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はじめての構造主義 の商品レビュー

4.1

161件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2023/02/25

同じく構造主義に関する基礎的事項の説明がある『寝ながら学べる構造主義』(内田樹)を最近読んだためどうしてもそちらとの比較論になりがちなわけではあるが, 極力目を瞑ってほしい ちなみに結論から言うと解りやすさと話題の広範さについては『はじめての構造主義』が勝ると感じた まずは数学...

同じく構造主義に関する基礎的事項の説明がある『寝ながら学べる構造主義』(内田樹)を最近読んだためどうしてもそちらとの比較論になりがちなわけではあるが, 極力目を瞑ってほしい ちなみに結論から言うと解りやすさと話題の広範さについては『はじめての構造主義』が勝ると感じた まずは数学, 何よりも数学, 構造主義を論ずるには数学は不可欠なのだ 本著ではユークリッド幾何学以降のさまざまな幾何学を位相変換の概念なども交えながら, 簡単に紹介しただけではあるが個人的には大変刺激的であった 対してそのような内容は内田氏の書著では全く触れられておらず, 私自身も数学がこれほど密接に現代思想に関わっているのかと面食らってしまった 加えて, 当時の西洋思想家たち(レヴィ=ストロース,サルトル,フーコーetc...)の数学的/自然科学的素養のレベルの高さを鑑みると, 改めて日本の哲学及び(経済学などを除いたゴリゴリの)文系の学者における数学的/自然科学的素養の欠如を思い知らされた 思想の入門書というものは得てして、その主張や歴史的立場の説明に注力してしまうものだが, 本書は「ソシュールの恣意性原理」, 「ヤーコブソンの二項対立原理」等, 一見無関係にも思える言語学の変遷について論じられている それらの事柄がいかにレヴィ=ストロースの構造人類学及びのちの構造主義に多大な影響を与えたかについてある程度(ホントに, ある程度, すんなりはわからねぇよ)理解することができた 一方の神話分析に関してはレヴィ=ストロースのそれと同様、あまりにも再現性が低くちょっとやそっとでは初歩的理解さえままならなかった 第四章『構造主義に関わる人びと ほんのスケッチ』もとても魅力的だ 彼らの主張を一つ一つ説明しているわけではないが(不可能だと思う), フーコーやアルチュセール, デリダらがどんな人間であるかについて, ほんの一欠片ではあるがまさに「スケッチ」的に描かれている 最終的には当時の日本の思想に対する批判になってしまっていたが、その痛烈な批判もこの国の本質を言い当てており思わず唸ってしまうものだった 遥か彼方の未来, 構造主義が完全に過去のものとして葬られた時, まだこの日出る国が残っていたとしてもその国民はおそらく1960〜1980年代と同じように流行り物に飛びつくだけの中身のない雑食動物となるだろう...

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2023/02/08

構造主義を理解したかといえばまだそうとも言えないけれど、好奇心をくすぐられて一気に読めたのは確か。歴史や数学とのつながりはたいそう面白くかった。

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2022/08/15

レヴィストロースのバックボーンも含めた傑解説書 おそらくそれまでもあった、一部の人々の精緻な世界の見方を「構造主義」として体系化したことのインパクトは、今では想像できないがおそらく相当なものだったと思う

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2022/07/20

馬鹿でもうっっすら分かったような..気がする..? 言語学ぽいと→恣意的に区切った時に見つけられる二項対立の束 数学っぽいと→置き換え可能なもの集合の中に見られる、不変の共通項

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2022/06/17

構造主義とはなんだろう?という疑問を持ったので読んでみた。ざっくりと構造主義に関して骨組み的な知見が得られたように感じる。が、同時にまだまだ足りないのでやはり勉強をしなければならないな、とも思う。

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2022/05/05

内田さんの方がわかりやすい。 とりあえずレヴィ=ストロースの考え方がどのように生成されていったのか?をまとめた本。 数学や視点の話などがあり、面白かった。

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2022/02/02

構造主義、まだよくわかりません。 しかし構造主義について知りたいなら読んで正解だったと確信はしています。ブックリストもついてるし、何より興味を持たせるという意味で優れているなぁと。 なんとなく腑に落ちそうなんだよな、自分の理解があと一歩な感じ。 とにかく関連書物を読んでいこうと思...

構造主義、まだよくわかりません。 しかし構造主義について知りたいなら読んで正解だったと確信はしています。ブックリストもついてるし、何より興味を持たせるという意味で優れているなぁと。 なんとなく腑に落ちそうなんだよな、自分の理解があと一歩な感じ。 とにかく関連書物を読んでいこうと思います。 次は→町田健 「ソシュールと言語学」

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2021/10/15

自民族中心主義の色眼鏡があることの意識を促し、それを取り払う助けとなる思想が構造主義だと理解した。競争社会に身を置く、我々現代人にとって一読すべき価値ある本だと感じた。

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2022/10/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

橋爪大三郎著「はじめての構造主義(講談社現代新書)」(講談社) 1988.5.20発行 2021.8.31読了  1988年に刊行された講談社現代新書のベストセラー。ずいぶん前に買ってずっと読まずに放置していた。最近、田島列島著『水は海に向かって流れる』で、作者の田島列島さんがレヴィ=ストロースを読んでいたことを知り、家にあるそれ関係の本をひっぱり出してきて、あまり期待もなく読んでみたら、これがまた面白い! さすがに高校生には難しかろうと思うが、構造主義を知る上でまさに必読の書だと思う。  内容はほぼ100%、構造主義の祖と言われるレヴィ=ストロースの解説で占められていて、まさに私にとって打ってつけだった。もちろん、その思想の土台部分にあるソシュールの紹介も忘れていない。意外だったのは、レヴィ=ストロースが代数学から多くの影響を受けていたという点だ。文化人類学と現代数学が影響しあっているだなんて不思議なこともあるものだ。構造主義は一種の方法論だけれども、一体何が何の分析に役立つかなんて実際試してみないと分からないものだ。この世界は意外なところで変に繋がりあっている。  非常に有意義な読書タイムだった。 URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000001923397

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2021/09/13

そもそも構造主義がわからないゼロからの状態だったので、全部知ったときそんなことか、と思った。 が、言っていふことはかなり高度でこの本は構造主義がどのようにしてできたのかを詳しくのべている。 構造主義の応用、活用というよりかは「どんなものか」が述べられている。

Posted byブクログ