シネ・シティー鳥瞰図 の商品レビュー

池沢夏樹【著】

独特の視点でとらえた…

[文庫ＯＦＦ]

独特の視点でとらえた池沢夏樹流、映画批評本。「未知との遭遇」からうなりたくなるような渋いものまで、取り上げられた作品は多種多彩。

2015/06/12

この本の中で紹介された中で観たいと思った映画
「黒衣の花嫁」
「暗くなるまでこの恋を」
「ディーバー」
「バルカン超特急」
「暗殺のオペラ」
「ルナ」

気に入った箇所

ヘミングウェイの本で一番いいのは例えばこういうくだりである。「画家が死ぬと画布が消え失せ、作家が死ぬと、自動的に彼の書物が破棄されて、かって読んだ人々の記憶にのみ残るとかりに考えてみよう。これこそ闘牛の場合に起こることである」ーーこれはすばらしい。書いたものがあとに残らないとしたら、こんな喜ばしいことではないか。

僕も死ねば、インターネット上に書いた文書が自動的に抹消されれば死して恥をさらすことはなくなる。