鞍馬天狗のおじさんは の商品レビュー
鞍馬天狗やむっつり右…
鞍馬天狗やむっつり右門といった、娯楽時代劇で活躍した俳優・嵐寛寿郎の聞き書き+α。娯楽作品ということで黙殺されてきた映画作品(特に戦前)のことがよく分かります。お勧め。
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アラカンこと嵐寛寿郎…
アラカンこと嵐寛寿郎が語る初期の日本映画界の裏話。面白いです。
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嵐寛寿郎といえば「鞍馬天狗」なのだろうが、本書でよく語られている同作や「むっつり右門」は一作も見たことがない。 好きなのでよく見る任侠映画で何作か見たのと、『神々の深き欲望』、それに『男はつらいよ』の殿様役くらいだが、その存在感には前々から感心していた(『網走番外地』シリーズは肌...
嵐寛寿郎といえば「鞍馬天狗」なのだろうが、本書でよく語られている同作や「むっつり右門」は一作も見たことがない。 好きなのでよく見る任侠映画で何作か見たのと、『神々の深き欲望』、それに『男はつらいよ』の殿様役くらいだが、その存在感には前々から感心していた(『網走番外地』シリーズは肌に合わないので見てない)。 やはり大スターの貫禄というかオーラなのだろうが、本書の飄々した京都弁で語られる「自身の映画史」を知るにつけ、間違いなく日本映画史に欠かせぬ人物だということがわかった。 これは著者の圧倒的な情報収集力とアラカンへの熱意の賜物だろう。 できればマキノ雅弘監督の『映画渡世』(天の巻&地の巻)もおすすめしたい。 ちなみに読了後に『鞍馬天狗 角兵衛獅子の巻』をアマゾンで観た(便利な時代だ)が、私にはアラカンのすごさはよくわからなかった(バンツマはすごいと思ったのだが)。 ちなみにアラカン自身は、「一は萬屋錦之介、二は若山富三郎と勝新太郎(「この三人はワテの生徒」だそうな)、三船敏郎はんはこれはちょっと別物」だそう。 三船がどう別物なのか知りたいが、若山&勝の殺陣のうまさは私も同意。
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鞍馬天狗も見たことがない世代に属するが、それでも嵐寛寿郎という人間に興味を持って読んだ。京都木屋町の出身と聞いてああ、やっぱりと思う。こちらも京都花街の芸者一族の末裔で、竹中労が聞書きして正確に再現してくれた嵐寛寿郎の京都弁がじつに腑に落ちるのだ。玄人の使う京都弁が懐かしく、一気...
鞍馬天狗も見たことがない世代に属するが、それでも嵐寛寿郎という人間に興味を持って読んだ。京都木屋町の出身と聞いてああ、やっぱりと思う。こちらも京都花街の芸者一族の末裔で、竹中労が聞書きして正確に再現してくれた嵐寛寿郎の京都弁がじつに腑に落ちるのだ。玄人の使う京都弁が懐かしく、一気に引き込まれた。十歳で丁稚に出され、毎朝五時に起き荷車に油をさす日々。「京都の冬はさぶい、アカギレシモヤケ指など形もない、うんでくずれて」という過酷な少年時代。これもまたよくわかる。この生い立ちが名優を作ったのだなと胸に迫る思い。
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