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死に急ぐ鯨たち の商品レビュー

4.1

16件のお客様レビュー

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著者のエッセイor対…

著者のエッセイor対談集。暇つぶしにぜひ。

文庫OFF

 彼自身を知るには …

 彼自身を知るには この本が一番の近道かもしれません。死に急ぐ・・・・

文庫OFF

2024/11/15

メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1857218985709969699?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

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2023/08/14

安部公房の評論集。文壇に属さず、独自の道を歩いていた氏の思想が垣間見れる貴重な作品。国家、儀式、コンピュータ、マルケスなどについて、縦横に論じている。 これはすごい。1986年初版の評論なのに、今読んでもとても面白い。イメージになかったけど、ワープロもすでに使っていたんですね。...

安部公房の評論集。文壇に属さず、独自の道を歩いていた氏の思想が垣間見れる貴重な作品。国家、儀式、コンピュータ、マルケスなどについて、縦横に論じている。 これはすごい。1986年初版の評論なのに、今読んでもとても面白い。イメージになかったけど、ワープロもすでに使っていたんですね。半分以上がインタビューなのでわかりやすいし、当時執筆中の「方舟さくら丸」についても語っていて興味深い。解説が養老さんというところもいいですね。

Posted byブクログ

2021/11/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こちらは、論文やエッセイ、インタビューなんかの評論集。 なんか色々と語られてる。 最後の解説は養老孟司さんで、「この書物のキーワード、儀式・言語・国家、そしてDNA」らしい。言われてみるとそんな事が語られてた気がする。 NOTE記録 https://note.com/nabechoo/n/n7d173d354e61?magazine_key=m95e2f346041d 難しい事は分からないけど、国家や集団についての記述が印象深い。 表題にもなってる「死に急ぐ鯨たち」も、謎の集団自殺?の様な事が起きるらしく、 安部さんらしい解釈が面白い。(この頃は、「方舟さくら丸」のようです) ナショナリズムへの嫌悪感が伝わる。 「群衆の密度が濃密化していく感覚、一番嫌いな感覚、現実的には国家の儀式部分が肥厚していく感覚」 確かに、嫌な感じしますね。 個人的に興味深かったのは、安部さんの創作に関わる話。 結構色々と語られてたので為になった。 その中で 「たぶん絶望もまた希望の一形式だから」 「絶望する能力に希望を抱くしか無い」 との記述が、気になるがよく分からない。 関連して、俄然G=マルケス読みたくなった。読みたいと思って読めてない一人。安部さん曰く「マルケスを読む前と後では自分が変わってしまう」と。 カネッティて人も(全然知らない)、「絶対に存在してもらわないと困る作家」と述べているし。あとカフカも(カフカは結構読んだが覚えてない)再読希望。「ドストエフスキーの永遠性に脱帽」との記述も。あとルイス・ブニュエル「忘れられた人びと」も見たい。 最後に 「地上の三大以上繁殖生物、ゴキブリ・ネズミ・人間」

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2024/03/04

安部公房のほぼ唯一の評論集。今では手に入りづらくなり、アマゾンでも高値がついている。そしてなんと解説を養老先生が書いている。養老先生は昔NHKで安部公房と対談したことがあり、「安部氏と対談したとき、私(=養老)が小説を書き、安部氏が研究室で実験をするべきだという結論になった」とい...

安部公房のほぼ唯一の評論集。今では手に入りづらくなり、アマゾンでも高値がついている。そしてなんと解説を養老先生が書いている。養老先生は昔NHKで安部公房と対談したことがあり、「安部氏と対談したとき、私(=養老)が小説を書き、安部氏が研究室で実験をするべきだという結論になった」というそのときのエピソードが紹介されている。

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2024/04/29

ぜったいに間違いをおかすまいとすれば、化石にでもなるしかない。安部公房『榎本武揚』1965 選ぶ道がなければ迷うこともない。私は嫌になるほど自由だった。安部公房『笑う月』1975 鯨が集団自殺する謎。浅瀬に乗り上げ、追い返しても逆らうばかり。空気に溺れて死んでしまう。溺死を恐...

ぜったいに間違いをおかすまいとすれば、化石にでもなるしかない。安部公房『榎本武揚』1965 選ぶ道がなければ迷うこともない。私は嫌になるほど自由だった。安部公房『笑う月』1975 鯨が集団自殺する謎。浅瀬に乗り上げ、追い返しても逆らうばかり。空気に溺れて死んでしまう。溺死を恐れているのかもしれない。溺死に怯えるあまり、現実の死を見失う。全面核戦争になれば、山河も残らない。人間も鯨のような死に方をするかもしれない。安部公房『死に急ぐ鯨たち』1986 ************* 「これは何という木ですか」と、お墓のそばの木の名をたずねたが、町長さんの返事は海風に消されて聞こえなかった。井伏鱒二いぶせ・ますじ『瀬戸うちの人びと』1965

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2020/09/18

安部公房 「 死に急ぐ鯨たち 」 安部公房氏が「人間とは」「国家の本質とは」「戦中の日本の特殊性」「方舟さくら丸 のテーマ」などを語った対談集。もっと妄想癖があって、人との会話が苦手だと思ったが、かなり論理的で 質問者が回されている感じ。 ナショナリズムに対する嫌悪感は随所...

安部公房 「 死に急ぐ鯨たち 」 安部公房氏が「人間とは」「国家の本質とは」「戦中の日本の特殊性」「方舟さくら丸 のテーマ」などを語った対談集。もっと妄想癖があって、人との会話が苦手だと思ったが、かなり論理的で 質問者が回されている感じ。 ナショナリズムに対する嫌悪感は随所に感じた。ナショナリズムを 人間集団の衝動的行動、想像力の不足からくる 集団的楽観主義と考えているように感じる 方舟さくら丸は面白そう。読んでみようと思う 旧約聖書のノアの方舟の話から、人間の選別にファシズムを見出している点や 自分が生き延びることに 他人が死ぬことを取り出している点に 驚きと納得を感じた 儀式と集団の関係性を国家の中に見出し、ナショナリズムを感じる感性は凄いと思った。 安部公房氏の日本観、戦後国家観 *国破れて山河あり。国=政治、山河=日常。核戦争になれば山河も残らない *人間の歴史は不安定要素に対して日常を拡大し続ける努力 *国家の本質は 自分を超えるものを許容できないこと *日本の特殊性は、きわどいところで、植民地化を免れた点。植民地支配より敗戦の傷の方が軽い

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2016/09/18

『方舟さくら丸』前後の随筆やインタビュー、写真などを集めた作集。雑多感は否めないが、安部公房の縦横無尽な思考回路に触れるとともに、厳密に言語を定義し事象を構築し発想を文章へ転換する公房氏の姿は『笑う月』のように等身大の彼に触れる貴重な資料である。 特に興味深いのは、例えば彼が語...

『方舟さくら丸』前後の随筆やインタビュー、写真などを集めた作集。雑多感は否めないが、安部公房の縦横無尽な思考回路に触れるとともに、厳密に言語を定義し事象を構築し発想を文章へ転換する公房氏の姿は『笑う月』のように等身大の彼に触れる貴重な資料である。 特に興味深いのは、例えば彼が語るコンピュータ論、発刊当時(1986年)はコンピュータの発展は不明瞭で未成熟だったのに、今読んでも古臭さを感じない。むしろ本質を捉えている。ワープロなんかも登場したての頃、既に文章を推敲できる機能的優位性を熱っぽく論じている。こうした類は右脳左脳の役割、植民地における国家論など至る話に共通する。つまり彼が極めて厳密に定義を反芻し論理的に思考を展開しているからだろう。

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2013/03/07

タバコの話が読みたくて手に取りました。 それ以外も集団化、右脳閉塞、カネッティとマルケスの話など興味深い話たくさん。 パープリンの自分はそらもう圧倒されっぱなし。アタマヨクナリタイ。 著者の「第四間氷期」、カネッティの「眩暈」、マルケスの「百年の孤独」を読んで右脳を開きたい。 と...

タバコの話が読みたくて手に取りました。 それ以外も集団化、右脳閉塞、カネッティとマルケスの話など興味深い話たくさん。 パープリンの自分はそらもう圧倒されっぱなし。アタマヨクナリタイ。 著者の「第四間氷期」、カネッティの「眩暈」、マルケスの「百年の孤独」を読んで右脳を開きたい。 とりあえず左手多めに動かそっと。

Posted byブクログ