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猫町 他十七篇 の商品レビュー

3.9

46件のお客様レビュー

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2018/11/04

表題作より、それ以外の方を面白く読んだかもしれない。虫、なり郵便局なり、モノから得た着想を、詩に限らずエッセイとしてでも小説としてでもとにかく語りたい人なのだと思う。また「老年と〜」では作者の青年時代の苦悩が正直に吐露されていて、それもまた面白く読んだ。

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2017/12/27

詩人である萩原朔太郎による詩以外の代表的な作品を色々集めた短編集。玉石混合という印象が残った。やはり萩原朔太郎は詩を詠むに限る。短編小説の「猫町」は巻末の解説でも詳しく取り上げられていたが、いわれるほど名作とは思わなかった。解説で比較として取り上げられている「古き魔術」は機会があ...

詩人である萩原朔太郎による詩以外の代表的な作品を色々集めた短編集。玉石混合という印象が残った。やはり萩原朔太郎は詩を詠むに限る。短編小説の「猫町」は巻末の解説でも詳しく取り上げられていたが、いわれるほど名作とは思わなかった。解説で比較として取り上げられている「古き魔術」は機会があれば読んでみようと思う。

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2017/08/12

詩はちょっと苦手なので、小説から朔太郎初挑戦。 『猫町』の幻想味は勿論すばらしいのですが、あまりに「方向音痴あるある」過ぎて笑ってしまった。面白い。 十三編の散文詩はどれもエッセイとしてもショートショートとしても読める面白さ。(散文詩の定義がよく分かってないのですが、足穂っぽいの...

詩はちょっと苦手なので、小説から朔太郎初挑戦。 『猫町』の幻想味は勿論すばらしいのですが、あまりに「方向音痴あるある」過ぎて笑ってしまった。面白い。 十三編の散文詩はどれもエッセイとしてもショートショートとしても読める面白さ。(散文詩の定義がよく分かってないのですが、足穂っぽいのもあって好みです……ってひょっとして足穂もあれは散文詩なのか……ショートショートだと思って生きてきた……)そして随筆二編。 これらは朔太郎の後半生の作品集なので、最盛期の詩集などとはまた手触りの違う作品なのでしょうが、解説で各作品が書かれた当時の朔太郎の状況などの説明がされてて、そんなにページ数のない(薄い)本の割に大変内容の充実した一冊でした。 解説で触れられてたブラックウッドの「古き魔術」読んだことありますが、「猫町」読んでる最中、これを思い出すことはなかったなぁ……町が猫で溢れかえるモチーフは似てますが、主人公と猫の距離感が、ブラックウッドと朔太郎では違う気がしましたよ。

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2016/05/09

2016年5月の課題本です。 5月22日(日)に開催いたします。 http://www.nekomachi-club.com/schedule/32913 ************************* 東京から北越の温泉に出かけた「私」は、ふとしたことから、「繁華な美...

2016年5月の課題本です。 5月22日(日)に開催いたします。 http://www.nekomachi-club.com/schedule/32913 ************************* 東京から北越の温泉に出かけた「私」は、ふとしたことから、「繁華な美しい町」に足を踏みいれる。すると、そこに突如人間の姿をした猫の大集団が…。詩集『青猫』の感覚と詩情をもって書かれたこの「猫町」(1935)をはじめ、幼想風の短篇、散文詩、随筆18篇を収録。前衛詩人としての朔太郎(1886‐1942)の面目が遺憾なく発揮された小品集。 (「BOOK」データベースより)

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2016/01/21

 視点で世界は変わるということ。 そう思うと、この世界は一つだけではないように思える。 自分がそう認識しているだけで、見方によって世界はその表情を変えていく。 異なるものと変容していく。 絶対的なものなどない。 恐ろしくあり、不可解な世界。

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2015/03/07

猫町、タイトルで思わず買ってしまった一冊。学の乏しい私には難しく理解するのに時間がかかってしまった。やっぱりまだ詩というものは理解しがたい。だが「猫町」や「ウォーソン夫人」等の短編小説は好きな部類かもしれない。

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2014/11/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

夢か現実なのか判然としない幻想的な『猫町』。 恐ろしいような美しいような…。 正直、散文詩とか随筆の定義がイマイチよくわかっていないのだけど、ちょっとした短編小説みたいな感じで読めたので読みやすかった。 『虫』は月に吠えらんねえの二巻で言ってたのはこれかぁと思って少し感動。しかし鉄筋コンクリートをこんなに考え回せるところがやっぱすごいとこなんだろうなぁと。 『自殺の恐ろしさ』は確かにこう思うことがあり、考えるに恐ろしいことだと思う。 『老年と人生』も同じようによく考える。 あまりに似た考えなので、私ももっと年をとれば今思い悩んでいることから少しは解き放たれて生きやすくなれるのだろうかと少し期待しつつやはり老いることは寂しくもある。

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2014/03/06

最盛期の詩とはまた手触りが違う、短編集。 眩むような白昼夢に、 独特な妖艶さが漂う『猫町』 騒がしいはずなのに音がない、 ホッパーの絵画を彷彿とさせる『郵便局』 車谷長吉の強迫観念のような『虫』 あたりがお気に入りです。

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2013/12/01

猫町本編を読んで、もちろん解説も読んだのですが、いまいちよく理解できていません。 町中が猫になる。 これは、解説から読み解くと、軍国主義、全体主義に向かっていく日本の状況を表しているようですが、「猫」というのは、何の表現なのか? 意志の無い獣という意味でしょうか? 自分の意見...

猫町本編を読んで、もちろん解説も読んだのですが、いまいちよく理解できていません。 町中が猫になる。 これは、解説から読み解くと、軍国主義、全体主義に向かっていく日本の状況を表しているようですが、「猫」というのは、何の表現なのか? 意志の無い獣という意味でしょうか? 自分の意見を外に出さず、外からの圧力をそのまま受け入れる人間を表現したのでしょうか? 萩原朔太郎が猫にどんな意味を持たせているのか、気になるので他作品も読んでみようと思います。

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2014/01/07

なんて美しい本だろう! 詩のような美文、韻を踏んで計算されつくした言葉の数々、という風ではないのに、不思議と日本語の美しさを感じさせられる。 空想や夢や、やや非現実的な話が多いが、どこか身に覚えのあるような、日常に寄り添ってくる感を覚える。 私もこんな夢を見たことがあるかもしれ...

なんて美しい本だろう! 詩のような美文、韻を踏んで計算されつくした言葉の数々、という風ではないのに、不思議と日本語の美しさを感じさせられる。 空想や夢や、やや非現実的な話が多いが、どこか身に覚えのあるような、日常に寄り添ってくる感を覚える。 私もこんな夢を見たことがあるかもしれない。 短いながらも、十分な満足感を得られる短編集。 私、短編集が嫌いってわけじゃないのだな。 ただシャレが効いているだけの短編が好きじゃないだけだったんだな。

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