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薔薇の名前(下) の商品レビュー

4.3

101件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2021/05/10

上巻よりも展開が気になり、するする読めた。  犯人の動機がまったく理解出来なかったが、これはキリスト教に詳しいもしくはキリスト教徒だったら賛同はしなくてもわかるものなのだろうか。現代の感覚で読んではいけないのだろうが、笑いをここまで否定することがわからない。現代で置き換えたらどう...

上巻よりも展開が気になり、するする読めた。  犯人の動機がまったく理解出来なかったが、これはキリスト教に詳しいもしくはキリスト教徒だったら賛同はしなくてもわかるものなのだろうか。現代の感覚で読んではいけないのだろうが、笑いをここまで否定することがわからない。現代で置き換えたらどういう感覚なんだろう??  知識不足ゆえ真の面白さの1割程度しか楽しめていないんだろうな。それでも面白く読めたので、映画も機会があれば観てみたい。  各章の小見出しがネタバレになってしまっているのちょっと残念。

Posted byブクログ

2020/12/26

とんでもない本だった。非キリスト教文化圏の人間には到底理解しきれそうにないことがわかっただけでも収穫。訳者による解説も読みごたえあり。

Posted byブクログ

2020/03/01

「薔薇の名前(下)」ウンベルト・エーコ著・河島英昭訳、東京創元社、1990.01.25 426p ¥2,000 C0097 (2020.02.23読了)(2020.02.08借入)(1990.03.23/5版) 殺人事件は、ヨハネの黙示録に沿っているとか。 ウィリアムスとアドソは...

「薔薇の名前(下)」ウンベルト・エーコ著・河島英昭訳、東京創元社、1990.01.25 426p ¥2,000 C0097 (2020.02.23読了)(2020.02.08借入)(1990.03.23/5版) 殺人事件は、ヨハネの黙示録に沿っているとか。 ウィリアムスとアドソは、事件の解決のために手掛かりを求めて文書庫の中を探し回っています。 二組の使節団がやってきたことにより、話が異端者の方に重点が移って来て、異端審問の心理学的なものになってきました。 科学的捜査が行えなかった時代には、拷問が有効な手段のようです。 拷問による自白によって犯人は、見つかり、事件は解決したはずなのですが、事件は続きます。 アドソは、性の喜びを知ったために、愛についてあれこれと考察しています。 最終的に事件は解決しますが、殺人はヨハネの黙示録に沿って計画的に行われたものではなかったようです。なんか、拍子抜けした印象です。 殺人の動機については、343頁から347頁当たりまでに述べてあるのですが、よくわかりません。アリストテレスの哲学書が、キリストの教えを覆しかねない、ということのようですが。 事件を解決したかに見えたウィリアムスは、以下のように言っています。 「一連の犯行を支えているかに見えた『黙示録』の図式を追って、私はホルヘにまで辿り着いたが、それは偶然の一致にすぎなかった。すべての犯罪に一人の犯人がいるものと思い込んで、私はホルヘにまで辿り着いたのだが、それぞれの犯罪には結局、別の犯人がいるか、誰もいないことを発見したのだった。邪悪な知能に長けた者の企みを追って、私はホルヘにまで辿り着いたが、そこに何の企みもなかった。」(371頁) 【目次】 第四日  讃課/一時課/三時課/六時課/九時課/晩課/終課/終課の後/深夜課 第五日  一時課/三時課/六時課/九時課/晩課/終課 第六日  朝課/讃課/一時課/三時課/三時課の後/六時課/九時課/晩課と終課のあいだ/終課の後 第七日  深夜課/深夜課 最後の紙片 解説  河島英昭  一、作者と作品の構成/二、物語の舞台/三、正義と異端の争い/四、書物の書物  /五、徴から記号へ/六、削除された物語/七、小宇宙―迷宮と薔薇 付記 ☆関連図書(既読) 「薔薇の名前(上)」ウンベルト・エーコ著・河島英昭訳、東京創元社、1990.01.25 「ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』」和田忠彦著、NHK出版、2018.09.01 「ウンベルト・エーコの文体練習」ウンベルト・エーコ著、新潮文庫、2000.09.01 (2020年3月1日・記) (「BOOK」データベースより)amazon 中世、異端、「ヨハネの黙示録」、暗号、アリストテレース、博物誌、記号論、ミステリ…そして何より、読書のあらゆる楽しみが、ここにはある。全世界を熱狂させた、文学史上の事件ともいうべき問題の書。伊・ストレーガ賞、仏・メディシス賞受賞。

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2019/10/08

分厚い単行本で上下巻、しかもすごい重厚な内容…ドッと疲れました。それにしても、やっぱりこれは、ミステリというか文学でした。教皇に法王、経典に関する色んな解釈、などなど、諸事情にある程度通暁していないと、本当の意味での背景には辿り着けない。真犯人は意外な人物だし、その方法もなるほど...

分厚い単行本で上下巻、しかもすごい重厚な内容…ドッと疲れました。それにしても、やっぱりこれは、ミステリというか文学でした。教皇に法王、経典に関する色んな解釈、などなど、諸事情にある程度通暁していないと、本当の意味での背景には辿り着けない。真犯人は意外な人物だし、その方法もなるほどって感じなんだけど、ミステリとしてだけ読むなら、この長さは要らない訳で。サラッとミステリに慣れた(毒された?)頭には、なかなか追いつけない気持ちが強いけど、読み切ったぜ的充足感は味わえました。映画も観てみたいかも。

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2019/10/07

★館長の本棚★小林図書館長推薦 ★SIST読書感想文大賞2019 推薦図書★ 推薦者コメント 主人公修道士ウイリアムが巨大な図書館を有する中世の修道院に到着するところから話は始まる。殺人事件が起こり、その事件の謎解きに、ワトソン君にも擬せられる若い修道士アドソも参加して話は展開す...

★館長の本棚★小林図書館長推薦 ★SIST読書感想文大賞2019 推薦図書★ 推薦者コメント 主人公修道士ウイリアムが巨大な図書館を有する中世の修道院に到着するところから話は始まる。殺人事件が起こり、その事件の謎解きに、ワトソン君にも擬せられる若い修道士アドソも参加して話は展開する。中世と言いながら、何時の時代でもある「時代」が切り取られたような、すばらしい小説である。 【所在・貸出状況を見る】 https://sistlb.sist.ac.jp/opac/home/result/ja?q=448801352X&target=l

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2019/09/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019.3.20 読書会 中世、異端、「ヨハネの黙示録」、暗号、アリストテレース、博物誌、記号論、アンチミステリ… 「虚無への供物」と似た印象。いろんな要素が錯綜する展開と、アンチミステリなところが。 しっかり本格ミステリ。複雑で読み応えあり。

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2019/03/21

中世イタリアの修道院で起きた連続殺人事件。事件の秘密は知の宝庫ともいうべき迷宮の図書館にあるらしい。記号論学者エーコがその博学で肉づけした長編歴史ミステリ。

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2019/01/25

まず極論的な自論を述べれば、ミステリという薄いコーティングを施した糞長く退屈な「教養小説」であり、キリストの教義やあらゆる差別/横暴が罷り通ったヨーロッパ中世史に興味が無ければ、全く面白みのない作品である。 物語は、中世イタリアの修道院を舞台に「ヨハネの黙示録」の予言通りに起こ...

まず極論的な自論を述べれば、ミステリという薄いコーティングを施した糞長く退屈な「教養小説」であり、キリストの教義やあらゆる差別/横暴が罷り通ったヨーロッパ中世史に興味が無ければ、全く面白みのない作品である。 物語は、中世イタリアの修道院を舞台に「ヨハネの黙示録」の予言通りに起こる連続殺人事件の発端から解決までを〝仮〟の主軸とするが、探偵役の修道士ウィリアムが冴え渡る推理を披露するのはごく僅かだ。しかも殆ど後手に回り、死体の数だけが増えていく。〝本格物〟の定式通りと言えばそれまでなのだが、「フォーマットは古典的なホームズ/ワトソンの探偵コンビ」という謳い文句を信じ、謎解きのスリルが堪能できると軽く考えていれば痛い目に合う。そのモチーフが純粋に味わえるのは、物語の出だしとなる本筋に全く関係のないエピソードのみで、以降はひたすらに〝待機状態〟となる。 一般読者にも受け入れやすくするためにミステリの要素を取り入れたというのが執筆時の構想なのだろうが、謎解きのパートは本作に於いて骨休めでしかなく、その圧倒的な分量を占めるのは中世キリスト教の碩学エーコによる膨大な講釈である。 果たして何を本筋/テーマとしたのかも曖昧なのだが、大半がキリスト諸会派による清貧論争、異端審問を巡る暗黒史の薀蓄と注釈で、それらを構成が破綻する限界まで捩り込んでいる。小説としての形式上、雑多な登場人物らの台詞や語り手の独白として、多少は読みやすくはしているものの、如何せん整理し切れておらず、〝無教養な読者〟は置き去りにしたまま、幾層にも渡るペダントリーで塗り固めている。 俗世とは壁を隔てながらも、より一層俗物化した聖職者らの狂宴と醜態。物欲や性欲を禁じたとする「教義」を都合の良いように解釈し、意見を戦わせる排他主義者らの傲慢。本作は、時の権力者と結託し、貧富と差別をさらに拡大させ、魔女狩りなどの馬鹿げた妄想を生み出す根源的な要因が、権力を手中にした慈愛とは無縁の者どもにあることを再認識させる。だが、物語の中で延々と繰り返される議論は、不毛で空虚、実像は不明の「救世主」を巡る茶番としてしか感じられなかった。 深読みをすれば、聖職者らの閉じた世界を徹底して茶化しているとも受け取れるのだが、無神論者がどう批判しようが的外れにしかならないだろう。 退廃的な終幕に至ってようやく「ロマン」としての体裁を整えてはいるが、残念ながら、本作を切っ掛けに知的探求の旅に出ようという思いには至らなかった。本作は「メタ小説」としての構造も持つらしいが、所詮はあれやこれやと捏ねくり回して読者を煙に巻くだけの小手先の技巧であり、結果的に物語自体の強度を弱めていると感じた。 1980年発表以降、世界中でベストセラーを記録し、日本でもいまだに売れ続けているのだが、果たして何割の読者が上巻で挫折せずに読み終えただろうか。普段小説を読まない者が安易に手を出せば、序盤で即効躓くだろうし、何があっても読了するという覚悟がいる厄介な代物だ。 本作について「大絶賛できるほどの教養を持つ識者」の評を幾ら読んでも、何一つ共感出来なかった私は、言うまでもなく読み手として〝不的確〟だったことは間違いがない。しかし、「難解」という大方の評価は当然としても、内容は理解できないが多分「高尚」なのだろう、という哲学/思想書の類と同じ勘違いに陥っている向きには脱力する。いわば、本作は「学者が書いた小説」に過ぎず、数多のランキングで首位となる〝格付け〟が妥当だと納得することなど到底できない。たたでさえ読まれなくなった海外ミステリを根絶させようという魂胆でもあるのだろうか、と勘ぐりたくなるほどである。 解説を主とする関連書が多く出版されているが、或る種の研究/考察の対象となり、全体を読み解くために必須となる時点で、娯楽性が低いことを証明している。 最後に、飜訳の出来が悪いという批判もあるようだが、この凄まじい衒学の塊ともいうべき難物に挑み、ある程度読者の便宜を図ろうと苦慮した翻訳者の熱意にだけは頭が下がる。

Posted byブクログ

2019/01/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前から気になっていたので、年始までに読みきろうとチャレンジ。上下巻で800頁。途中何度もくじけそうになった。一応、読み切ったが、中世の歴史、社会、国家と宗教の関係、記号学、特にキリスト教についての相当な知識を持っていないと、一回で読了したという気持ちにはなれないと思う。「全世界を熱狂させた文学史上の事件ともいうべき問題の書」と帯にあるが、ぴんとこなかった。ミステリーとして、ページを捲るワクワク感を、強く感じられなかった。文中に、様々なキリスト教、例えば聖書にまつわる引用、他の本との暗喩、隠喩があるのだが、多少の知識はあるものの背景もわからないでの、ちょっとお手上げだった。だからこの本の深みに入れないかったのかもしれない。一つだけ読後思ったのは、異端という言葉の意味、この本の中では異端=悪である。現代でも、他者と区別するために使われるが、自分は異端であることが嫌いではないので、どうも好きになれない。自分にとって中世は、基本的に暗いイメージがあるが、それはキリスト教の各宗派間の一種の戦争が、深い影を落としているのではないだろうか。同質である事を人は本能的に望む傾向があると思うが、(異端)人と違う事で、区別や差別を受けない社会の方が望ましいのではないかと思う。

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2023/03/15

2018/12/26 詳細は、こちらをご覧ください。 『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1186.html 2018/10/1 追記 今この本が話題になっているのかなぁ 2006年の...

2018/12/26 詳細は、こちらをご覧ください。 『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1186.html 2018/10/1 追記 今この本が話題になっているのかなぁ 2006年のブログ記事にアクセスがあった!   『ダ・ヴィンチ・コード と 薔薇の名前』~ パそぼのあれこれフリーク:Part2 URLは ⇒ https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/e/cac2c1dbb2c313289f522abbd1b2291a   これを機会に、また読んでみるのもいいね! 2016/11/1 追記 著者のウンベルト・エーコ氏が 無くなったとのこと。 2月19日、『薔薇の名前』を始めとする数多くの記憶に残る作品の著者が、ミラノで息を引き取った。84歳。 彼の最後の反骨の行動は、出版社「テーセウスの船」の設立だった。 2009/7/6 記 映画もおもしろかった!  

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