ひろすけ童話ひとすじに の商品レビュー
この本は、先日読んだ「父浜田廣介の生涯」を、忠実に子ども向けに書き直した感じの本です。いわゆる伝記物は、フィクションとノンフィクションの境界が曖昧なものもありますが、比較的最近の方ですので、事実に基づいて書かれているのだと思います。 p.84で、一等入選となった際、選者の一...
この本は、先日読んだ「父浜田廣介の生涯」を、忠実に子ども向けに書き直した感じの本です。いわゆる伝記物は、フィクションとノンフィクションの境界が曖昧なものもありますが、比較的最近の方ですので、事実に基づいて書かれているのだと思います。 p.84で、一等入選となった際、選者の一人の選評が、広介の生涯の道しるべになったというエピソードが印象的です。《……これまでのお伽話は、善玉悪玉の二つをだして、悪をこらし、善をすすめてきたのであるが、こんどの一等当選作は、もっぱらに善を語るかにみえる。そうなら、これは積極的な意図というべく、この方向は、こんごのお伽話の新しい歩み方ともなるであろうか……。》 作品の本質を見抜いた選者も素晴らしければ、それを生涯貫き通した広介も本当に素晴らしいと思いました。
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