男たちは北へ の商品レビュー
物語は二人の男を主人公に進んでいく。学業優秀だが貧乏な家庭で母を養うという義務感から本意ではない自衛隊エリートの道を歩んだ男・緒方三佐、自分なりのダンディズムを貫き通すタフガイのグラフィックデザイナー桐沢風太郎の二人である。それぞれの一人称視点で交互に物語っていく形式で書かれてお...
物語は二人の男を主人公に進んでいく。学業優秀だが貧乏な家庭で母を養うという義務感から本意ではない自衛隊エリートの道を歩んだ男・緒方三佐、自分なりのダンディズムを貫き通すタフガイのグラフィックデザイナー桐沢風太郎の二人である。それぞれの一人称視点で交互に物語っていく形式で書かれており、物語の進行につれて緊迫感が増していく。ウマイ描き方だ。加えて、二人ともそれぞれ態度には表しはしないが、お互い徐々に好感を持っていく様が読者に伝わってきて好ましい。お互いをひとかどの男として認め合う、ハードボイルド小説の醍醐味だ。二人はそれぞれタイプは違えどハードボイルドヒーローである。この二人にはもう一つ「酒呑み」であるという共通点がある。このあたりも風間氏のこだわり(あるべき男の姿)なのだろう。
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しっかりと作りこんである自転車ノベル。沢木耕太郎の「深夜特急」のように「読むとその行程を辿りたくなる」作品。
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東京から青森まで自転車で行こうとするグラフィック・デザイナー桐沢は、ひょんなことから自衛隊の陰謀に巻き込まれる。 ・・・が、巻き込まれてる十干も危機感もなく、周りがあわてる中で一人暢気な桐沢が愉快。 いるよねこーいうやつ(え?)
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