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雑談の夜明け の商品レビュー

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2011/07/21

日本を代表する詩人西脇順三郎の随筆集。 序盤は随筆ではなくて一つの詩作ともいうべき難解さ・抽象さがあり面喰ったが徐々に詩論的随筆に変わっていく(序盤の数章は詩集に入れてもいいような気がした)。 ただ自分自身に古典的・漢文的教養が欠けているため、古事記や古今和歌集、漢詩などの西...

日本を代表する詩人西脇順三郎の随筆集。 序盤は随筆ではなくて一つの詩作ともいうべき難解さ・抽象さがあり面喰ったが徐々に詩論的随筆に変わっていく(序盤の数章は詩集に入れてもいいような気がした)。 ただ自分自身に古典的・漢文的教養が欠けているため、古事記や古今和歌集、漢詩などの西脇的評論を感受できたかといえば非常に厳しいものがあった。 が、その文体は柔らかく非常に読み易くて、とっつき難さはあまりない。 これを読むと西脇順三郎は随分とマラルメに影響を受けているのが分かる。 やはり現代詩を語る上で外せないのだけど、漢詩にまでマラルメ的な思想を読み取っているのは興味深い。 マラルメを再読し、マラルメ論を読み、それから西脇詩を再読するとまた印象が変わるのだろう。 このレビューを書いている現在、講談社学術文庫版はアマゾンのマケプレにも日本の古本屋にもない状態の希少本らしいので運よく手に入れた自分は幸運だったと思う。

Posted byブクログ