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イノセント の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2018/05/23

スパイ小説というよりも恋愛を主軸にしたサスペンスで、筆致はいかにも文学的。冷戦下ベルリンで東側基地の盗聴を目論み、西側からトンネルを掘り進めるという英米情報部の無謀な作戦を背景とする。物語に大きな起伏は無いのだが、若い技術者が一定期間体験する濃密な情景を、独特なレトリックを用いて...

スパイ小説というよりも恋愛を主軸にしたサスペンスで、筆致はいかにも文学的。冷戦下ベルリンで東側基地の盗聴を目論み、西側からトンネルを掘り進めるという英米情報部の無謀な作戦を背景とする。物語に大きな起伏は無いのだが、若い技術者が一定期間体験する濃密な情景を、独特なレトリックを用いて描き、一種異様な緊張感に満ちている。本作で「話題」となった死体解体シーンよりも、その直後に主人公が陥る悪夢の如き時間の流れを追った重苦しい心理描写が記憶に残る。

Posted byブクログ

2012/12/05

他のイアンマキューアン本と同じく、最初は詳細な説明ばかりで疲れて読み進めなかったが、恋愛関係が前進したあたりから一気に物語りは進み、最後まで息をつかせぬ展開の連続。読み終わったら、へとへとになってた。ありえないような状況に陥る主人公、でもそこに行き着くまでの過程が理解・共感できる...

他のイアンマキューアン本と同じく、最初は詳細な説明ばかりで疲れて読み進めなかったが、恋愛関係が前進したあたりから一気に物語りは進み、最後まで息をつかせぬ展開の連続。読み終わったら、へとへとになってた。ありえないような状況に陥る主人公、でもそこに行き着くまでの過程が理解・共感できるので、驚くような状況もすんなり受け入れてしまえる。 強烈でリアリティーがあって、心揺さぶられた。

Posted byブクログ

2012/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

明るい日差しか差し込む部屋で 切断しかけの死体が 「蝶番のように」べろんちょと開いたシーン そこまでに至る解体の詳細 実体験でもしたんだろうかというほど 細かく、生々しかった 読み始めたときはそんな展開になるとは思わなかった マキューアンにしては珍しく恋の行方にキュンとなったりしてたのに!! 死体を処分するために彷徨い その重量に勝手に追いつめられて行く感じとか おもしろかったです

Posted byブクログ