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我らが影の声 の商品レビュー

3.8

20件のお客様レビュー

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2014/10/10

決してベストセラー作家ではないが、同業者や玄人筋にはやたらとウケのいいジョナサン・キャロル。結末のサプライズが最大の読みどころだと評判のジョナサン・キャロル。しかし僕にはいまいちその魅力が理解できない。 確かに、『炎の眠り』でもそうだったけど(というか、本書とそれしかキャロル作品...

決してベストセラー作家ではないが、同業者や玄人筋にはやたらとウケのいいジョナサン・キャロル。結末のサプライズが最大の読みどころだと評判のジョナサン・キャロル。しかし僕にはいまいちその魅力が理解できない。 確かに、『炎の眠り』でもそうだったけど(というか、本書とそれしかキャロル作品は読んだことがない)、一組の男女が出逢い、胸をときめかせ、疑心暗鬼に陥りつつも、あれこれ駆け引きを巡らせながら、徐々に関係を深めていく一連の過程はリアル過ぎて怖いくらい。さらに本書に限って言うならば、恐怖感/不気味さを煽るシーンの筆致は間違いなく一級品だと思う。 だが、結末のサプライズ? そりゃあね、この結末は予想できませんでしたよ。できるわけない。だって何も伏線が張られていないんだもの。ミステリーとしては失格。こんなの物陰に隠れて待ち伏せして、わっ! って驚かすのと何が違うんだ? そういう小説じゃないと言われればそれまでかもしれないけど、少なからず本格ミステリーを読んできた身としては、ある程度のフェアネスを要求してしまうのです。

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2013/11/24

んー。 期待しすぎたのか、最後、取り残された感が・・。 元が洋書だからなのか、自分の理解力のなさなのか、途中の文章でインディアの言葉なのかポールの言葉なのかジョゼフの言葉なのかわからなくなる時があった。 オチも報われなさすぎて。。 キャレンくらいは。。 ね。。

Posted byブクログ

2012/09/02

ジョナサン・キャロルに夢中になるキッカケとなった本。 もう大好き!! 予想したオチをラスト2行で覆された時は鳥肌たった。

Posted byブクログ

2015/01/10

事故とはいえ兄を殺してしまった男が作家になり、ウィーンで映画狂の夫婦と知り合い、奥さんのほうと関係をもってしまったが為に世界が破綻していく話。 なんか意味がはっきりわかるかと言われたらよくわからないのですが不穏な、気持ち悪い空気がそこかしこに蔓延していてなんだかじっとりきます...

事故とはいえ兄を殺してしまった男が作家になり、ウィーンで映画狂の夫婦と知り合い、奥さんのほうと関係をもってしまったが為に世界が破綻していく話。 なんか意味がはっきりわかるかと言われたらよくわからないのですが不穏な、気持ち悪い空気がそこかしこに蔓延していてなんだかじっとりきます。 最後の狂気の爆発がまた気持ち悪い気持ち悪い。 誰かの世界が破綻する瞬間というのはリアルに考えるとどうしてこうも気持ち悪いんでしょう。 怖いと聞いたのに表紙は明るいなあと思いながら読んでいたのですが(1991年初版の古い文庫なので)読みおわって、表紙の絵がどのシーンを指しているのか考えるとぞくっときました。 主人公も普通といえば普通の善人(…?)なのになんか薄気味悪いんだ。 直接的な恐怖は全くないけれど、なんか気持ち悪い話。

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2010/11/30

まあまあ面白かった。他の作品も読んでみたいかも。読了後に、色々思い出したり考えなおしたりするのも楽しい。 全然違う話だけれど、『心臓を貫かれて』を再読したくなりました。

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2020/12/18

キャロルの長編第二作。ここに登録してみて、いつの間にか絶版になってること、そして読者評価が低いことを初めて知った。最新作から処女作へ戻ってキャロル作品を再読しているが、10代の頃は気付かなかった、キャロル作品の底流にある“「利己的」という「罪」に対する容赦のない「罰」”というテー...

キャロルの長編第二作。ここに登録してみて、いつの間にか絶版になってること、そして読者評価が低いことを初めて知った。最新作から処女作へ戻ってキャロル作品を再読しているが、10代の頃は気付かなかった、キャロル作品の底流にある“「利己的」という「罪」に対する容赦のない「罰」”というテーマがひりひりと感じられる。特に本書は、「死者の書」よりそのテーマが露骨に描かれ、「薪の結婚」からここへ戻ってみると尚更、ダークな幻想というより潔癖なまでに厳しいキャロルの倫理観が見えてくる。一人称で語り、利己的な自分を正当化する思考と言葉を用いてストーリーを進めつつ、サイドからばっさりと断罪する厳しさが、「自分の断罪されうる存在である」という恐怖を読者にじんわりと残す。ストーリーが突然現実世界から乖離していくのはいつものことだし、作品の風味が非常にキャロルらしい「我らが影の声」、私は好きです。

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2009/10/31

 強烈な個性の兄のいじめに耐えきれず兄を殺害した主人公が、歳を経て遭遇した恐怖。ジョナサン・キャロルは最後の1ページまで、何が起こるかわからないし、あとでじわじわくる恐怖がある。特にこれは、最後の空白感がたまらない。面白かったよ。

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2009/10/04

キャロル二つ目の長編。亡き兄とその親友の記憶に呪縛され続ける主人公は、魅力的な夫婦、ポールとインディアと知り合う。ともに親友としての付き合いを深めながらも、主人公とインディアはやがて別の意味でも引かれ合うようになり、そして……。皮一枚の平穏な生活が破綻するとき明らかになる、恐ろし...

キャロル二つ目の長編。亡き兄とその親友の記憶に呪縛され続ける主人公は、魅力的な夫婦、ポールとインディアと知り合う。ともに親友としての付き合いを深めながらも、主人公とインディアはやがて別の意味でも引かれ合うようになり、そして……。皮一枚の平穏な生活が破綻するとき明らかになる、恐ろしい真実とは。キャロルの作中、最もホラーに近接した一冊。

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2009/10/07

「最も恐ろしい結末。」らしい。映像化されたら凄く恐ろしいシーンだろうなぁ。。。文章だけだとちょっと物足りない。

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2009/10/04

ファンタジーには弱い私だけど、キャロルの独特なホラーファンタジーにははまった。キャロルを読まれる方は最初から順に読むことを勧める。登場人物が何度も共通してでてくるからだ。最後のオチにはたまらなく背筋が寒くなる。

Posted byブクログ