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江戸東京のみかた調べかた の商品レビュー

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2022/01/26

江戸東京の街は、不思議のワンダーランドだ。いろいろなテーマパークがあり、人々を引きつける。 今回の本は、「秋のホンまつり」で偶然見つけた古本だが、今読んでも面白い。 著者は江戸東京を「双六都市」と称している。江戸時代に名所双六があり、 江戸の各地を遊びながら知るこ...

江戸東京の街は、不思議のワンダーランドだ。いろいろなテーマパークがあり、人々を引きつける。 今回の本は、「秋のホンまつり」で偶然見つけた古本だが、今読んでも面白い。 著者は江戸東京を「双六都市」と称している。江戸時代に名所双六があり、 江戸の各地を遊びながら知ることができた。明治に時代が変わっても「名所の集積、場所の連鎖として都市を捉える発想」は変わることがなかったと述べている。 渋谷と言えば先週の「ブラタモリ」で道玄坂やスクランブル交差点などを取り上げていた。渋谷の特徴はスクランブル交差点から道玄坂の高低差だが、渋谷の街の他の特徴もある。 それは時代ごとに渋谷の顔となる所が全時代の中心とは別の場所で花開くことだった。かつて花街として知られた円山町花街、そして百軒店(ひゃっけんだな)、渋谷センター街と移ったが、渋谷の中で収まっていたので、渋谷が色あせることはなかった。 その渋谷でも一歩奥に入ると違う空間が広がっている。「喫茶店の空間人類学」で渋谷にある「ライオン」を取り上げている。百軒店は、関東大震災から立ち上がっていた時期に、計画的に作られた一画で、ミニ歓楽街だった。 現在のライオンの建物は戦後に元の建物をまねて立て直した。著者は「閉ざされた個人の内面世界に籠もることのできる場が、きわめて都市的な喫茶店という形をとって現れたのが興味を引く」と述べている。 渋谷をはじめとして都内各地で再開発が進んでいる。10年たったらどんな東京になっているのか興味がわいてくる。

Posted byブクログ