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猫町 他十七篇 の商品レビュー

3.9

46件のお客様レビュー

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2013/11/29

以前読んだ漫画の中で紹介されていた作品の一つです^^ これは夢なのか?いや、確かに見たのだ。 猫が人の姿をして行き交う、不思議な村を! 迷子になって、ふと気づくと不思議な村に入り込んでしまった作者。 目にも鮮やかで、どこか恐ろしくもある世界。 力強く目をつむり、開くとそこ...

以前読んだ漫画の中で紹介されていた作品の一つです^^ これは夢なのか?いや、確かに見たのだ。 猫が人の姿をして行き交う、不思議な村を! 迷子になって、ふと気づくと不思議な村に入り込んでしまった作者。 目にも鮮やかで、どこか恐ろしくもある世界。 力強く目をつむり、開くとそこはいつも行く町の光景に戻っていた。 空想と現実の狭間、不可思議な世界に興味津々な私には面白いお話でした^^ 短編なところがまた、一瞬の幻・・・?という空気をだしていて★ 人の姿をしていたかと思えば、辺り一面猫!というシーン(=▽=) ファンタスティック♪

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2013/06/02

不思議な「猫町」のあらすじに魅かれて読んだ。それも良かったが、その他の短編や散文詩も味わい深くて良い。エッセイも今でも肌で感じられる内容。

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2013/03/28

綺麗で幻想的でそれでいて何だか身近な気がして。ひっそりと不思議をさ迷うような、素敵な素敵な一冊でした。小説、散文詩、随筆、どれも面白かったです。朔太郎さん大好きです。

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2013/03/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

帰省中に祖母の家の縁側に座して読みました。大学一回生の夏のことです。 当時、たいした意見も持ち合わせていないくせに写実主義をきどっていた私は、小説の主人公(イメージはやはり見返しに掲載された朔太郎自身の肖像)が猫の町に迷い込む場面に違和感をおぼえ、そんなことあるわけないじゃないか、といい大人にもかかわらず、フィクションを、「こんなの作り話にきまっている」と至極当たり前の言葉でののしりながら、それでも文章の巧みさに釣られるようにして頁を繰りました。 「猫町」は50ページ弱で(だったかな?)、一度に読み切るにはちょうど集中力が持続して良いのですが、夕陽が西のそらにきちんと沈む頃に読み終えた私は、フィクションにたいする理にかなわない怒りも忘れて、ただこの物語に没頭していた自分に気づきました。 いや、途中からこの話がフィクションではなく、主人公(やはり朔太郎)の三半規管の疾病による幻覚、意識のなかでは至極現実とかわらない現象によるものだとわかり、ただ、自分の読解力のなさと先入観のまずさが身に沁みたのです。 夕飯は、この時期に多い魚を味噌煮にしたものでした。

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2012/08/23

不思議な世界に入れます。なんとなくですが、旅行先で読むと更に入り込みそう。 とにかく、なんなんだろう、この表現力。

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2012/07/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『猫町』 『ウォーソン夫人の黒猫』 『日清戦争異聞(原田重吉の夢)』 『田舎の時計』 『夢』 『郵便局』 『海』 『自殺の恐ろしさ』 『群衆の中に居て』 『詩人の死ぬや悲し』 『虫』 『虚無の歌』 『貸家札』 『この手に限るよ』 『坂』 『大井町』 『秋と漫歩』 『老年と人生』

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2012/04/22

電車の中で読んでたので、同調してくらくらした。 きちんと家に帰れるか不安になったり。 萩原朔太郎に触れるのは初なのでちょっとまだ掴みきれずにもやっとしてる……

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2012/01/30

萩原朔太郎は、普通なら文章に表せないような曖昧な感覚を掬い上げるのがほんとうに上手な人だ。 「月に吠える」の序で彼は次のように述べていた。 「詩とは感情の神経を掴んだものである。生きて働く心理学である。すべてのよい叙情詩には、理屈や言葉で説明することの出来ない一種の美感が伴ふ。こ...

萩原朔太郎は、普通なら文章に表せないような曖昧な感覚を掬い上げるのがほんとうに上手な人だ。 「月に吠える」の序で彼は次のように述べていた。 「詩とは感情の神経を掴んだものである。生きて働く心理学である。すべてのよい叙情詩には、理屈や言葉で説明することの出来ない一種の美感が伴ふ。これを詩のにほひといふ。」 彼の散文にも同じ「詩のにほひ」が漂っている。感覚の芯のところをしっかりと掴んでそれを言葉にできる、これが詩人の力なのだなぁ。 以下に気に入ったものを取り上げてみる。 「群衆の中に居て」 中学生の頃に一度読んだことがあったのだが、上京して初めてこの作品の意味するところを諒解した気がする。人が本当に孤独を感じるのは一人きりの時ではなく、街でたくさんの他人に囲まれている時だ。とはよく聞く話だ。都会の群衆の中には孤独がある。その孤独の素晴らしさや楽しさをここまで上手く表現してくれた朔太郎には喝采を送りたい。 「虫」 鉄筋コンクリートという単語の「本当の意味」を探す。実は私もたまにこのようなことを考えてしまうのだが、これって異常なのだろうか?芥川龍之介「歯車」梶井基次郎「檸檬」と並んで、精神状態が悪いときの私が共感する短編の一つ(笑) 「詩人の死ぬや悲し」 「著作?名声?そんなものが何になる!」と芥川龍之介。一方、「余は祖国に対する義務を果たした。」と満足して死んだネルソン。このネルソンの臨終の言葉は有名だけれど、聞くたびに私は心の中でかすかな反発を覚えていた。そのもやもやの正体がここにきてはっきりした。欺瞞だ。 萩原朔太郎。感性の塊みたいな男だ。

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2012/01/24

タイトルの割に猫が出てくるのは一瞬だが、作者がとある田舎の山奥でミスマッチな繁華街に迷いこむ。見慣れた景色が突然見た事もない景色に変わる。そんなお話。

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2011/08/25

たぶん、きちんと読んだのは初めて。短編小説、散文詩、随筆が収録されています。どれが真実で、どれが虚構なのか、言い換えれば、著者の見ているのは現実なのか夢想なのか、読んでいるとわからなくなるときがあります。どれも平易な言葉で書かれていて、詩人というとっつきにくさはありません。3つの...

たぶん、きちんと読んだのは初めて。短編小説、散文詩、随筆が収録されています。どれが真実で、どれが虚構なのか、言い換えれば、著者の見ているのは現実なのか夢想なのか、読んでいるとわからなくなるときがあります。どれも平易な言葉で書かれていて、詩人というとっつきにくさはありません。3つの短編小説は、どれも音のない(感じさせない)世界を描いているように感じられ、不思議な魅力にあふれています。

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