三島由紀夫レター教室 の商品レビュー
前職で一緒だった人と久しぶりに再会し、 夕食を楽しみました。 そのときにおすすめしていただいた一冊。 近代文学とかあんまり得意でない、 (国文学出身のわりに。笑) という気持ちがあったため、 読めるかどうか不安でしたが、 手に取りました。 面白い!そして読める! 私、三島さん...
前職で一緒だった人と久しぶりに再会し、 夕食を楽しみました。 そのときにおすすめしていただいた一冊。 近代文学とかあんまり得意でない、 (国文学出身のわりに。笑) という気持ちがあったため、 読めるかどうか不安でしたが、 手に取りました。 面白い!そして読める! 私、三島さんの言葉読めてる!!笑 …が最初の感想でした。笑 登場人物たちがそれぞれとの手紙のやり取りをして 展開していくのですが。 みんなクセが強い。笑 そして策略家とうか、したたか。笑 人間味があって、ずるいところがあって、 途中からはミステリーのような謎解きのような気配もあり、 とにかく一瞬で読み切りました。 最初は登場人物も覚えられるか不安だったのに、 「あいつからあいつへの手紙か…」とか思いながら読めてる自分に驚きでした。笑 メール、SNSではなくて、手紙。 あっち行ったり、こっち行ったりする手紙。 次は、普通の小説にもチャレンジしてみたいと思います。
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1960年代に週刊誌で連載されていたというこの作品は、レター教室と銘打ち様々なシチュエーションにおいて全て手紙形式でやりとりしながら話が進んでいきます。登場人物は年齢も職業も異なる男女5人。ちょっとコミカルな設定のこの5人には繋がりがあって、恋愛・借金・中傷、はたまた陰謀?、そ...
1960年代に週刊誌で連載されていたというこの作品は、レター教室と銘打ち様々なシチュエーションにおいて全て手紙形式でやりとりしながら話が進んでいきます。登場人物は年齢も職業も異なる男女5人。ちょっとコミカルな設定のこの5人には繋がりがあって、恋愛・借金・中傷、はたまた陰謀?、それに割とどうでもいいこと?などなどがもつれあい…。 それぞれの書く手紙には本人たちの個性や思惑がよく表れていて、まあ時代感覚のズレはあるものの、ユーモアと皮肉がきいておりテンポ良く読めてしまいます。 レター教室の最後は、作者から読者への手紙で締め括られています。
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手紙から5人の男女の関係性を読み取り、ストーリーを補完させる構成が斬新でした。登場人物の人となりや喜怒哀楽がひしひしと伝わってきて楽しかったです。 特に好きな章は「身の上相談の手紙」です。山トビ夫の返信が印象的でした。
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※このレビューにはネタバレを含みます
20代も後半になればいやらしい中年女の片鱗が出てきたなと時折自覚する私、群ようこさんの解説にドキリ。登場人物は男女五人。年齢も性格もバラバラな彼らの手紙のやり取りだけで物語が進んでいく。 当時の小説としてはとても画期的だったのではないだろうか。手紙の書き方指南本として活用できるかはさておき、大変面白い。 エレベーターガールやモノクロテレビなどところどころ昭和を感じるが、笑いあり下ネタありで読みやすいので、三島由紀夫は教科書に名前の出てくる作家、と身構えることなく先ず本書から入ってみてはどうでしょう。
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三島由紀夫という人物にとても興味があります。と言っても今作が初ですが。見た目の印象からの私の勝手な想像ですけど、彼の作品の中では異色なのでしょうか。5人の登場人物が交わし合った手紙で、人間関係の縮図とでも言えるような、それぞれの赤い糸がもつれたり解れたりしながら、話が進んでいきま...
三島由紀夫という人物にとても興味があります。と言っても今作が初ですが。見た目の印象からの私の勝手な想像ですけど、彼の作品の中では異色なのでしょうか。5人の登場人物が交わし合った手紙で、人間関係の縮図とでも言えるような、それぞれの赤い糸がもつれたり解れたりしながら、話が進んでいきます。とても読みやすくユーモアがあり、ある程度年齢を重ねたから楽しめる作品だと思いました。「手紙を書くときには、相手はまったくこちらに関心がない、という前提で書きはじめなければいけません。これがいちばん大切なところです。」納得です!
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三島由紀夫=学生運動のイメージだったけど良い意味で覆された。え、こんなユーモアのある人だったの?もう目次見てるだけでワクワク楽しい!5人の登場人物間を行き交う手紙だけで構成されているので他人の手紙を盗み見てる気がする。見られるのは絶対いやだけど見るのはとても愉快なもの。それにして...
三島由紀夫=学生運動のイメージだったけど良い意味で覆された。え、こんなユーモアのある人だったの?もう目次見てるだけでワクワク楽しい!5人の登場人物間を行き交う手紙だけで構成されているので他人の手紙を盗み見てる気がする。見られるのは絶対いやだけど見るのはとても愉快なもの。それにしてもみなさま手紙の名手でうらやましい。これ程おしゃれでチャーミングな文章を書ける人になれたらどんなにか。おそらく本書で言いたいことを丸トラ一が最後持ってった、ってオチが好き。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昔の人だからもっと固い感じを覚悟してたけど、びっくりするくらいユーモアに溢れた一冊。 タイトルに偽りなしというか、「レター教室」と言うだけあって現実に応用できそうなテクニックみたいなものがちらほら。 とくに「英文の手紙を書くコツ」は「自分本位で文章を構成するな」とか、「文法や構文ばかりに拘るな」とか、実は日本語にも通ずることが多い気がして、学びが多い。 物語的にはなんやかんやで2カップル出来上がったけど、1人残った丸トラ一の「他人の幸福なんて、絶対だれにもわかりっこないのですから。」って終わり方がいい。
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そういえば三島由紀夫の享年は45歳でしたね。たぶん偶然でしょうが、本作では45歳と設定された人物が二人も登場するので、妙に印象深いです。 上の理由でなくとも、本作は三島作品の中でも殊に「異色」と言われることが多い作品なので、その分他作とは違った読み応えもありますね。手紙の模範をか...
そういえば三島由紀夫の享年は45歳でしたね。たぶん偶然でしょうが、本作では45歳と設定された人物が二人も登場するので、妙に印象深いです。 上の理由でなくとも、本作は三島作品の中でも殊に「異色」と言われることが多い作品なので、その分他作とは違った読み応えもありますね。手紙の模範をかたどりながら、しっかりとお話が進んでいくのは、やっぱり面白いです。山トビ夫が手紙の精神分析をするくだりなんかは痛快で三島らしいエスプリに富んでいます。 …それにしても、「手紙」すら廃れようとしている現在、本作に示唆される手紙の粋な感じはなんなのでしょう。メッセージアプリで簡単な雑文を取り交わし、プライバシーとは言いつつもどこかふわふわとした言葉のやり取り…。普段の自分の文章にヒヤリとする感覚もあるのでした…。
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潮騒を読んでから、 そう言えば三島由紀夫の本って他にも読んだことあったよな…、 と思って本棚探したら出てきた。 と、いうことで再読。 いかにもお遊びっぽい個性的なお名前の、年齢も生活環境も異なる5人の男女がやり取りする手紙だけで物語が進んでいく、たぶんいろんな人が想像するであろ...
潮騒を読んでから、 そう言えば三島由紀夫の本って他にも読んだことあったよな…、 と思って本棚探したら出てきた。 と、いうことで再読。 いかにもお遊びっぽい個性的なお名前の、年齢も生活環境も異なる5人の男女がやり取りする手紙だけで物語が進んでいく、たぶんいろんな人が想像するであろう三島由紀夫っぽくない、軽い小説。 手紙のやりとりから、タイトルどおりケースバイケースで手紙の書き方をレクチャーしてくれる面があり、 またそれと平行した軸で手紙の書き方やちょっとした言い回し、そのものズバリの内容から登場人物のキャラクターや、関係性が見えてきて、それがいろんな方向に転がって物語になっていく。 そうそう、こんな話だったわ! 解説の群ようこさんではないけど、昔は多少なりとも共感を覚えたのは、空ミツ子や炎タケルとかと同じ年代(20代)だった気がする。 それがいまや、氷ママ子さんの年齢も越してしまって、まあ完全に共感するなぁってところはないんだけど、ママ子さんの目線で読んじゃう自分に気がつくよね笑 それにしても手紙って本当に人間が出るな。三島の書き分けが素晴らしいってのと、まあフィクションゆえの盛った書き方というのはあるにせよ、なにげない文章にも人柄が出るというのは確かにその通りで、これ、メールやラインなんかにも言える。 …あ、SNSにも笑 面白かったなーと思うと同時に、 自分の文章についていろいろと反省も感じた一冊でした。
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群ようこさんの読書エッセイ(タイトル忘れた)で知った本です。 若い男女、中年の男女合わせて五人がやり取りする手紙でストーリーが進み、ラストでカップルが二組誕生するまでの紆余曲折が面白い。でもこの二十一世紀に読み返すと、差別発言になる言い回しが多いですよね。半世紀も前、当時は「ハラ...
群ようこさんの読書エッセイ(タイトル忘れた)で知った本です。 若い男女、中年の男女合わせて五人がやり取りする手紙でストーリーが進み、ラストでカップルが二組誕生するまでの紆余曲折が面白い。でもこの二十一世紀に読み返すと、差別発言になる言い回しが多いですよね。半世紀も前、当時は「ハラスメント」という言葉すらなかった時代でした。
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