遊びと教育 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
全体としては、古代ギリシャ〜20世紀に活躍した偉人の“遊び観”に触れ、それを基に、それぞれの教育について考えていく。 著者が提示する“遊び”は、著者の専門「幼児教育」、発達の視点から 第1章に記されている。 全体的に、文体、言葉遣いが比較的わかりやすく、読みやすい。 一つ気になったのは、著者が考える“遊び”に関しての検討が、さっ、と終わってしまう点である。違う著書に触れられているようだが、あまりにもあっさりしているので物足りなさを感じる。著者は、鬼ごっこなどの「既成品的な遊び」ではなく、人々が”遊びに「なる」”状態としての“遊び”、「生成としての遊び」を提示し、それに着目する。しかし、“遊びに「なる」”が、動詞としての「遊ぶ」と何が違うのかなどなどが述べられていない。簡潔なあまり、著者の思想を感じとりにくい。 総じて言えば、とにかく読みやすく、勉強になる。その一歩で、少し簡潔でありすぎる点において、若干の物足りなさを感じる。
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