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父親 の商品レビュー

3.6

10件のお客様レビュー

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不倫した娘とその娘を…

不倫した娘とその娘を見守る父親…。父親って、切ないもんなんだなぁとしみじみしちゃいます。ふつふつと不倫相手の男に怒りがわくあたり、読んでいるほうも父親になっているのかな、なんて思ってしまいました。不倫に悩んでいる女性にも読んでもらいたいです。

文庫OFF

2023/07/14

56歳の石井菊次は、娘の純子や会社の部下たちに「けじめ」を説く、戦前世代の頑固一徹な性格の男です。彼は、新商品の香水の開発に力を注いでいましたが、社内の何者かがライヴァル会社に新商品の情報を漏らしたことが明らかになり、さらに社内の権力闘争に巻き込まれて、しだいに嫌気がさしてくるよ...

56歳の石井菊次は、娘の純子や会社の部下たちに「けじめ」を説く、戦前世代の頑固一徹な性格の男です。彼は、新商品の香水の開発に力を注いでいましたが、社内の何者かがライヴァル会社に新商品の情報を漏らしたことが明らかになり、さらに社内の権力闘争に巻き込まれて、しだいに嫌気がさしてくるようになります。 スタイリストの仕事をしている純子は、実業家の宗という男からプロポーズを受けます。彼には妻子がありましたが、すでに別居状態になり、まもなく離婚して純子といっしょになりたいというのです。純子は彼の思いにこたえる決意をしますが、そのことを知った菊次は怒り、純子は家を飛び出して一人暮らしをはじめます。 宗の妻は、学生時代の菊次が淡い恋心をいだいていた、山内節子という女性の娘でした。彼女は安西という男と結婚し、菊次と彼の友人の大橋の二人の恋は実らぬままに終わりましたが、思いもかけず菊次は節子と再会し、しかも彼の知らないうちに進行していた複雑な人間関係に嘆息します。 戦中世代の父と戦後世代の娘の葛藤というテーマをえがいた小説です。登場人物の心理はやや紋切り型ではあるものの、たのしんで読むことができました。

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2022/10/20

結局、けじめは他人を傷つけることによって自分に生まれる罪悪感を生じさせない為のものなのかなと。それを取るか、どうなろうと自分の幸せを取りに行くのか、そこが集団思考か、個人思考かの時代における変化だと思う。内容的には割とサクサク読めた。

Posted byブクログ

2018/09/30

まぁ普通の小説と言いますか何と言いますか。 当方の勝手な感想ですが、この作家は分かりやすい構図を好んでいるようです。そこは全く問題ないけれども、そこから如何に曖昧さを描きこむかがその小説の質に繋がるんだと思います。残念ながら、本作は分かりやすいままに終始しているかなぁ。 世代の感...

まぁ普通の小説と言いますか何と言いますか。 当方の勝手な感想ですが、この作家は分かりやすい構図を好んでいるようです。そこは全く問題ないけれども、そこから如何に曖昧さを描きこむかがその小説の質に繋がるんだと思います。残念ながら、本作は分かりやすいままに終始しているかなぁ。 世代の感覚の違い、それは間違いなくあるんでしょうが、そこで留まっているだけではなぁ、、、

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2012/06/05

59点。不倫の恋におちた娘と、娘の恋愛により傷つく父親という孤独で哀れな存在を切々と描く。うちの親父がこの本にハマったらしい。 戦中派の私の価値観はこう。そして君ら世代の価値観はこう。みたいな世代論で輪切りしようとする父親が、娘に対してこのように言う。 君ら世代の最大の弱点は自分...

59点。不倫の恋におちた娘と、娘の恋愛により傷つく父親という孤独で哀れな存在を切々と描く。うちの親父がこの本にハマったらしい。 戦中派の私の価値観はこう。そして君ら世代の価値観はこう。みたいな世代論で輪切りしようとする父親が、娘に対してこのように言う。 君ら世代の最大の弱点は自分の考えだけが正しいと思い込む点だ。自分勝手な正しさのために引き起こされる他人の迷惑や悲しみをまるで考えもしない、と。戦中派の父親世代はそうではなく、道義的な責任を重んじ、必要とあらばけじめをとるんだそう。だから不倫などは論外だと言う。 対して娘は、自分の幸せのためには多少他人を不幸せにしてもいいじゃない。好きな人と幸せになる方が大事。と反論する。 じゃあ現代思想世代(!?)の自分としてはどうかといわれたら、そこに正しさなんてないし、正しいとするその正しさを導く正しさなんて見当たらないと考える。自分の意志に忠実なのはいいけれど、自分の意志ってなんですか、みたいな。 他人に対して責任をとるというのもどこまでが責任なのかわからなければ、とったといって取りきれるもんだとも思えない。そもそも誰かを不幸にしない生き方があると思うのも傲岸不遜な態度だと思う。父親みたく己の守備範囲を自分で決めるのだって傲慢じゃねーかよ、と。 他人の悲しみを想像せよ、という筆者の倫理観の根底にあるのがキリスト教的な隣人愛だとしたら、 それはちょっと違う気がして。ルカ14章26節的には隣人愛とは家族を捨てることを意味し、隣人とは家族ではなくむしろどうしようもないようなやつのほうだ。 つまり恋人や家族を愛するのは自然感情であってそれ自体がエゴイスティックな振る舞いでしかない。父親だって利己的なのだ。父親から漂うどうしようもない哀愁は本来そういったところから生じると思うんだけど、どうもストーリーがあまりに、あまりに単純明快すぎて、そりゃないぜ、みたいな。キリスト教の論理をもっと突き詰めた考えさせられる内容ではなかった。まぁ、そんなこといったら姦通罪は重罪なんだけどもさ。

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2012/01/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

考えさせられました。 父親とは。 娘とは。 教育とは。 けじめとは。 仕事とは。 読後の爽快感はあまりなかったのですが、娘視点からの父親、父親視点からの娘、マネージャー視点からの部下、部下視点からのマネージャー等を俯瞰的に疑似体験できたと思います。

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2011/04/21

父親の感情が伝わってくる。 よくある話ですが、それぞれの心がよくわかりさずが遠藤周作先生だと思う。

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2010/08/15

不倫の恋におちた娘と、戦争を生き抜いた父親との関係。「けじめ」を信条とする父親は娘の不倫に深く傷つき『父親』という存在を考える。 なんだろ、泣けた。周りが見えなくなってしまって妻子ある人との恋愛に走ってしまう娘の気持ちもわかるし、それを許せない父親の気持ちもわかる。

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2010/01/23

けじめ。そして、善魔。 父と娘のそれぞれの想いがとてもよく伝わった。きっと、今の自分だからこそ余計に感じる部分が多い気がする。学生時代の自分だときっとこれほど印象に残ることはなかったと思う。 自分の道を突き進めば進むほど見えなくなる身近な人のこと。身近な人、そしてその周りの人たち...

けじめ。そして、善魔。 父と娘のそれぞれの想いがとてもよく伝わった。きっと、今の自分だからこそ余計に感じる部分が多い気がする。学生時代の自分だときっとこれほど印象に残ることはなかったと思う。 自分の道を突き進めば進むほど見えなくなる身近な人のこと。身近な人、そしてその周りの人たちのことを大切に思いながら、生きて行きたいと思った。

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2009/10/04

6点 遠藤周作の隠れた名作です。主人公の父親はとにかく娘が心配。何てったって娘の彼氏は妻子もち。この時点で「ありそうな設定だよな」って感じですが、なんだかお父さんの味方したくなるんですよね、男って。「何で父親の言うことが分からんかなあ、この娘は・・」って何度も突っ込みいれてまし...

6点 遠藤周作の隠れた名作です。主人公の父親はとにかく娘が心配。何てったって娘の彼氏は妻子もち。この時点で「ありそうな設定だよな」って感じですが、なんだかお父さんの味方したくなるんですよね、男って。「何で父親の言うことが分からんかなあ、この娘は・・」って何度も突っ込みいれてました。女性が読んだらどう思うんでしょうね?「こういう父親はイヤ!」っていうのかな?

Posted byブクログ