バベットの晩餐会 の商品レビュー
最初読んだ時は、話の…
最初読んだ時は、話の展開があまりなく地味な物語だと思いました。再読してみると、おとぎ話的な中にも、また違った感じを持ちました。財産を投げ打って創り出すバベットの芸術的なお料理と晩餐会での将軍のスピーチに滋味を感じました。きっとまた読み返す日が来ると思います。
文庫OFF
優れた芸術は確かに素晴らしいけれど、それと同時に大したものでないとも思う。たかがひとのすることだと。 その上で、バベットの作品は素晴らしいのだろうと思う。 言っていることはわかるけれど、捉えることは難しい作品だった。ひとつひとつはわかるけれど、集まめて辻褄を確かめると自分の中で...
優れた芸術は確かに素晴らしいけれど、それと同時に大したものでないとも思う。たかがひとのすることだと。 その上で、バベットの作品は素晴らしいのだろうと思う。 言っていることはわかるけれど、捉えることは難しい作品だった。ひとつひとつはわかるけれど、集まめて辻褄を確かめると自分の中で飽和してしまう。 でも、あわよくばこういうところで生きていきたいな、きっとこういう静かさこそしあわせなのだと思わせてくれる作品。 この本は、友達にあげます。旅立つのも楽しみだね。
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映画を見て原作を読みたいと思っていたがやっと読むことができた。原作はけっこう短く、映画は原作のエピソードをほぼそのまま映像化していた。原作の芯を損なうことなく見事に映像化されていたんだなあ、と感じた。というよりあまりに映画の印象が強すぎるので、覚えている映像を文字に当てはめて読ん...
映画を見て原作を読みたいと思っていたがやっと読むことができた。原作はけっこう短く、映画は原作のエピソードをほぼそのまま映像化していた。原作の芯を損なうことなく見事に映像化されていたんだなあ、と感じた。というよりあまりに映画の印象が強すぎるので、覚えている映像を文字に当てはめて読んだ、というほうがいいかもしれない。 しかしなんと、場所が原作はノルウェーのベアレヴォー・フィヨルドの山麓の町だった! これは映画のユトランド半島のさきっちょとくらべると随分な違いですよ。山に囲まれた北極海に面したノルウェーでも最北の町ではありませんか。しかしバベットが晩餐会の材料を船で調達するくだり、船は北海を縦横に航海していたのか。作者もそこらへんはしらべたのか。あと年代がきちんと記されていたので、パリコミューンでバベットは追われたのだという設定だったのが分かった。 1854年、姉マルチーヌ18歳、妹フィリッパ17歳。 それぞれ青年将校、オペラ歌手に求婚されるが断わる。 1871年6月 バベットが姉妹の家に来る 1888 バベットは1万フランのくじが当たったという手紙を受け取る アメリカの女性向け雑誌「レディース・ホーム・ジャーナル」1950年6月号に発表。その後加筆推敲されて「運命譚」(1958年刊)に収録。アメリカ、イギリス、デンマークで同時刊行されたが、英語版とデンマーク語版ではデンマーク語版の方が全体に記述がこまかく、特に後半では英語版にはないかなりの分量の記述が随所に加えられている、とある。 原作:短編集「運命譚 Anecdotes of Destiny」 1958年 の中の1編。 著者:イサク・ディーネセン(英語名で男性名で発表)(本名カレン・ブリクセン):1885-1962 デンマーク生まれ 2009年までデンマークの50クローネ紙幣には彼女の顔が印刷されていた。 「アフリカの日々」(映画化・愛と哀しみの果て)1937 自身の体験が基。 (単行本は1989.1.30筑摩書房刊) 1992.2.24第1刷 2008.3.5第8刷
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映画も有名な「バベットの晩餐会」と遺作だという「エーレンガート」収録。 「あたしはコミューンの支持派でした。確かにわたしはコミューンの支持派でした。そしてわたしがいま口にした人びとは、いまわしい残酷な人たちでした。パリの市民を飢えさせ、貧しい人びとを抑圧し、法をないがしろにしたの...
映画も有名な「バベットの晩餐会」と遺作だという「エーレンガート」収録。 「あたしはコミューンの支持派でした。確かにわたしはコミューンの支持派でした。そしてわたしがいま口にした人びとは、いまわしい残酷な人たちでした。パリの市民を飢えさせ、貧しい人びとを抑圧し、法をないがしろにしたのです。(略)あのかたがたはわたしの、そう、わたしのものだったのです。あのかたがたは、おふたりにはまるで理解することも信じることもできないほどの費用をかけて、育てられ躾けられていたのです。わたしがどれほどすぐれた芸術家であるかを知るために。」
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映画を観た後で読んだ。本の方が想像が広がって面白い。貧しい漁村で開かれるささやかな珠玉の夕食会はちょっと真似してみたい。映画はリメイクの話もあるらしい。
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バベットの晩餐会とエーレンガートの2つの小品からなる本。 バベットの晩餐会だけを読んで、良い作品を読んだわ〜としばらく本を放置していた。 今日、ギックリ腰になって横になり、エーレンガートを一気に読んだ。イサク・ディーネセン好き!違う作品も読みたい!と思った。 映像が目に浮かび、大...
バベットの晩餐会とエーレンガートの2つの小品からなる本。 バベットの晩餐会だけを読んで、良い作品を読んだわ〜としばらく本を放置していた。 今日、ギックリ腰になって横になり、エーレンガートを一気に読んだ。イサク・ディーネセン好き!違う作品も読みたい!と思った。 映像が目に浮かび、大昔のヨーロッパに旅行した気分に浸ることができた。外は梅雨空で私は畳に寝転がっていたのに。 イサク・ディーネセンは、中学生の時に一人で見に行った映画「アフリカの日々」の原作者。 「30年以上経った今でも違う作品で感動するということは、中学生ぐらいで人の感性ってほぼ出来上がっているのかしら」とふと思った。
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だいぶ前にみた映画は厳かな印象だったが、小説の姉妹は笑えた。持てる技術とお金をすべて使って提供した料理が理解されないうえに、意味不明な同情をかけられたバベット、気の毒すぎ! で、執拗にでてくる<亀>!誤読かもしらんが、亀の頭にビビり、<亀>とはしらずスープ飲む、神に仕えし姉妹。清...
だいぶ前にみた映画は厳かな印象だったが、小説の姉妹は笑えた。持てる技術とお金をすべて使って提供した料理が理解されないうえに、意味不明な同情をかけられたバベット、気の毒すぎ! で、執拗にでてくる<亀>!誤読かもしらんが、亀の頭にビビり、<亀>とはしらずスープ飲む、神に仕えし姉妹。清き無神経さを<亀>でからかわれているように見えて。姉妹ザマーw(言い過ぎです)と読んで楽しかったです。
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2編収録。 表題作より同時収録の『エーレンガート』の方が好みではあった。 それにしてもディーネセンは『上手い』作家だ。
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ディーネセンの中編「バベットの晩餐会」と「エーレンガート」の二編.どちらも非常に緻密で重層的,非常によく練られた小説.二編ともちょっと現実離れした設定や,偶然に頼った展開があるのだが,読んでいるとそれほど気にならず,すっかり小説の世界に入り込んでしまう.そして,読み終わるとその精...
ディーネセンの中編「バベットの晩餐会」と「エーレンガート」の二編.どちらも非常に緻密で重層的,非常によく練られた小説.二編ともちょっと現実離れした設定や,偶然に頼った展開があるのだが,読んでいるとそれほど気にならず,すっかり小説の世界に入り込んでしまう.そして,読み終わるとその精緻な構成に感心する.すぐれた小説の一つの典型.
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美しく恐ろしかった。映画版も見てみたい。 あちこちで見るレビューと自分の抱いた感想があまりにも違うので、もうちょっと素直な気持ちで今度読み返してみようと思う。
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