ユートピア の商品レビュー

トマスモア【著】,沢田昭夫【訳】

2009/10/04

１年生のときのレポートの課題図書で出されていた本です。
読んだ感想としては、思ったより管理社会であったという点です。
ユートピアというと、自由なイメージを連想しますが、意外とそうでもない。他者からの監視が常に付きまとう世界です。（イメージとしては東ドイツのシュタージ・・・？）人間というのは一人になりたいときもあるものです。
ユートピアの対義語として、ディストピアというのがありますが、これは統制社会で閉鎖的で、現実であればソビエト連邦が代表例です。ユートピアと表裏一体の存在であるのです。というか、ほぼ同義と考えてよいでしょう。

逆に、「社会主義という理想の社会というのは、こんなものになってしまう。こんな社会が肯定されるのか？諸君はこんな世界に住みたいのか？」というモアの問いかけであったのかもしれません。

2009/10/04

ユートピア島の描写が大部分を占めています。社会思想の本なのですが、ここから物語が生まれそうな香りも漂っております。