氷の海のガレオン の商品レビュー
「氷の海のガレオン」木地雅映子◆普通って何?変人扱いされいじめられる杉子は、周囲とのズレを認識しつつも卑屈にならず、その視界はいつもクリア(表題作)。真っ直ぐな視線で周囲を射抜く少女にとって小学校は生きづらいけれど、歯を食いしばる彼女は誰よりも強い。良かった。YAと括るのは惜しい
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大好きな本。 私も周囲の常識に馴染むことが出来なかったので、作家さんの書こうとしている内容に、すんなりと入り込めました。
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呼吸するように本を読んで、細胞のすみずみにまで 本から得た叡智や感動が行き渡っているような人には、うっとりしてしまいます。 でも、本から得た知識だけで自分が完全に作り上げられたと信じて 私はみんなとは違う! 稀有な存在だ!と こどものうちから強烈な自意識に凝り固まってしまう子は...
呼吸するように本を読んで、細胞のすみずみにまで 本から得た叡智や感動が行き渡っているような人には、うっとりしてしまいます。 でも、本から得た知識だけで自分が完全に作り上げられたと信じて 私はみんなとは違う! 稀有な存在だ!と こどものうちから強烈な自意識に凝り固まってしまう子は、痛々しい。 今まで読んだ本の中では、辻村深月さんの『凍りのくじら』の理帆子が その筆頭だったのだけれど、彼女が高校生だったのにくらべて この本のヒロイン杉子は、なんと11歳の小学生! もう、「痛々しさゲージ」が振りきれて吹っ飛んでいってしまいそう。 詩人のママと自由人のパパ、優秀な兄弟に囲まれ、家には図書室があって、 両親の本も自由に読んで育ってきた杉子。 語彙が豊富で、大人の文法で話す彼女を変人扱いして囃し立てるクラスメイトや グループから弾かれて、とりあえずひとりぼっちを避けるために すり寄ってくるいじめられっ子から距離をとり、 孤高の存在でいたい気持ちはわかるのだけれど。。。 クラスメイトを「体だけ同い年のばかども」と言って憚らない彼女の態度は 「戦える魂だけここにおいで。なまっちょろい子供なんかいらない。 そんなのは厚化粧した女の腹にでも宿るがいい」と宣言する母に 本人も気づかないうちに洗脳されているようで、辛くなってしまって。 あなたのママが、「厚化粧した女」と切り捨てるような人にも 誰にもわからない事情や、大切にしたいものがあるんだよ、と ぎゅっと抱きしめて、囁いてあげたくなる。 割り切れない思いで読み終えたあとに読んだ、3篇目の『薬草使い』。 同じように本を栄養に育ち、学校では孤高を保っている高校生のトリコが 「みんなと同じ」であることに汲々としている隣席の女子の悩みに そっけなくも優しく手を差し伸べている姿を見て、 杉子の未来にも、こんな可能性が開けているといいなぁ、と 思いながら本を閉じました。 本を読むことが、本を読まない人、自分の言葉が通じない人を見下すことではなく 世界を伸びやかに拡げて、自分とは違う見方や感じ方を 柔らかく受け入れることにつながるよう、祈りたくなる1冊です。
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表題作は文庫で読んだので、それ以外の短編2編を読了。これらもこの人のいつものパターンなので好きな人にはお勧め。
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ちょっと読むのが遅すぎたのか。 いろいろなところで見聞きする評判が非常に高く、これは是非読まねばと手にしたものの、正直、少し私には物足りなく、あまり心に響いてこなかった。 ライトノベルと分類される作品なのだろうか?ちょっと軽すぎる語り口なのも、う~ん、というところ。 思春期真った...
ちょっと読むのが遅すぎたのか。 いろいろなところで見聞きする評判が非常に高く、これは是非読まねばと手にしたものの、正直、少し私には物足りなく、あまり心に響いてこなかった。 ライトノベルと分類される作品なのだろうか?ちょっと軽すぎる語り口なのも、う~ん、というところ。 思春期真っただ中に読んでいたら、もっと残るものがあったのかも。 期待していただけに残念。
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小学生か中学生の時に図書館で借りてから何回も読み返した本です。 ついに購入してしまいました。 3つの話が収録されています。 それぞれ、周りの環境や学校に馴染めない(馴染みたくない?)女の子が主人公で、当時の私にとって共感する部分がたくさんありました。 どの話でも、自然(...
小学生か中学生の時に図書館で借りてから何回も読み返した本です。 ついに購入してしまいました。 3つの話が収録されています。 それぞれ、周りの環境や学校に馴染めない(馴染みたくない?)女の子が主人公で、当時の私にとって共感する部分がたくさんありました。 どの話でも、自然(木とか畑とか山とか草花とかそういう自然)とうまく付き合ってる感じが好きです。 1話目、杉子の家族が私の理想の家族。
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2009.01.20. ずっと読みたかった。読んで期待を裏切ることはなし。こうやって、樹と交感するということは、とても大切だと思う。できれば、私もしてみたい。それにしてもタイトルのつけ方、センスあるよなぁ。
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早熟な女の子を書いているのに、胡散臭くなってないのが素敵。 説教臭くないというか… この年ごろに読みたかったな。 YA小説として完璧な仕上がりではないでしょうか。
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ようやくのことで、94年版を手に入れた。期待も不安も同じだけあって、書物のとしての佇まいを確認し愛でた後、まだ扉を開いていない1冊。
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こんな家族いいなあ。ナツメの木「ハロウ」を含め、斉木家大好きです。読みやすいですし、持ってくるアイテム(植物、本、食べ物、絵画、建物など)のさりげないセンスの良さがいいですね。書き下ろし短編『薬草使い』も好み。松本大洋による表紙イラストも内容と非常にマッチしてます。キュン。
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