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ドイツ貴族の明治宮廷記 の商品レビュー

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2016/12/15
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1988年(原本1904年)刊。 著者は元(お雇い)皇室式部官。訳者は静岡大学教授。  大日本帝国憲法公布に伴い皇室制度の改革と憲法適合性が求められる中、模範としたドイツ皇室の在り様を日本の皇室に反映させようとして急遽採用されたのが著者。  もっとも本書は、その宮廷改革の模様や議論に関して詳述しておらず、むしろ19世紀末の日本の模様(著者の好みは相当反映されているが)や、皇室の実像をドイツ国民に紹介する意味を持つ書のようだ。  実際、多く頁を割くのが日本の伝統文化(大阪の四天王寺、奈良の法隆寺に春日大社)。(あるいは京都の金閣、京都御所。滋賀の石山寺など)。富士などの自然も含まれるが、駕籠を激賞する等日本古来の文化に多くの価値を見出している。新嘗祭の叙述の豊富さもこれに相当しようか。  他方、例えば公使に親しく声をかけることが少なく、超然とした天皇の在り方(明治天皇個人の性格とは離れて)には、著者のやや冷ややかな目線を感じなくはない。  ともあれ、帝国憲法と宮中の関係を把握したいという意味ではさっと目を通せば十分じゃないかなと思える読後感。

Posted byブクログ

2013/03/13

20130305読み終わった 明治政府のお雇い外国人として1887年から1年間東京に滞在した筆者の日本体験記。天皇の位置づけや、政府の下に行われた欧化について、1904年にベルリンで執筆。日本の湿気が多すぎて体調を崩したという記述があり、環境への適応に苦労したようである。逆にドイ...

20130305読み終わった 明治政府のお雇い外国人として1887年から1年間東京に滞在した筆者の日本体験記。天皇の位置づけや、政府の下に行われた欧化について、1904年にベルリンで執筆。日本の湿気が多すぎて体調を崩したという記述があり、環境への適応に苦労したようである。逆にドイツでは日本人が乾燥と戦わねばならないのだが。1889年2月11日の憲法発布式の様子も記録されており、和田英作の絵画を思い出した。同日の森有礼殺害事件が並行して語られており、警官がその場で犯人の首をはねたというのに驚き!

Posted byブクログ