ストリート・キッズ の商品レビュー
さあ講義を始めよう ハードボイルド小説の定義についてだ 世間一般で言うところの定義については僕の知ったことではない そんなことはグーグル先生にでも聞いてくれあるいはSiriに 僕の思うハードボイルド小説は自分が信じるもののためにやせ我慢を続ける男たちの物語のことだ もちろんそれ...
さあ講義を始めよう ハードボイルド小説の定義についてだ 世間一般で言うところの定義については僕の知ったことではない そんなことはグーグル先生にでも聞いてくれあるいはSiriに 僕の思うハードボイルド小説は自分が信じるもののためにやせ我慢を続ける男たちの物語のことだ もちろんそれは女たちでもいい そしてその男たちは概ねナイーブで恥ずかしがり屋で思ってることの反対の意味の言葉が口を出る 繰り返すが女たちでもいい その意味で言えばこの『ストリート・キッズ』はとても良質なハードボイルド小説といえる いや、かなり控え目に言って最高のハードボイルド小説のひとつだ ★5じゃ足りない大傑作だ! なんだよもう!めちゃくちゃ面白かったジャマイカ!(6ヶ月ぶり2度目) こないだ読んだ『犬の力』も面白かったけど断然こっちのほうが好みです! もうこっちから読み始めれば良かった 早く教えてくれればいいのに!(身勝手) それにしてもドン・ウィンズロウ…とんでもない作家さんですよこれは とても『犬の力』と同一人物が書いてるとは思えません なんですかこの振り幅の広さ ニールとグレアム親子の延々と続く「へらず口」の叩き合いが面白くて、楽しくて、イライラして、それでいて信頼感に満ち溢れていて、悲しくて、ちょっぴり切ない 最高の師弟でもある二人ですが、常に少しだけ師匠が上回っていて守られてる感じも心地よいです ハードボイルド好きなら絶対に手に取るべき至極の一冊です! ありがとう土瓶さん!
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再読。 この、胸のすくような爽快感とは違う感覚はなんと言ったらいいのだろう。 哀愁、憐憫、時々痛快、寂寥、時々快哉、そんな感情が交差するニール・ケアリーというキャラクター構成がこのシリーズのキモであり、そんな彼の活躍が楽しみな、はたまた怖いモノ見たさ的な、恐る恐る見たくなる感覚もあるが、どちらにせよ、この先も気になるシリーズだ。
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めっちゃ満足。 少年探偵ニールの元に副大統領候補に推されるはずの上院議員からの内密の依頼が...「行方不明の娘、アリソン(アリー)を探してくれ」と。 精神安定剤に始まり、薬物、セックスに溺れ、廃人まっしぐらに進んでいたアリー。そして行方不明。副大統領を狙う上院議員にとってアリ...
めっちゃ満足。 少年探偵ニールの元に副大統領候補に推されるはずの上院議員からの内密の依頼が...「行方不明の娘、アリソン(アリー)を探してくれ」と。 精神安定剤に始まり、薬物、セックスに溺れ、廃人まっしぐらに進んでいたアリー。そして行方不明。副大統領を狙う上院議員にとってアリーの存在は爆弾みたいなもの。手がかりが少ない中でニールはアリーを見つけることができるのか...。 ニール少年が探偵になるに至った経緯や、師匠、第二の父でもあるグレアムの元で修行している描写がとても楽しかった。ニールやアリーを始めとした人物描写、キャラの付け方もよかったし、一文一文の言い回しや表現がとても面白い。訳も丁寧に滑らかにそれについていっているように感じた。物語が面白いのは言うまでもなく、こういった細かな描写が素晴らしく、2倍、3倍に楽しめ、充実した気持ちになった。
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元ストリートキッズの探偵ニールケアリーのシリーズ第一弾。上院議員の娘を探す仕事を依頼されたニールは養父の命令で、大学の試験も放り出していやいや調査に乗り出す。減らず口を叩きながらも爽やかに事件を解決する。行動派のニールは誰もが応援したくなるような好感のもてる奴。その活躍はスカッと...
元ストリートキッズの探偵ニールケアリーのシリーズ第一弾。上院議員の娘を探す仕事を依頼されたニールは養父の命令で、大学の試験も放り出していやいや調査に乗り出す。減らず口を叩きながらも爽やかに事件を解決する。行動派のニールは誰もが応援したくなるような好感のもてる奴。その活躍はスカッとするし、読みやすい。
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前半は退屈だったけれど後半は楽しくなった。けれど、個人的には全体的にやはり退屈だった(そもそも海外文学が苦手な節があるのでどうしようもないのかもしれない)。主人公が片腕として成長していく様子は興味深かった。アリーとのひと夏も好きだった!
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組織の雇われ探偵に拾われ、探偵術を叩き込まれたNYの元ストリート・キッドは上院議員の【愛娘】の捜索依頼を受け、単身英国へと飛ぶ―。筋書き自体は意外にもシンプルだったが、精緻な描写にウィットで洒落た言い回し、それに加えてドラマチックな展開の連続で読み応え十分。普段は成熟した中年探偵...
組織の雇われ探偵に拾われ、探偵術を叩き込まれたNYの元ストリート・キッドは上院議員の【愛娘】の捜索依頼を受け、単身英国へと飛ぶ―。筋書き自体は意外にもシンプルだったが、精緻な描写にウィットで洒落た言い回し、それに加えてドラマチックな展開の連続で読み応え十分。普段は成熟した中年探偵を好む私だが、主人公ニールのキャラクターが絶妙。口減らずで一見豪胆に見えるが、その中身は英文学をこよなく愛するナイーブな普通の男子。グレアムとの擬似親子的な師弟関係といい、理想と現実の狭間での葛藤といい、青年探偵も良いものですね。
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この本の主人公ニールが暮らす1976年、私は大学受験の真っ只中で、学園紛争は終結し就職難とともに「シラケ世代」と呼ばれた。 当時の若者文化は、イギリスからやってきた。 ビートルズが解散したあと、ブリティッシュからプログレッシブロックの全盛期で、ピンク・フロイドやクリムゾンキング、...
この本の主人公ニールが暮らす1976年、私は大学受験の真っ只中で、学園紛争は終結し就職難とともに「シラケ世代」と呼ばれた。 当時の若者文化は、イギリスからやってきた。 ビートルズが解散したあと、ブリティッシュからプログレッシブロックの全盛期で、ピンク・フロイドやクリムゾンキング、イエスのカセットを、エアコンの効かない車のカーステレオで窓を開けて鳴らして走っていた。 ベトナム戦争が終結し南北統一されるとともに、長髪にベルボトムのジーンズが姿を隠し、映画は「イージーライダー」から「タクシードライバー」へ向かい、「スターウォーズ」はまだ流行っていなかった。 ヘロイン、コカインの影、 貧しく汚く破壊的で、 自由でサイケデリックな人種から一歩離れたくて、 それでもどうしたらいいのか分からずに、 闇の中を手探り。 それでいて、 もがいていることをあからさまにするのは恥ずかしいと、表面的に繕っていた。 ニールの迷い アリーの困惑 コリンの崖っぷち 物語の中でミキシングされて、 この時代の独特の空気感を醸し出している。 決して道徳的とは言えないが、何故か魅力を感じてしまう。 もちろん、東江一紀の訳が素晴らしい。
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なんとこれがドン・ウィンズロウのデビュー作。 おそらく刊行された直後位に一度読みかけて、あまりにも軽いキャラにウンザリして読み辞めた記憶がある。 確かにキャラは軽いし、今のウィンズロウを読んだものからするとストーリーも単調で冗長な部分もあるし、ドラマの骨子も子供っぽいところがある。 ただ比喩やヒネリの効いたユーモアなどのウィンズロウ節の萌芽はあちこちに見受けられる。 軽く読める意味ではエログロも少なくYA小説に近いかもしれないが、これはシリーズになっているので作者の変化を見るうえで読んでみるのも面白いかもしれない。
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爽やかにカッコいい探偵をご所望なら、是非一度読んでみることをおすすめします! ボリュームはあるけれど、とっても疾走感があるのでぐいぐい読み進められます。
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このひとの小説は、重たい現実を下敷きにしながら、コメディと見紛うほど飄々としたキャラクタの活躍するものが好きです。その意味で、『ボビーZの気怠く優雅な人生』が一番好きなのですが、このストリート・キッズは、それに次ぐものでした。【2019年5月30日読了】
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