石原莞爾のすべて の商品レビュー

仲条立一,菅原一彪【編】

2017/01/21

１９８９年刊。石原莞爾シンパの石原礼賛本。石原の思考・行動が如何に生み出され、いかな帰結を迎えたか。これが判る叙述なら一方的提灯記事でも意味はあるが、本書はそこまで至らず。特に、予備役編入後の行動は？。救国和平の｢東亜連盟運動｣に邁進したようだが、そこでの具体的行動や社会的影響は不明(社会的影響がなかったのかも)。まして、彼の意図はなお不明で、その意味では残念。ただ、石原が第一次大戦敗戦後の混乱した独で生活していた点は事後の思考形成の上で重要かも。石原が米国に滞在したらというｉｆは興味をそそる。