東京の下層社会 の商品レビュー
たかだか100年前のことなのに、このひどさ。 このひどさの上に、ぼくらの生活が成り立っているのだと思うと、ぼくらが次の100年に向けて、なんら基盤となるものを残せていないことに後ろめたさを感じる。 戦後から平成に至るまでのスラムの変遷についても読んでみたい。
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面白い本だけど、読んだことのあるネタが多い。 元ネタになっている本を孫引きで何度も読んだことがあるからだろう。 明治~戦前の、社会主義的改良主義の洗礼を受ける前のむき出しの資本主義の日本的形態に興味のある人にとっては、よいまとめの書になると思う。 この本が書かれたのは19...
面白い本だけど、読んだことのあるネタが多い。 元ネタになっている本を孫引きで何度も読んだことがあるからだろう。 明治~戦前の、社会主義的改良主義の洗礼を受ける前のむき出しの資本主義の日本的形態に興味のある人にとっては、よいまとめの書になると思う。 この本が書かれたのは1990年。 「高度成長を経て総中流化したこの日本社会」という枕詞が何の違和感もなく使われていた時代なので、この本の2010年度版を書いてみたらどんなふうになるんだろう。 「日本人の民族性」というのがどこまで実態を持つものかは知らないけど、このままいったらあと50年ぐらいしたら、この本に書いてあるような姿に戻るのかな。 しかし、貧困と言った相対的な問題を、テキストで追いかけていくことの限界も感じる。 「貧しい」という言葉を、1900年ごろの労働者が発するのと、1935年生まれの紀田順一郎氏が1990年に発するのと、1973年生まれの私が2010年に発するのとでは、意味するものが違うだろう。 さりとてどういう批評方法があるのかはよく分からないが・・・
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