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誰のためのデザイン? の商品レビュー

4.2

91件のお客様レビュー

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2024/02/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大学の研究室で毎年勉強していた本でした。 当時は対応づけ、アフォーダンスやフィードバックについての印象が強く残っていました。 仕事でWebシステム設計に関わるようになり、今一度読み直そうと手に取りました。 事例紹介は家電や家具などのモノが多いですが、UI設計に当てはめることができる項目がたくさんあり非常によかったです。 以下その項目と、UI設計に絡めた自分の考えです。 ・アフォーダンス ボタンに見えるからクリックする、というのがアフォーダンスだとすると、押せると思ったのに押せない、またその逆というUIもよく見かけるので意識されるべき。 ・因果性の心理学 ある行為のすぐ後に起きた事は、その行為よって引き起こされたように見えてしまうということだが、確かに、トラブルが起きた時、全然関係ないことを原因だと思い込み対応しようとして復旧に時間がかかってしまうことがあった。 ・操作を間違えてしまって何かエラーが起こっても、ユーザーは、デザインのせいではなく自分を責めてしまう 改善点を挙げてもらう時には、この点に注目しないとデザインの改善はできないということだろう。また、エラーを最小限にするデザインをあらかじめ入れておく。 ・初めてなのに苦労なく使えるものは誰かが上手にデザインしている ・物理的、文化的な制約があれば、操作の選択肢が減る。 ・頭の中の知識とが外界にある知識は、常にトレードオフの関係。頭の中の知識でできればはやいけど、学習がいる。書いてあれば検索可能だが、美しくない。 ・制約とアフォーダンスをデザインに利用すれば、目新しい場面でもユーザーが直ちに適切な行為を行える。 ラジオボタンとチェックボックスもその一つか? ・スイッチが多くなったら、グルーピングをしたり形を変えたりすること。 webの場合はアイコンを用いるとか? ・可視性とフィードバックがないと良いデザインとは言えない。 反応しているわからず何度もクリックしてしまうようなデザインはダメ ・間違いを許さない社会的圧力が強い影響を及ぼす。危険を報告したことが間違いだった時にそれを罰するような社会構造のデザインが問題。 勇気を出して気になることがあるとユーザーに言われたらきちんと調べ、感謝しよう。会社の風土も大事。 ・エラーに備えてデザインする 1.原因を理解し、その原因が最も少なくなるようにデザインすること 2.行為は元に戻せるようにすること。戻せないならその操作をやりにくくすること。 3.エラーの発見、訂正をしやすくしておくこと ・強制選択法は、非常時とそうじゃない時のトレードオフを考慮。信頼性も高めないと、機能そのものを外されてしまう。 ・デザイナーはユーザーではない。 デザイナーは設計している道具に習熟してしまう。ユーザーは、その道具を使って行う作業に習熟している。これはビジネスツールを作る上では常に肝に銘じておかねばならない。 ・デザイナーが、ユーザの立場に立とうとした時にも、頭の中にある知識を活用してしまう。一方、ユーザが初めて使う時やたまにしか使わない時は、ほとんどすべての情報、外界の知識に依存しなくてはならない。 ・デザイナーの立場では、ユーザが陥る問題や、思い違い、エラーを予測することができない。 ・年齢、ハンディキャップなどを考慮すると誰もが使いやすくなるための簡単な解決策はないが、柔軟性を考えてデザインすることは役に立つ。 ・選択的注意(目の前の問題に注意を払って、それ以外を考えに入れないこと)に気をつける。デザインにおいても、1つの要因に注目するあまりに他の要因に目を配り忘れていないか。 Webデザインにおいては、美しさを重んじて使いやすさが損われる、つくりやすさを重んじて、美しさが損われるなど。 ・ユーザーの多くはマニュアルを読まない。その傾向を、デザインする人は考慮に入れるべき。 ・わざと使いづらくデザインする場合もある。(軍事施設のボタンや、福祉施設のドアなど) ただし一つの安全を回避して、また別の安全を脅かす可能性があることは忘れてはいけない。(開けづらいドアは非常時には危険)

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2022/09/10

1988年に書かれた,人が使うものデザインとはどうあるべきかを論じた本 いま読むと未来予測の答え合わせ的な興もある 何が予測できて何が想像すらつかなかったのか 2015年に出た増補改訂版も手に取ってみたくなった

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2021/11/07

タイトル*誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 著者*ドナルド・A.ノーマン 出版社*新曜社

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2020/09/17

使いづらいと感じても、自分の習熟度の問題だと思い込み、慣れなくては、と言い聞かせることは多いです。そうではなくデザインの側に問題があると疑いを持つ勇気を貰いました。モノやコトに疑問を感じた時、なぜそう思うのかを分析する癖付けが出来れば、何かを作る時に大いに役立てられる注意力を身に...

使いづらいと感じても、自分の習熟度の問題だと思い込み、慣れなくては、と言い聞かせることは多いです。そうではなくデザインの側に問題があると疑いを持つ勇気を貰いました。モノやコトに疑問を感じた時、なぜそう思うのかを分析する癖付けが出来れば、何かを作る時に大いに役立てられる注意力を身につけることができると思う。

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2018/09/23

20180217 人が道具を使う際の認知論から出発し、ユーザーフレンドリーな道具とは何かを問う作品。デザイナーとユーザーの間を取り持つ企画セクションの仕事をする自分にとって、目から鱗が落ちる著作であった。 ユーザーフレンドリーである条件は4つある。①その物から何をすれば良いかとい...

20180217 人が道具を使う際の認知論から出発し、ユーザーフレンドリーな道具とは何かを問う作品。デザイナーとユーザーの間を取り持つ企画セクションの仕事をする自分にとって、目から鱗が落ちる著作であった。 ユーザーフレンドリーである条件は4つある。①その物から何をすれば良いかという概念モデル=アフォーダンスが分かりやすいこと。②行動・制御が目に見えること。③行動と結果のマッピングが自然であること。④結果の還元が自然であり、見えること。 特に、システム開発や事務フロー作成において意識したいことは、①ビジュアル=可視的であること、②行為と結果のマッピングが自然であること、③プロセスと結果のフィードバックが行われることを意識してデザインしたい。また、ユーザーに取って使いづらければ改善を促したい。 別の観点として、知識がどこに偏在しているかの議論も面白い。脳の中と外部にバランスよく知識を配置する必要があり、外部に知識を置く場合は、知識を参照しやすい形で整理することが重要となる。 ユーザーを意識したデザインは難しい。 開発とユーザーの繋ぎ手となる企画セクションに求められるデザイン思考とは? 自然なデザイン=自然に解釈される ①可視性 Visibility ②概念モデル ③対応づけ Mapping ④フィードバック ⑤強制選択法 ⑥標準化 アフォーダンス ・機能の特性を形から持ち合わせている 概念モデル デザイナーの2原則 ①良い概念モデルを作る ②目に見えるものを作る 技術の逆説 ・機能⇧→複雑さ⇧ 制約事項 ①物理的 ②意味的 ③文化的 ④論理的 誤りのパターン ①スリップ ・レベルの混同 ・プロセスの中での誤り ②ミステイク ・ゴール設定を見誤る 外界の知識と頭の中の知識 →両者はトレードオフで、どう情報を配置するか

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2018/03/11

ヒューマンエラーは起こるべくして起こるのではなく、一部はデザインが原因で起きている。 改めてデザインが溢れる環境のもと、生活していて依存していると思った。

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2017/10/02

可視性、よい概念モデル、自然な対応付け、フィードバックの必要性。強制選択機能。 よいデザインをもたらしてくれた人には心の中で賞を贈ろう。花も贈ろう。よいデザインをしてくらなかった人には、きびしい批判をしよう。その人には雑草で十分である。

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2017/07/05

★科学道100 / まるで魔法 【所在・貸出状況を見る】 http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=09806046

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2018/11/25

良いデザインにおける重要な特性が二つある、発見可能性と理解 発見可能性は基本的な五つの心理学的概念、アフォーダンス、シグニファイア、制約、対応づけ、フィードバックである、たが、おそらくこれより重要な六つ目の原則がある、システムの概念モデル、真の理解を提供するのほ概念モデル ・あ...

良いデザインにおける重要な特性が二つある、発見可能性と理解 発見可能性は基本的な五つの心理学的概念、アフォーダンス、シグニファイア、制約、対応づけ、フィードバックである、たが、おそらくこれより重要な六つ目の原則がある、システムの概念モデル、真の理解を提供するのほ概念モデル ・あなたの製品を正しく使うのに失敗した人を責めない ・人が困難に感じている部分を、製品を改善できるシグニファイアだと捉える ・電子機器あるいはコンピュータシステムからすべてのエラーメッセージを排除し、代わりにヘルプやガイドを与える ・ヘルプやガイドのメッセージから直接問題を修正できるようにする。人がタスクを継続できるようにする。すなわち進行を妨げない。滑らかで連続的に行えるよう助ける。最初からやり直させるようなことは絶対しない ・人がしたことは部分的には正しいと考える。したがって不適切なときには、ガイドを与えて問題を修正できるようにして、先に進めるようにする ・自分自身、そして自分とインタラクションする人たちに対してポジティブに考える ・エラーの原因を理解し、その原因が最も少なくなるようにデザインする ・意味的妥当性チェックを行う。その行為は「常識」テストをパスするか? ・行為を元に戻すことができるようにする。すなわち、「アンドゥー」できなくてはならない。そうできないとしたら、元に戻せない操作はやりにくくしておく ・生じたエラーを発見しやすくする。また、それを訂正しやすくしておく ・どのような行為もエラーとして扱わない。むしろ、人が正しく行為を完了できるように助ける。その行為を目的に近いものとして捉える デザイン思考 ダブルダイヤモンド 観察 ・リサーチ アイデア創出 ・ブレーンストーミング、数多くのアイデアを創出せよ、制約を気にせず、創造的であれ、あらゆることを質問せよ プロトタイピング テスト ・5人を個別に行う 反復

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2017/05/02

●本の内容● UXやUI関係の本を読んでいると、必ずといっていいほどこの本が引用されています。 ものが使いやすい/使いにくいとはどういうことかを解明し、 使いやすいもの(水道の蛇口やドアノブなどの物理的な道具から、コンピューターシステムまで)をデザインするにはどうす...

●本の内容● UXやUI関係の本を読んでいると、必ずといっていいほどこの本が引用されています。 ものが使いやすい/使いにくいとはどういうことかを解明し、 使いやすいもの(水道の蛇口やドアノブなどの物理的な道具から、コンピューターシステムまで)をデザインするにはどうすればいいかを 認知科学の知見を活かし、解き明かした本。 ものをデザインする側が注意するべき点にとどまらず、 ものを使うときの人の知覚や認識の仕組み、間違いを犯すメカニズムにも踏み込んだ考察が見事な一冊です。 ●感想● いやはや。素晴らしい。 ・・・素晴らしいっ!!!!!!!!!! こういう見事な本に出会えたときは、地道に本を読んできてよかった! 生きててよかった!! と心から思います。 「読みやすい本(文章)」 には 二通りあると思います。 ひとつは、伝えたいメッセージやそれを支える根拠そのものが、そんなに複雑じゃないもの。 もうひとつは、伝えたいメッセージやそれを支える根拠は複雑なものの、 書き手がそれを、読み手に伝わりやすいように構造化して、順序や表現方法を工夫しているがゆえに、 読みやすくなっているもの。 この本には、後者の読みやすさがありました。 書かれたのは1990年、まだGUIが市場に普及する前の時代です。 なので、特にコンピューターシステムに関する使いやすさの考察の章などは、 あまりにも例えが古くて、「けっ!」と思う人もいるかもしれません。  (←筆者自身も読み返して同じように思ったらしく、増補版が出て、2015年に日本語訳も出ていました。読んだのは増補版じゃない方なのですが、増補版もぜひ読んでみようと思いました。) でも、「ユーザーにとって、使いやすいとはどういうことか?」という原理原則を追求したこの本の視点と研究成果は、 全然古くなっていません。 内容の面でも、良い文章のお手本としても、 これは本当にみんなにおすすめしたい、見事な、見事な本でした。 ●補足● この本について話すと、「コレ書いた人って、アップルの幹部になってユーザーインターフェース設計に関わって大失敗したんでしょ」というエピソードを持ち出す人が一定の割合でいます。 確かにそのエピソードも有名ですが、だからといってこの本を読まないのはあまりにもったいないです。 ノーマンは学者で、これは「使いやすさ」についての原理を考察した本で、その観点では本当に見事な本です。 その原理を実際の製品にどう反映させるのか、実務で周りの人にそこをどう納得させていくのか、という観点では、別の能力が必要で、著者自身にそれがなかったからといって、この本の価値を下げることにはならないと思います。

Posted byブクログ