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銃口(下) の商品レビュー

3.4

5件のお客様レビュー

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2022/06/05
  • ネタバレ

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思想まで統制される戦争ってまじで怖い...。今のロシアウクライナもそういう感じって考えるともう時空の歪みすら感じるくらい。 小説感は否めなかったけど、当時の人たちの感情ってまさにこんな感じだったんだろうなぁってひしひしと伝わってくる感触。 天皇の命って誰が言ってたんやろうね。玉音放送みたいにラジオで天皇の肉声でとかなら仕方ないことなのかもしれないけど、「とりあえず上層部が」っていうのが許せないなぁ。 本当に上層部も「天皇絶対」「殺される前に死ね」とかそんなこと思ってたのかな。山田曹長とか近藤上等兵とかみたいに良心をそのまま表せる人は少なかったと思うけど、実際はそんな風に思ってたって人いてもおかしくない、っていうかそんな人が大半だったって信じたい・・・。 とにかく、戦争がない世の中に生まれてるってだけでどれだけ恵まれてるのか改めて身に染みた。

Posted byブクログ

2013/08/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これほどまで心優しい人が多ければいいのですが、小説の世界では日本の敗戦後、満州から日本への脱出で奇跡的なの善意の人との出会い連続。感動的ではありますが、善悪の人物がはっきりし過ぎているきらいがあります。しかし、「天皇中心の神の国であった」昭和の時代の愚かさについては、しっかり拒否する著者の主張はよく伝わってきます。

Posted byブクログ

2012/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三浦綾子氏の作品は、ほんとに久しぶりに読みました。 平易な言葉遣いと筆者のやさしさが全体に溢れていて、重たいテーマですが、温かな気持ちをいただきました。 読みやすい作品です。 綴り方=今で言えば感想文??に対する弾圧は、初めて知ったし、それで赤だと拘留され、職まで無くす時代。 あと、キリスト教もその対象となっていることもあまり知らなかった。 人間関係のなかで、下巻での劇的な再会、尊敬できる上官との出会いなど、よかったのですが、全体的に登場人物の設定が弱い気がしました。 特に劇的な再会(名前はネタばれなので)の部分は、それを可能にした主人公の父親の姿があった訳で、もう少し描写があってもよかったと。 主人公と幼馴染の芳子の恋愛は、戦中、戦後という時代背景はありますが、素敵ですね。

Posted byブクログ

2010/11/16

日本がついに英米との戦争に突入し、竜太も戦地へ赴くことに。 そして、日本は終戦、戦後を迎える。 竜太という人間は幸せものだなぁと読んでいてずっと思ってた。 幾度も悲劇に見舞われるけれど、 多くの魅力的で親切な人々に出会い、助けられた。 この作品は、嫌な、酷い人間もたくさん登場す...

日本がついに英米との戦争に突入し、竜太も戦地へ赴くことに。 そして、日本は終戦、戦後を迎える。 竜太という人間は幸せものだなぁと読んでいてずっと思ってた。 幾度も悲劇に見舞われるけれど、 多くの魅力的で親切な人々に出会い、助けられた。 この作品は、嫌な、酷い人間もたくさん登場する反面、 暖かくて、人間的な魅力に溢れる人も多く登場することで救われます。 竜太と芳子の関係がすごくいい。 今は亡き純愛。 重厚な人間ドラマでした。 作者について知らなくても、 あぁきっとクリスチャンだなと分かるくらい その思想が全面に出ていたのも印象的。

Posted byブクログ

2009/10/07

昭和16年、竜太は想いもよらぬ治安維持法違反の容疑で勾留、7か月の独房生活の後、釈放された。坂部も同じ容疑で捕えられ釈放されたもののすでに逝くなっていたことを知り慟哭。芳子や家族に支えられ、ようやく立ち直った矢先に、召集の赤紙が届く。それは芳子との結婚式の直前だった。軍隊生活、そ...

昭和16年、竜太は想いもよらぬ治安維持法違反の容疑で勾留、7か月の独房生活の後、釈放された。坂部も同じ容疑で捕えられ釈放されたもののすでに逝くなっていたことを知り慟哭。芳子や家族に支えられ、ようやく立ち直った矢先に、召集の赤紙が届く。それは芳子との結婚式の直前だった。軍隊生活、そして20年8月15日。満州から朝鮮への敗走中、民兵から銃口を突きつけられる。そこへ思いがけない人物が現れて助けられ、やっとの思いで祖国の土を踏む。再会した竜太と芳子にあの黒い影が消える日はいつ来るのか―。

Posted byブクログ