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日本人の英語 の商品レビュー

4.1

196件のお客様レビュー

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2019/06/02

大多数の日本人がわかっていないという「英語の論理」を丁寧に解説した本。『日本人の英語』というタイトルがついているが、その意味では『アメリカ人の英語』(イギリス人でもいいが)と言った方がいいのではないか。この本では、英語をネイティブで使う人が、文章を構成する上で論理的にどのように世...

大多数の日本人がわかっていないという「英語の論理」を丁寧に解説した本。『日本人の英語』というタイトルがついているが、その意味では『アメリカ人の英語』(イギリス人でもいいが)と言った方がいいのではないか。この本では、英語をネイティブで使う人が、文章を構成する上で論理的にどのように世界をとらえているのかが文法についての議論を通して説明される。特に、日本語には存在しない、もしくは強く意識されることがないが英語には大きな存在である文章構成上の要素を取り上げて説明している。 その要素というのは次のようなものだ。 ・冠詞 - 「a」と「the」と「冠詞なし」の違い ・前置詞 - 「with」と「by」 、「on」と「in」、「off」と「out」の違い ・時制/完了形/進行形のロジック ・関係代名詞/関係副詞のロジック ・受動態と能動態 ・副詞と論理構造 - therefore、thereby、hence、so、as、because 中でも冠詞についての説明は、その論理の明確なロジックを教えてくれたという点で、これまで読んだ冠詞の説明の中でもピカ一だ。高校のときにこんな説明をしてくれる先生がいたらもっと英語が好きになっていたかもしれない(もちろん、やはり好きになんてなっていなかったかもしれないが)。 著者は、「ネイティブスピーカーにとって、「名詞にaをつける」という表現は無意味である」という。どういう意味か。「もし「つける」で表現すれば、「aに名詞をつける」としかいいようがない」からだそうである。なぜなら、「aというのは、その有無が一つの論理的プロセスの根幹となるものであって、名詞につくアクセサリーのようなものではない」からである。もちろん、theについてもaと同じく「その有無が英語の論理の根幹をなすもの」なのである。その意味で冠詞については「文脈がすべて」ということがわかる。 他の、「in」と「on」、「off」と「out」の違いについて説明した箇所においても、イメージが視覚的に湧いて非常によくわかった(気になった)。たとえば、outは三次元関係を表し、offが二次元関係を表す、といった点などだ。関係詞の制限的用法と非制限的用法も、そういう違いがあったなと思い出したが、初めて腑に落ちたような気がした。 日本語非ネイティブの著者は、日本語を書くことに対して「いまだにフラストレーションばかりを感じている。語彙が限られているし、言い方が自然かどうかは、自分の判断だけでは自信が全然ない。いくら時間をかけて書いたとしても、書き上がったところで、「いいものが書けたな」という満足感を得たこともない」という。 そう語る著者の日本語は、日本人の自分から見てもおかしなところはほぼなく自然であるどころか、多くの日本人の日本語よりも論理的で説得力もある。それでも、ネイティブではない著者にとっては、それが自然かどうかの判断が最後のところで自信がない。日本人の書く英語が、それを読むネイティブの著者にとって不自然なものであることがよほど多いからなのかもしれないが。 本書で取り上げられた冠詞や前置詞の説明などから、その人の母語により、世の中を分節してとらえるロジック自体が違ってしまうことが伺えて非常に興味深い。今後、きちんとした英語を書く機会がどれだけ訪れるかはわからないが、少しは意識をしてトレーニングをしてみないとなあと思えた。 英語の勉強というよりも、日本語と英語という言語間における論理の違いを知るという観点で得るところが多い本。まったく興味ないよ、という人にはおすすめするものではないが、英語をよく使う人にとっては、勉強以外の面で意外に面白く感じるところが多いのではないか。そのついでに語学力向上にもなるかもしれないという期待感で読むのがちょうどいい本。 そういえば学生のときに同じ研究室にいて日本語を学んでいたシリア人に、「は」と「が」の違いをよく聞かれたことを思い出した。うまく説明できないことが多かった。「は」は「は」で、「が」は「が」なんだと。この人が説明するくらい「は」と「が」の論理的違いと日本語の文章構成における助詞の位置づけを説明できればよかったのだが。彼はいまごろどうしているのだろうか。 ※ 「Therefore,」という表現は一切使うべきではないそうだ。知らんかった。

Posted byブクログ

2015/10/15

アメリカ人の立場で日本語を勉強している著者。 であるからこそ感じる日本人の使う変な・間違った英語。 冠詞や時制等20のテーマに分けて説明する内容。 日本人が日本語を使う時に感覚的に使っており、詳しい説明の出来ないことを、 同じ立場で説明してくれている本書の意義は大きく、 自身の...

アメリカ人の立場で日本語を勉強している著者。 であるからこそ感じる日本人の使う変な・間違った英語。 冠詞や時制等20のテーマに分けて説明する内容。 日本人が日本語を使う時に感覚的に使っており、詳しい説明の出来ないことを、 同じ立場で説明してくれている本書の意義は大きく、 自身の理解の誤りや新たな発見等気づきもあった。 ただ、やはり説明を読んでも、永遠に理解できないと思えるものも正直あり、 それは通じればよいという精神で臨みたいと思う。

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2015/07/05

言わずと知れた文法書である「ロイヤル英文法」の著者であるマーク・ピーターセン氏が、日本人の英の問題について日本語で書き下ろした物。 英語を母国語とする人にしかわからない、日本人が書く英文の持つ滑稽な間違いが、わかりやすく解説されている。 日本語と英語の意味を1対1で置き換えこ...

言わずと知れた文法書である「ロイヤル英文法」の著者であるマーク・ピーターセン氏が、日本人の英の問題について日本語で書き下ろした物。 英語を母国語とする人にしかわからない、日本人が書く英文の持つ滑稽な間違いが、わかりやすく解説されている。 日本語と英語の意味を1対1で置き換えことがいかに危険か、そしてこれら二つの言語には、文章中での修飾語句のかかり方や論理展開にどれほど大きな違いがあるかを改めて理解できた。 非常にためになる内容だった。

Posted byブクログ

2015/04/06

英語を学ぶことは、その文化を学ぶことに通じている。 英語圏の人の考え方、ニュアンスを学ぶことは重要な要素です。それを学ぶ一歩として読んでみて正解でした!

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2015/03/05

少々レベルが高い本ではあったが、日本で生活する著者が日本人の英語のおかしさを構造的に伝えてくれており、とても参考になる。 英語でものを書くときはもちろんスペルミス、文法ミスはないにこしたことはないが、それ以上に流れであったり、単語の入れる場所であったりと工夫ひとつでネイティブへ...

少々レベルが高い本ではあったが、日本で生活する著者が日本人の英語のおかしさを構造的に伝えてくれており、とても参考になる。 英語でものを書くときはもちろんスペルミス、文法ミスはないにこしたことはないが、それ以上に流れであったり、単語の入れる場所であったりと工夫ひとつでネイティブへの伝わりやすさが格段と上がることがよくわかる。 ぜひとも英語に興味がある人には読んで頂きたい作品である。

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2015/02/04

英語と日本語の構造の差異について 色々と気付かせてくれた本であった。 こういう点に着目して身の回りの英文を読むと、 たくさん発見がありそうだ。

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2014/12/31

英語と日本語の性質の違いから生まれる違和感。 英語らしい英語のヒント。 小さな違いが大きな違いになる冠詞、前置詞、数の概念。

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2014/12/25

少しは英語を理解している人向けなのかなと思った。まあ、読み物として読めなくもない。 日本語も酷いのだろうけど、根底にある思想的なものを理解しても、微妙な書き方の違いで意味が変わってしまう文があるのは、言語学習者としては辛いところかと。

Posted byブクログ

2014/12/18

日本人が無意識に陥っている「変な英語」に焦点をあて、何が変なのかを解説。 知っているようで知らない、無意識に使ってしまっている「変な英語」がたくさんあることに築いた。 繰り返し読みたい1冊

Posted byブクログ

2014/11/10

初めて海外留学に行くときに読んだ. かなり目から鱗だったことは覚えているのだが,内容は覚えていない. 内面化されたということか,それとも忘れてしまったのか. 再読したい.

Posted byブクログ