1,800円以上の注文で送料無料

秘太刀馬の骨 の商品レビュー

3.8

54件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/04/08

藩の要人の暗殺に用いられたという秘大刀「馬の骨」。その遣い手を探るよう命じられた筆者。次第に明かされる藩の実態。 五十を過ぎて藤沢周平に本格挑戦。第二弾で選んだのがコレ。ちょっとミステリー調。 何より藤沢周平は季節の情景と女性を描くのが実にうまい。また文章だけでは難しいだろう...

藩の要人の暗殺に用いられたという秘大刀「馬の骨」。その遣い手を探るよう命じられた筆者。次第に明かされる藩の実態。 五十を過ぎて藤沢周平に本格挑戦。第二弾で選んだのがコレ。ちょっとミステリー調。 何より藤沢周平は季節の情景と女性を描くのが実にうまい。また文章だけでは難しいだろうチャンバラの場面も臨場感豊かで見事。 この作品も海坂藩が舞台。

Posted byブクログ

2022/01/10

歴史ミステリー小説ともいえるのだろうか、秘太刀、「馬の骨」を伝授した者を探し出すストーリー。 藩内の政争がテーマであり、ストーリーの中で登場する人物を追いながら当時の藩の運営、武士の振る舞い等、知ることも興味深い。 武士にとっては生死は身近なものであるが故に、ストーリーの展開に緊...

歴史ミステリー小説ともいえるのだろうか、秘太刀、「馬の骨」を伝授した者を探し出すストーリー。 藩内の政争がテーマであり、ストーリーの中で登場する人物を追いながら当時の藩の運営、武士の振る舞い等、知ることも興味深い。 武士にとっては生死は身近なものであるが故に、ストーリーの展開に緊張感があるし、また武士が義の世界に生きるところに、爽快感を得ることができる。

Posted byブクログ

2021/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1992年刊。 蝉しぐれのムック本にて、宮部みゆきが藤沢ミステリのおすすめ3作を紹介するなかにあったので、たまたま古本屋で見かけて読んでみた。(ちなみに他は、闇の歯車、ささやく河。) 犯人探し、というか、秘太刀である馬の骨という珍名の必殺技を授けられたのは誰か、を探る話。 江戸から来た、家老の甥である石橋銀次郎がそれを探れ、と家老に命じられ、同じく家老の密命を受け、銀次郎の案内人となった地元の武士、半十郎が書き手となる。 容疑者五名の各々と接触し、弱みを握り、なかば無理矢理、銀次郎と立ち合わせ、秘太刀を使うかを確認して行く。 五人の人物にある弱みはだいたい女性絡み。 もうちょっと違うネタも見たかったなと思うけど、封建制度の時代の姦通(というほどでもないが)はそれほど致命的なことなのかも。 そして、書き手である半十郎もまた重い家庭問題を抱えて、妻との間がうまくいっていない。 それらがうまくリンクしつつ、最後には藩政をゆるがす大きな事態が見えて来る…。という感じかな。 ミステリとして先が気になる話なんですが、前半はいろんな人物が一気に出てきて覚えられず、読み進めるのが大変だった。 下僕の死、から面白くなってきて一気に読んだ。 結末は、なあーんだ、って感じでしたが、出久根氏の解説や他のいろんな人の意見を見て、多角的な読み方ができると分かった。しかも連載時と書籍で犯人が明確に違うらしい…。ええー。 文庫でも、真犯人と目される人物の名を半十郎しか口にしないため、断定はできない、という。 なるほどねー。 エピローグは、私も、ワンチャンあるかも、と思っていた人物のことだったので、面白く読んだ。 まあそんなことは本当はないと思うけど、こうだったかもしれないよ、という匂わせた、含みのある終幕エピソードとして書かれているのでは。 銀次郎にはもっと裏があるのかと思っていたので、後半に潔く物語から消えてしまって残念だった。 彼こそ謎の人物だったのになあ。 五間川が登場するし、これも海坂藩が舞台なんですね。 蝉しぐれにはなかった、方言セリフが飛び交っていて面白かった。 全体に隠れた佳作といったところ。 追記 ここに登場する、金打を打つ(きんちょうをうつ)という言葉ははじめて聞いたので、あとで調べてみた。江戸時代に武士が刀を使って行う、キツめの約束げんまんかな、と思ったら、ほぼそのとおりでした。ひとつ賢くなった。

Posted byブクログ

2021/04/26

難しい言葉使ってないのに情景の表現が上手で毎度感心する。 全体像が見えやすくて読みやすかった。 誰が馬の骨の使い手なのかっていう謎も楽しめる。 面白かった。

Posted byブクログ

2020/12/17

本作品、藩内の内紛を解き明かすべく奔走する藩士達の剣士としての顔と彼らの身の上にある家庭人としての煩いが混じり合って話は進む。 家族の問題を描きながら企業の派閥争いを描くドラマの時代劇版の様にも感じられた。 文庫版巻末、出久根達郎氏の語る秘太刀「馬の骨」真の伝授者については同意...

本作品、藩内の内紛を解き明かすべく奔走する藩士達の剣士としての顔と彼らの身の上にある家庭人としての煩いが混じり合って話は進む。 家族の問題を描きながら企業の派閥争いを描くドラマの時代劇版の様にも感じられた。 文庫版巻末、出久根達郎氏の語る秘太刀「馬の骨」真の伝授者については同意できない。

Posted byブクログ

2020/06/18

http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2005/08/post_2216.html

Posted byブクログ

2019/10/07

いつでも自分の命をささげる覚悟が求められる時代に自分が生まれていたらどんな行動を起こしていただろう・・・ 世界で紛争が起きているが、やはり生まれてからの思想教育が非常に大切なのかな、と思った。 本書籍の感想とはずれます。

Posted byブクログ

2018/10/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

深まる秋。藤沢さんの傑作時代小説を再読。 美しい自然描写。魅力的な登場人物。秘太刀「馬の骨」の伝授者は誰?ワクワクしながら読み進めた。遣い手は金打してでも明かせないが、最終頁読了後は涙が流れた。

Posted byブクログ

2018/02/11

秘太刀馬の骨を用いてバッサバッサとと剣客を倒して行く。なんて事は藤沢作品において有り得ないのは解っちゃいたが、ここまで極上のミステリーになってあるとは。改めて著者の懐の広さを感じる。

Posted byブクログ

2017/11/19

正直、本作の秘太刀や『隠し剣シリーズ』(秀作!)など必殺剣(技)は、消える魔球の類のものだろうが、そうした奇想を盛りみつつも物語はしっかりした人間ドラマ(人情譚)に仕上っている。宮仕えする登場人物たちの社会環境・暮らしぶりや人間関係(しがらみ)などそのまま現代に通ずる近しさで、易...

正直、本作の秘太刀や『隠し剣シリーズ』(秀作!)など必殺剣(技)は、消える魔球の類のものだろうが、そうした奇想を盛りみつつも物語はしっかりした人間ドラマ(人情譚)に仕上っている。宮仕えする登場人物たちの社会環境・暮らしぶりや人間関係(しがらみ)などそのまま現代に通ずる近しさで、易く感情移入できる。良質の時代劇(時代劇にかぎらない良質なエンタメ作品)は浪花節を巧く物語に織り込んでいるものだけれど(その加減というか抑制と過剰が作品の質に大きく左右する)、本作読後感の心地よさは格別であった。

Posted byブクログ