イエスの政治 の商品レビュー
「本書において、著者は聖書的リアリストの立場から新約聖書にアプローチする。その際、イエスを精神化し現実政治とは無関係とする立場、またイエスを挫折した革命家として政治化する立場の両者を斥けつつ、イエスの言葉と行為において指向され現実化された神の国の独特な政治性を明らかにする。とりわ...
「本書において、著者は聖書的リアリストの立場から新約聖書にアプローチする。その際、イエスを精神化し現実政治とは無関係とする立場、またイエスを挫折した革命家として政治化する立場の両者を斥けつつ、イエスの言葉と行為において指向され現実化された神の国の独特な政治性を明らかにする。とりわけ、ヨベルの年の宣言に始まり十字架に極まるイエスの主体的従順の道、《小羊の戦い》こそ、キリスト者がこの世においてとるべき社会倫理の規範であると主張し、福音からするラディカルな体制批判と非暴力平和主義の倫理を基礎づける。」(裏表紙より) 著者は再洗礼派(アナバプティズム)の流れを汲むメノナイトの代表的神学者。この系譜の特徴として、キリスト教倫理をあくまでもキリスト者の倫理として捉えようとする。それは「山上の説教」の教えをそのまま実行しようとする真のキリスト者、すなわち「キリストの弟子」、そしてそのような信仰者の共同体(ビリーヴァーズ・チャーチ)にのみ、目指し得る倫理である。このラディカルな倫理によると、いわゆる社会派のキリスト教倫理は「信仰の事がらは聖書、社会の事がらはマルクスに聞け」という二元論に思える。
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