古典籍の奔流横溢 の商品レビュー
終戦直後三年間の著者の活動記録。戦後の混乱で多くの名家の文庫や大蒐書家の蔵書が流出する。一章一節ごとにあっと驚くような資料の取引が記され、最後まで大興奮のうちに読み終えた。古典籍が好きな人にはたまらない話が満載。一方でこうした大文庫の崩壊・流出には心が痛む。もちろん仕方ないことで...
終戦直後三年間の著者の活動記録。戦後の混乱で多くの名家の文庫や大蒐書家の蔵書が流出する。一章一節ごとにあっと驚くような資料の取引が記され、最後まで大興奮のうちに読み終えた。古典籍が好きな人にはたまらない話が満載。一方でこうした大文庫の崩壊・流出には心が痛む。もちろん仕方ないことではあるし、そのおかげで世に出た資料が多いことも確か。海外流出を招いた著者を批判する向きもあるが、貴重な古典籍を適切に評価し、その価値を認める人のもとへ届けて救ったことは評価されるべき事実。紙屑同然に扱われるよりよっぽどいい。
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