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死都ブリュージュ の商品レビュー

3.8

17件のお客様レビュー

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2012/10/17

・単純に筋だけ追うと大変めめっちいお話。 しかし情景描写、小道具の使い方、全体を覆う憂愁が凄まじい。 ・主役は町。 ・町について語ることが自分について語ることになるという回路の発見。 ・死にかけた町の中でジャーヌだけが生きている。町は彼女を放ってはおかないだろう。 ・衰微するもの...

・単純に筋だけ追うと大変めめっちいお話。 しかし情景描写、小道具の使い方、全体を覆う憂愁が凄まじい。 ・主役は町。 ・町について語ることが自分について語ることになるという回路の発見。 ・死にかけた町の中でジャーヌだけが生きている。町は彼女を放ってはおかないだろう。 ・衰微するものへの哀歌。

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2011/06/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

妻を亡くした男ユーグが出会った妻そっくりな女性ジャーヌ。劇場の踊り子であった彼女を愛人とし郊外の館に住まわせ通う日々。亡き妻の服を彼女に着せたことから変わる世界。彼の行動に批判的な目を向けるブリュージュの人びと。信仰心篤い使用人バルブの存在。母のような目で彼を諭すバルブ。昼食に招いた彼女との間の悲劇。 市川図書館  2011年6月10日読了

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2011/02/08

ずいぶん以前に出た限定版の本も持っています。 出ることを知って、当時のぼくにとっては高額でしたが、どうしても読みたくて、わざわざ通信販売で注文しました。 岩波文庫版は読み用に買いました。 訳者はおなじなので、おなじ内容でしょう。 福永武彦さんの「廃市」の発想の元になったとか聞い...

ずいぶん以前に出た限定版の本も持っています。 出ることを知って、当時のぼくにとっては高額でしたが、どうしても読みたくて、わざわざ通信販売で注文しました。 岩波文庫版は読み用に買いました。 訳者はおなじなので、おなじ内容でしょう。 福永武彦さんの「廃市」の発想の元になったとか聞いたこともあります。

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2011/07/19

ベルギー、ブリュージュ、フランドル……、私にとっては霧に包まれたような不思議な響きだ。ローデンバック(永井荷風によればロオダンバック)という名も(彼の同輩は、メーテルリンク、それともメーテルランク?)。歴史的・文化的にも複雑だから、と説明することもできるけれど、まずもって私には、...

ベルギー、ブリュージュ、フランドル……、私にとっては霧に包まれたような不思議な響きだ。ローデンバック(永井荷風によればロオダンバック)という名も(彼の同輩は、メーテルリンク、それともメーテルランク?)。歴史的・文化的にも複雑だから、と説明することもできるけれど、まずもって私には、この『死都ブリュージュ』のイメージが鮮明だから、かもしれない。"BRUGES-LA-MORTE" を『死都ブリュージュ』とするのは間違いだ、と、森茉莉が熱弁をふるっているけれど、私には、これでいい。この物語の主人公は(本書解説にもあるように)ブリュージュという「灰色の都」だから。そのためにも、30葉余の写真が「書割」として必要だったのだから。宿命とか、(本人たちもあずかり知らぬ)深い血のつながりによる恋の物語、どうしてこのように心をとらえて放さないのだろう、私は幾度、この本を開いては溜息とともに閉じただろう。「解説」によれば、荷風は、ロオダンバックとレニエを愛したとのこと、宜なるかな。同じく荷風先生による、掘割の都としての、ヴェネツィア、ブリュージュ、そして島原…、ああ、なるほど。

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2009/10/04

2008.3.22 一度失ったものは、そのまま思い出として胸にしまっておくべきですね。欲張ってはいけない。それはすべて虚構だから。

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2009/10/04

<amazonからの転記>大学の授業で何年か前に読みました。 象徴的な意味で、死ぬことなしには永遠という行為が得にくいこと、 永遠であり続けるには、死に続けるしかないということが感じられます。 死に続けるとは、時間を止めることなのか。 無彩色のまち、黒い塔、鳴り響く教会の...

<amazonからの転記>大学の授業で何年か前に読みました。 象徴的な意味で、死ぬことなしには永遠という行為が得にくいこと、 永遠であり続けるには、死に続けるしかないということが感じられます。 死に続けるとは、時間を止めることなのか。 無彩色のまち、黒い塔、鳴り響く教会の鐘、死したキリストを賛美する祭り。 動いているはずのお話の中のまちが、時間を止めるように描かれているのは、 まちを穏やかに死に続けさせるためなのかと思われます。 そして死に続けるまちは、ずっとユーグのものとなる。

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2009/10/04

亡き伴侶の象徴として死都として描かれるブリュージュの哀愁の情景が、とてもよいです。 ただ、なんといいますか・・・この終わり方は私にはあわなかったかな。これは好みの問題でしょう。

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