十九、二十 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
もはや5年近く前から読んでいるのでルーツになってしまいそうな勢いの原田宗典*1。の、「十九、二十」。十九歳になったらそのうち読もうと勝手に思っていた作品。でも別に十四歳が読んでもなんら問題は無い気がしました。はい。 その情けないエッセイは抱腹絶倒必至だが、小説というジャンルになるとその特有の情けなさは「重み」に変わる。借金苦に悩まされた家庭が著者の実体験によってリアルに描かれている。ような気がしないでもない。無理矢理形容すると蒸し蒸しした熱帯夜にイライラしているような。名詞でいうと「寝汗」のような。結局何かが進展したのか、進展していないのかわからないあたりが「十九、二十」らしくて素敵っす。
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無性に好きで何度も何度も思い出しては繰り返し読んでいた。蝉がうるさくて暑くて暑くて汗がだらだら出て、っていう全然爽やかじゃない夏の雰囲気がいつ読んでも味わえる
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二十歳――それは全財産を懐にして歩いているようなものだ ほんとうに美味しいものは美味しいとしか云いようがないように、ただただ好いと思ったものに感想を加えるのは難しい。その位、とても気に入る本だった。川村湊による解説も含めて。 何も手元に残らないような後にあれは一体何だったの...
二十歳――それは全財産を懐にして歩いているようなものだ ほんとうに美味しいものは美味しいとしか云いようがないように、ただただ好いと思ったものに感想を加えるのは難しい。その位、とても気に入る本だった。川村湊による解説も含めて。 何も手元に残らないような後にあれは一体何だったのだと思える、あったかどうかすら疑わしくなってくるような出来事は私にも身に覚えがある。 この本を読むまで、十九、二十やそこらがそんなに貴重な年頃だという自覚もなければ、そんな時期(若いと云われる)はもうとっくに過ぎてしまったと思っていたけれど、なんと!私はまだその真っ只中、いや、ギリギリにいたのである。通りで、自分自身に確信めいた存在意義のようなものが無くてもどことなく太陽の気配を感じ、生きていけているわけだ、と思った。“何も無い故に何処へでも行ける”という事なのだ。 けども私はその全財産の使い方を誤っている、若しくは大事にしまい込み過ぎている。そろそろ太陽も真新しい光を放たなくなる頃になってくるかもしれないとか、ぼくの親父の歳になって何を思うのかとか、想像するだけで眠れなくなったりする。絶望の重みを計りにかけ破滅するような事はないように、人生をしっかりと背負い直さなければならない。二十、二十一の私は。 表紙のポケットに手を突っ込み萎れてしまったかのような少年の絵がいい。それでも一歩前に足を出しているところとか。話は14が名シーンだと思った。
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思春期の男の子目線で見た女性、社会・・・。 男の子ってこんな風に悩むんだ、と新鮮な驚きがあります。 (院生アルバイトスタッフ)
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著者の作品はエッセイばかりを読んでいた。初めての小説を読む。 エッセイを読むかぎり、主人公は、おそらく著者自身をモデルに書かれてるかと思う。 大人になるかならないかの19、20の頃。何だかうじゃうじゃしてた頃。 両親との関係、恋愛、将来なんかがにっちもさっちもいかなくて、でもいい...
著者の作品はエッセイばかりを読んでいた。初めての小説を読む。 エッセイを読むかぎり、主人公は、おそらく著者自身をモデルに書かれてるかと思う。 大人になるかならないかの19、20の頃。何だかうじゃうじゃしてた頃。 両親との関係、恋愛、将来なんかがにっちもさっちもいかなくて、でもいい加減だった頃。 色々と刺さるなぁと思った作品。 終わり方はハッピーじゃないけど、何だか納得した。
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人生の大きな切れ目である20歳、それは子供と大人の境目でもある。 若さゆえに純粋な山崎正則の最後の十九歳の日々を描く。 「本当に欲しいものはな、欲しいと思ったその瞬間に捉えないと、すぐにどこかへ行っちまうんだよ」 根子谷氏の名ゼリフ。アツい。
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初めて読んだ原田小説。エッセイのノリを期待してたら全然違って最初はびっくり。 原田さんは小説とエッセイを完全に分けて書いていらっしゃるのですね。 内容は何とも言いがたい無力感というかやるせなさを覚えてしまいます、虚無感に苛まれると言うか。 これはこれで面白いんですけどギャッ...
初めて読んだ原田小説。エッセイのノリを期待してたら全然違って最初はびっくり。 原田さんは小説とエッセイを完全に分けて書いていらっしゃるのですね。 内容は何とも言いがたい無力感というかやるせなさを覚えてしまいます、虚無感に苛まれると言うか。 これはこれで面白いんですけどギャップに戸惑った作品。でもこのギャップがなかったら原田作品をここまで好きにもならなかっただろうなぁ。
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最近の学生は皆そうなんやなあ、、、こういう事件かて、おれが学生のころやったら放っておかんで。目白御殿を占拠して田中だの児玉だの何だのという社会の敵は殺し取ったと思うけどなあ。
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ちょうど、二十歳の時に何度も読んだ本で、主人公に自分を重ねて、どうしようもない想いとか、逃げたい気持ちとか、弱い部分に気持ちを重ねていってはまり込んだのを覚えている。好きで好きで、この本に私は原田さんにサインをもらったほどだ。 今読んでも共感できるかどうかは分からない。 当時の...
ちょうど、二十歳の時に何度も読んだ本で、主人公に自分を重ねて、どうしようもない想いとか、逃げたい気持ちとか、弱い部分に気持ちを重ねていってはまり込んだのを覚えている。好きで好きで、この本に私は原田さんにサインをもらったほどだ。 今読んでも共感できるかどうかは分からない。 当時の自分として★4つ。
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まさに20歳のときに読みました。 私も親に経済的に頼られ、嘘をつかれて、自分を投影して読んでいました。 19、20歳は楽しいけど苦しい。後で思い出すと「ま、あんなもんだよ」と思えるけど、当時は感情も環境もとても忙しい必死な時期。 そのくらいの年齢で読むのと、今読むのとではまた違っ...
まさに20歳のときに読みました。 私も親に経済的に頼られ、嘘をつかれて、自分を投影して読んでいました。 19、20歳は楽しいけど苦しい。後で思い出すと「ま、あんなもんだよ」と思えるけど、当時は感情も環境もとても忙しい必死な時期。 そのくらいの年齢で読むのと、今読むのとではまた違った感想がありそうです。これをきっかけに久しぶりに読み返してみようかと思います。
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