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猫町 他十七篇 の商品レビュー

3.9

46件のお客様レビュー

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シュールな散文詩、猫…

シュールな散文詩、猫街には不思議な空気が満ちています。

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旅先で迷い込んだ奇妙…

旅先で迷い込んだ奇妙な町。朔太郎の旅に関する夢か現かの論説からはじまり、この妄想的な話が語られる。猫、猫、猫、猫だらけの町。想像を逞しくして、ひたすら朔太郎の波長に合わせて妄想を楽しむ。近所を散歩していても妙な期待をしてしまう。

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深夜の町が猫で満たさ…

深夜の町が猫で満たされる──。ややミステリアスな趣のある表題作「猫町」の他に17編を収録。

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猫が多数登場する、妖…

猫が多数登場する、妖しく不思議な物語です。

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2024/07/30

中学の先生から卒業の際に頂いた一作。 「うーん。これ好きなんじゃない?」 と軽いノリだったが、ドンピシャだった。 異世界訪問譚。猫が想像に容易い。

Posted byブクログ

2024/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表題作のみ読んで放置していた読みかけをこの機に引っ張り出して読了。 短編小説3、散文詩13、随筆2の構成。 短編「猫町」と「ウォーソン夫人の黒猫」は解釈は様々あるだろうが、純度の高い怪奇幻想小説かと思う。散文詩に含まれる「虫」もニューロティックな掌編のようでもあり、その不穏さが何ともいい。その他の散文詩も漂う陰鬱さが現在の自分の心境にぴたりとハマる感覚があった。 「猫町」はもともとブラックウッド「いにしえの魔術」を読んだ際、「猫町」との関連についてのコメントを目にしたことで、題名は聞いたことがあっても未読だったこともあり手に取ったのがきっかけ。読み比べれば、主人公が目にした光景が酷似しているだけで、ストーリーや展開に共通性はほぼないことはすぐわかるのだが。

Posted byブクログ

2024/03/07

表題、猫町は不可解な現象が自身の精神に由来するものである、という設定がいい。猫の出現に不穏なものがあるのがよい。猫は愛らしいものとされることが多いが、猫町では不気味、幻を象徴していて面白い 散文詩もいい。紅茶に角砂糖を入れるだけの行為を細かく観察して美しく描写している。 田舎が永...

表題、猫町は不可解な現象が自身の精神に由来するものである、という設定がいい。猫の出現に不穏なものがあるのがよい。猫は愛らしいものとされることが多いが、猫町では不気味、幻を象徴していて面白い 散文詩もいい。紅茶に角砂糖を入れるだけの行為を細かく観察して美しく描写している。 田舎が永遠を守ろうとする、という意見も納得する。田舎は変わらないことを強制する。日本の古区からの精神のようなものを感じた。いいものとは限らない。帰省中に読むことができてよかった。田舎と都会では洗練度というものがやはり違うのか、と考えた。三四郎では主人公三四郎が、北の海では友人金江が、似たようなことを言っていた。 難しくて読んでない部分もあるが解説もいい。古くからの魔術、との比較も面白い

Posted byブクログ

2024/01/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

温泉に出かけた「私」は偶然から繁華な美しい町を見つける。閑雅な人や町並みに見とれたのもつかの間、景色は一変し人人は猫の大集団となって町を飲み込む。 解説を読んでも完全に理解できた訳では無いが、荻原朔太郎の都会への憧れと現実、当時の全体主義の流れとその恐怖について思いを馳せたものなのかなと思う。 「ウォーソン婦人の黒猫」でも全体主義への恐れをあらわにして「日清戦争異聞」では栄枯盛衰を憂う気持ちが出ているように思う。 先行き不透明な時代を生きた詩人の憂いが描かれた短編/散文集。

Posted byブクログ

2020/04/23

今の自分にとって、まさに出会いたい本だっという印象。僥倖の邂逅。巡り合わせ、ある種の救い。不明確な不安の行く先をこの小説が全て受け止めてくれたような気がする。ウォーソン夫人の黒猫は単に自分が感じた違和感を他者が分かってくれないことを示しているのではなく、その不安定な存在を少なくと...

今の自分にとって、まさに出会いたい本だっという印象。僥倖の邂逅。巡り合わせ、ある種の救い。不明確な不安の行く先をこの小説が全て受け止めてくれたような気がする。ウォーソン夫人の黒猫は単に自分が感じた違和感を他者が分かってくれないことを示しているのではなく、その不安定な存在を少なくとも主観的に見ると確実に存在している世界そのものに対する嫌悪を認めてくれるメタファーのように思われる。萩原はそれをしっかり掴み取り、言語化してくれた。同じ苦しみを持つ者としてはこれを救いと言わず別の法で呼ぶ由はない。

Posted byブクログ

2019/09/08

表題作は見知らぬ美しい町で人間の姿をした無数の猫に出会う幻想譚、溢れるノスタルジア!『ウォーソン夫人の黒猫』はポーの黒猫思わせる病んだ内容で非常に好み。そして驚いたのはある作中で中国人が"〜あるネ"とか言ってること。この時代からある口調とは知らなんだ。。

Posted byブクログ