ポスト・モダンの親鸞 の商品レビュー
「現場なき教学」と「教学なき現場」という当時の(現在も?)本願寺教団が抱える問題に大胆にメスを入れた1冊です。行きつけば教団解体論にも発展しかねない真宗Pと、「与奪の理論」で民俗宗教性を持つ門信徒に働きかけようとする真宗Cの対比はとても興味深かったです。 私自身、頭でっかちなとこ...
「現場なき教学」と「教学なき現場」という当時の(現在も?)本願寺教団が抱える問題に大胆にメスを入れた1冊です。行きつけば教団解体論にも発展しかねない真宗Pと、「与奪の理論」で民俗宗教性を持つ門信徒に働きかけようとする真宗Cの対比はとても興味深かったです。 私自身、頭でっかちなところがあるので真宗Pに傾倒しがちな傾向はあったのですが、歴史的に人々の心を抱え込もうとしたC的な取り組みの力については再評価させられる内容でした。 後半は、心理学者である金児曉嗣先生による住職・門信徒の量的研究でした。内容を細かく述べることはここでは控えますが、極めて示唆に富む結果・考察だったと感じます。 これまた、真宗の問題を考える上で色あせない価値を持つ貴重な1冊です。
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