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はじめての構造主義 の商品レビュー

4.1

161件のお客様レビュー

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    47

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/01/30

Podcastから知った橋爪大三郎先生。 ご著書を読むのは2冊目。 先日読んだ川原繁人先生の巻末で対談されていたが、その際、川原先生が高校生時代に読んで影響を受けたとお話していたのがこちらだった。 今回、読書会で借りる本を物色していたら奇しくも出会えたので諸手を挙げて喜びいさんで...

Podcastから知った橋爪大三郎先生。 ご著書を読むのは2冊目。 先日読んだ川原繁人先生の巻末で対談されていたが、その際、川原先生が高校生時代に読んで影響を受けたとお話していたのがこちらだった。 今回、読書会で借りる本を物色していたら奇しくも出会えたので諸手を挙げて喜びいさんで借りて帰った。 数年前に某大学の講師の方が紹介して置いて行ったらしい。ありがたや…。 さて、構造主義やら、レヴィストロースやら、こちらもまずはここ2、3年の間にPodcastからその存在を知ったクチ。 音声を聞いているだけではなかなか理解の難しい内容だったけど、 書籍だしね、 わかんないところは戻れるしね、 何より橋爪先生も「ちょっと進んだ高校生、いや、かなりおませな中学生の皆さんにも読んでいただけるように書いてみました」って書いてあるし、 たぶんいまいち難しかった構造主義について理解が進むぞー! と、思って読みはじめた。 …いや、普通にめちゃくちゃ難しい…。 橋爪先生の語り口がとても軽妙で、文章自体は読み易くて面白いんだけど、 だからと言って内容が易しくなるわけではないんだよな。 まあとりあえず、読了ホヤホヤの今言えることは、どんな学問も全て繋がってるんだということがここにおいても痛いほどわかった。 言語学も数学も社会学も宗教も哲学も、ありとあらゆる…、 世界を知ろう、真理を追求しようと思う知的探求はどのカテゴリーであっても、なんらかの影響を受けたり与えたりしながら存在している。 ぜんぶ繋がっている。 この事実が本当に面白いなぁ。 まあでもいきなり本から入るのはやはり相当難しかったと思うので、 Podcastから構造主義について入門するのは私にとっては良かったな。 (というかPodcastを聞いてなかったら手にもしてないと思うけど) ただ、どの書籍から入るのがいいかもし聞かれることがあるなら、間違いなくこちらをおススメする。 この先に進むための参考文献についてもちゃんと記してくれているので、大変親切で優しい本です。 橋爪先生のお茶目な語り口もツボります。

Posted byブクログ

2024/01/13

インタビューデータの質的分析は主観的にならざるを得ない.インフォーマントの語りも事実を語っているわけではなく主観に引きずられている.そのようなデータをどう分析すれば良いかと言う点で構造主義が関係してくる.というわけで,構造主義の超入門書を読んでいるが『はじめての構造主義』がとても...

インタビューデータの質的分析は主観的にならざるを得ない.インフォーマントの語りも事実を語っているわけではなく主観に引きずられている.そのようなデータをどう分析すれば良いかと言う点で構造主義が関係してくる.というわけで,構造主義の超入門書を読んでいるが『はじめての構造主義』がとてもわかりやすい. この本は数学や物理学と結びつけて「構造」を語っているのだが,客観的に存在する物体を見ている主観的な私(主体)との関係で世の中が見えていることを示していて,私(主体)の視点が異なれば客観的な世の中の見え方も変わること,その中で不変なのが構造であると言っている.ユークリッド幾何学で記述できる我々の世界と,脳に投影されている射影幾何学の空間は数学的な変換で関連付けることができる.変換によっても不変なのが「構造」である.こういう説明を読んでなるほどと思った.

Posted byブクログ

2023/11/27

構造主義のこれ以上ない入門書。『寝ながら学べる構造主義』も読んだが断然こちらがオススメ。中高生のうちにこれを読んだ人が羨ましい。 第1部はレヴィ=ストロースの伝記とソシュール一般言語学の系譜。ここは他の本と大差ない内容だが、構造人類学の方法論の記述はかなり詳しい。本書は中高生向...

構造主義のこれ以上ない入門書。『寝ながら学べる構造主義』も読んだが断然こちらがオススメ。中高生のうちにこれを読んだ人が羨ましい。 第1部はレヴィ=ストロースの伝記とソシュール一般言語学の系譜。ここは他の本と大差ない内容だが、構造人類学の方法論の記述はかなり詳しい。本書は中高生向けに特別易しく書いてあるらしいが、橋爪大三郎の文章は本当に読みやすい。 そして本書の白眉は第2部、構造主義のルーツ。構造主義の入門書でよくあるのが、ヘーゲル→マルクス→サルトルの近代哲学の流れを概説した上で構造主義の革新性を説くもの。これも興味深いが、そもそも実存主義に至るまでの哲学の流れが非常に難解だし、ゴリゴリの哲学と言語学、人類学の対決というとどうにも話が噛み合っていない印象を受ける。本書の最もすぐれた点は、これとパラレルに展開する数学史(あるいは、西欧の知の歴史)の流れから構造主義を語るところだろう。 ここで下手くそな要約を垂れ流すのは無意味だろうから、是非とも橋爪先生の文章で読んでいただきたい。キリスト教の凋落に伴う科学の隆盛、中高レベルの数学・物理の成立史、そしてその根本を揺るがす非ユークリッド幾何学の登場、「数学は哲学」たる所以の現代数学。一つ一つの物語それ自体が冒険活劇のように面白く、それでいて構造主義の解説としてこれ以上なくピッタリくる。久々にこんなに面白い読み物に出会った。 すっかり説明してしまった後で「これまで構造主義を紹介した人びとは、ソシュール以来の言語学とのつながりを、少し強調しすぎていたようだ。」(185P)と締める。橋爪先生カッコよすぎます。 あまりにも良い本すぎて、中高生のうちに読んでいればと悔しい気持ちにさえなった。良い本の証だろう。 一方で、こんなにわかりやすく解説されてしまうと、なんだ構造主義ってたったこれだけのものなのか、という気にも。内田樹の方の本にも、そういえば現代社会で構造主義は当たり前になりすぎていてもはや意識されることは少ないとあった。 むしろ「たったこれだけの」考え方に衝撃を受けた近代主義の方が、今となっては驚きだろう。 橋爪先生はこういう感想までもお見通しなのか、あとがきには「もういちど近代主義にさかのぼっていくというのも、面白いんじゃないだろうか。」(230P)と。いやはや参りました。

Posted byブクログ

2023/10/28

 なんで読もうと思ったのか忘れてしまったが、構造主義について知りたかったのは確かだ。  構造主義とはなにかといえば、変換を通して不変の構造を見つける方法だと言えるだろう。ただし、細かい部分は本書を読んで欲しい。  参考図書にガードナーがピアジェとレヴィ・ストロースを並べた本が挙が...

 なんで読もうと思ったのか忘れてしまったが、構造主義について知りたかったのは確かだ。  構造主義とはなにかといえば、変換を通して不変の構造を見つける方法だと言えるだろう。ただし、細かい部分は本書を読んで欲しい。  参考図書にガードナーがピアジェとレヴィ・ストロースを並べた本が挙がっていた。ピアジェは子どもの発達を研究した心理学者だ。未開社会が文明社会に劣っていないのと同じく、子どもも大人に劣っていない。それを思うに、当時の西洋社会では権威の相対化とでも言える大きな流れがあったのだろう。他にもクライエント中心療法を研究したカウンセラーのロジャーズがいる。  ここからは私事だが、現在、社会福祉の勉強をしている。ピアジェもロジャーズも社会福祉向けの心理学に登場する人物だ。おまけに60年代の公民権運動に端を発するエンパワメントは社会福祉の分野では重要な概念だ。しかし、人類学者レヴィ・ストロースは登場しない。上記の概念を構造主義を中心とした大きな流れとして把握せず、小手先の技術として利用しようとしたことが日本の社会福祉の低迷の一因だと思える。

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2023/09/18

2023年9月17日読了。古典ラジオの構造主義の回で言及のあった参考資料を読んでみた。古典ラジオで内容を聞いていたせいか大学のゼミで構造主義を学んだ下地のおかげかはたまた著者の力量か、大変読みやすく構造主義のごく浅い部分についてと思うが理解できた。人間が自分の感覚で世界を理解しよ...

2023年9月17日読了。古典ラジオの構造主義の回で言及のあった参考資料を読んでみた。古典ラジオで内容を聞いていたせいか大学のゼミで構造主義を学んだ下地のおかげかはたまた著者の力量か、大変読みやすく構造主義のごく浅い部分についてと思うが理解できた。人間が自分の感覚で世界を理解しようとすると「未開社会は資本主義社会に進化すべき」「この世には理想の『イデア』があり万物はそこに向かう」「唯一神がすべてをデザインした」という考え方に陥りがちだがそうではない・あらゆるものの構造を理解することでその価値や機能は相対化できるのだ、とする考え方が構造主義なのだな…現代に生きる我々からすると当たり前ともいえる考え方だが、これを生み出したレヴィ=ストロースの仕事はものすごい人類史上の快挙だと思う。

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2023/07/25

カジュアルな文体で読みやすいが、意図的にやっているにしろ脱線が少し多いように感じた。 構造主義への理解は深まったと思う。 特に最後尾に記載されていた通り、思想は批判の積み上げなのだから、それ以前の思想も把握していないと完全に理解できないのに、日本においては、海外の最新の思想を「流...

カジュアルな文体で読みやすいが、意図的にやっているにしろ脱線が少し多いように感じた。 構造主義への理解は深まったと思う。 特に最後尾に記載されていた通り、思想は批判の積み上げなのだから、それ以前の思想も把握していないと完全に理解できないのに、日本においては、海外の最新の思想を「流行」として断片的に取り入れるモダニズムの延長が根付いているために、構造主義やマルクス主義といった思想について深く理解がなされない、というのは強く感じる点だった。

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2023/06/19

む、ムズい……。 特に数学に関する部分は文系の私にとってはジャングルの道なき道を分け入っていくような辛さでほとんど理解できなかったが、ヨーロッパの超頭の良い数学者たちが2000年かけて導いた理論を、オーストラリアの“未開”の原住民たちがとっくの昔から使っていたという話にはとても感...

む、ムズい……。 特に数学に関する部分は文系の私にとってはジャングルの道なき道を分け入っていくような辛さでほとんど理解できなかったが、ヨーロッパの超頭の良い数学者たちが2000年かけて導いた理論を、オーストラリアの“未開”の原住民たちがとっくの昔から使っていたという話にはとても感動した。

Posted byブクログ

2023/05/06

わかりやすいけど、マルクス主義が何かを事前知識として入れとかなきゃいけない。いわゆる歴史(ヨーロッパ史)至上主義的なのに限界を感じて生まれたのが構造主義なのか。自文化を相対化し、異文化を深く理解する方法論。これに尽きるかなと。 橋爪さんの本ははじめてだったけど、文体に可愛げのあ...

わかりやすいけど、マルクス主義が何かを事前知識として入れとかなきゃいけない。いわゆる歴史(ヨーロッパ史)至上主義的なのに限界を感じて生まれたのが構造主義なのか。自文化を相対化し、異文化を深く理解する方法論。これに尽きるかなと。 橋爪さんの本ははじめてだったけど、文体に可愛げのある正直さとユーモアのある表現が隠れていて、読んでいてクスッと笑えた。ポスト構造主義と構造主義の繋がりとか、すごく言葉を噛み砕いて説明してくれるからありがたい。

Posted byブクログ

2023/04/15

初めて構造主義を知るにはとてもちょうどよかった。構造主義にも、構造主義以前の思想にも、構造主義よりあとの現代思想にも、自分なりの思想を作ることにも、興味を持てるようなつくりになっていた。

Posted byブクログ

2023/03/07

分かりやすいとは言っても読めばすぐ分かるものではないので、何度も読んで理解を深めたい。 ただ構造主義を理解する上で、数学を取り入れる事はなるほどと感じた。

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