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2009/10/04

なんともスケールのでかいおとぎ話のような、でもパキスタンの政治形態を風刺したような作品でした。三人の魔女と呼ばれた不気味な三姉妹の息子として生まれたオマル・カイヤーム、恥を感じた時におびただしい熱を発するスーフィア・ゼノビアなどどこか異国のおとぎ話に出てきそうなキャラクターが出て...

なんともスケールのでかいおとぎ話のような、でもパキスタンの政治形態を風刺したような作品でした。三人の魔女と呼ばれた不気味な三姉妹の息子として生まれたオマル・カイヤーム、恥を感じた時におびただしい熱を発するスーフィア・ゼノビアなどどこか異国のおとぎ話に出てきそうなキャラクターが出てくるその他方で実在の人物毛沢東が出てきたりパキスタンがインドから独立するなどの史実があったり……フィクションとノンフィクションが入り交じっているのだけれどそれが不自然じゃないのがすごい。広大なお話なのだけど語り手である作者がガイドしながら物語の中に連れて行ってくれるような構造となっておりそれがすごく読みやすい。だから大河ドラマなので最初から最後までだらだら話が続くのじゃなくタイムシフトの技巧でもって急に未来の描写になったりするので「なんでこういう風になったん?」と因果関係を気にしながら読めるのが良いのです。

Posted byブクログ