べるのをやめろ、というつもりはないが、せめて食べ物はムダにせず、残さず食べる、というのは心がけるべきだろう。 そうでなければ、第2、第3の「ジョナサン」が現れてきてしまう・・・。
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