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女には向かない職業 の商品レビュー

3.7

52件のお客様レビュー

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2018/10/30

探偵稼業は女には向かない。自殺した共同経営者の跡を継ぎ、一人で探偵事務所を続ける灰原哀ちゃん大活躍。もとい、コーネリアグレイの成長譚。 健気とは言わない。探偵のノウハウを脳内再生し、心の声で「やれる。私ならやれる」 ひたすら突き進む彼女を気付けば応援している。強がりでタフな精神...

探偵稼業は女には向かない。自殺した共同経営者の跡を継ぎ、一人で探偵事務所を続ける灰原哀ちゃん大活躍。もとい、コーネリアグレイの成長譚。 健気とは言わない。探偵のノウハウを脳内再生し、心の声で「やれる。私ならやれる」 ひたすら突き進む彼女を気付けば応援している。強がりでタフな精神。魅力でいっぱいだ。 探偵として証明するため、そして師弟愛のため。未熟がゆえに解決へと繋がる。 重圧から解き放たれた時、繕ってきた探偵の姿が崩れる。少女らしさに胸を打ちます。 ひたむきで力強い可憐な女探偵。最高じゃないか。『皮膚の下の頭蓋骨』も読まねば。 オススメマラソンその⑱ 桜さんから紹介してもらいました。

Posted byブクログ

2018/10/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ミステリーというより、女探偵のドタバタ物語て感じかな。 完全に主人公コーデリアの一人称で、コーデリアに降りかかる出来事や心情が描かれている。 翻訳もの特有の読みにくさはあるけど、まあまあおもしろかった。

Posted byブクログ

2018/02/09

コーデリア・グレイ・シリーズ第1作。 探偵事務所のパートナーが亡くなり、新米のコーデリアはたったひとりで探偵業を続けることになった。さっそく、高名な科学者の息子の自殺理由を調べてほしいとの依頼がきて、ケンブリッジに赴くが……。 タイトルになっている「女には向かない職業」という...

コーデリア・グレイ・シリーズ第1作。 探偵事務所のパートナーが亡くなり、新米のコーデリアはたったひとりで探偵業を続けることになった。さっそく、高名な科学者の息子の自殺理由を調べてほしいとの依頼がきて、ケンブリッジに赴くが……。 タイトルになっている「女には向かない職業」というフレーズが作中に何度も登場する。その言葉どおり、探偵業の厳しさがコーデリアに襲い掛かる。そのたびに亡きパートナーの教えを思い出し、あきらめずに頑張る姿がけなげだ。終盤に他シリーズの主人公であるダルグリッシュ警視が登場する。

Posted byブクログ

2016/12/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

英国女流ミステリの大家P・D・ジェイムズ。彼女の代表シリーズといえばアダム・ダルグリッシュ警部物が連想されるが、それと双璧を成すのが本作を1作目とする女探偵コーデリア・グレイシリーズだ。しかし双璧と成すと云えど、実際にはこのシリーズ、たった2作しかない。なのに読者の支持は非常に高く、3作目を期待する声もあるほどだ(結局書かれなかった)。その人気の秘密は主人公コーデリアにある。突然勤めていた探偵事務所の上司の自殺でその事務所を弱冠22歳で引き継ぐことになったコーデリア。彼女のこの若さゆえにまだ残る純粋さが時に武器になり、時に仇となり、まだ彼女にとっては狭い社会との軋轢に悩まされるその姿に多くの社会で働く女性が共感したのだろう。 そんなコーデリアが引き受けた依頼は大学を中退し、自殺した青年の自殺した理由を突き止めて欲しいというもの。最初に手がける事件として、これほどコーデリアに向いている物もないだろうと思わせる、実に上手い内容だ。 とはいえ、事件はさほど印象に残るようなものでもなく、本作の主眼はやはりこのコーデリアが世間に揉まれ、亡き上司の教えを思い出しながら、徒手空拳で事件を探っていくその姿にある。特に私は捜査の途中、コーデリアが古井戸に落ちてしまい、そこから這い上がるシーンがあるが、そこにいきなり右も左もわからないところから必死に這い出ようとしているコーデリアの心情がメタファーとなっており、非常に印象深く残っている。 また本作の歴史的価値も高く、私がミステリを読み始めた頃、世間ではサラ・パレツキーやスー・グラフトンらに代表される4F物なる、女探偵を主人公にした作品が流行していたが、本作はそのブームに乗じた物ではなく、それに先駆けること10年以上も前に書かれた本格的女探偵物だということだ。ちなみに4F物とは作者、主人公、読者、そして日本では訳者が全て女性(Female)という意味。 が、そんな名作も、当時まだミステリ読みとしてはさほど冊数をこなしていない私にしてみれば、いささか退屈を感じたのも正直な気持ち。特にこの作品は章立てが少なく、1章が60ページぐらいあったような記憶があり、細かい章立てでいつでも読み止める事が出来る日本その他の小説に慣れていた私にとって、ちょっと読みづらかった。私はどうもある区切りがないと、読み止めることが出来ない性質なのでこれにはちょっと困った。 そして最後に登場するダルグリッシュ警部とコーデリアの対決シーン。初ジェイムズ作品としてこれを読んだ私にはこのシーンの意味がほとんど判らず、戸惑いを感じてしまった。この後、現在に至り、私はジェイムズ作品を読んでいくのだが、ダルグリッシュ警部シリーズも読んだ今ならば、このシーンは当時の数倍にも増して胸に響いてくるものと思う。 小説には読む時期というものがある、というのが持論だが、正にこれはそういう意味では読み時期を見誤った作品といえよう。いつか機会があればもう一度読み直してみたい。

Posted byブクログ

2016/09/03

ダイバーシティが盛んな現代で「女には向かない」などと発したら大論争になりそうだが、そんな様相を感じさせないのは時代とコーデリアのキャラだろうか。ミステリーというミステリーはなく、サスペンス感もない。しかし彼女をとりまく事件と真相解明、その後彼女を襲うジレンマには、ある意味新しいミ...

ダイバーシティが盛んな現代で「女には向かない」などと発したら大論争になりそうだが、そんな様相を感じさせないのは時代とコーデリアのキャラだろうか。ミステリーというミステリーはなく、サスペンス感もない。しかし彼女をとりまく事件と真相解明、その後彼女を襲うジレンマには、ある意味新しいミステリーの世界が垣間見れる。いわば「ソフトミステリー」ってとこだろうか。

Posted byブクログ

2016/03/27

シンプルなミステリが、もし女性探偵だったらという話。 内容自体は実にシンプルに感じた。 事件を請け負って、出向いて、調査して、解決。 ピンチになったりどうすりゃいいんだってなったり。 最後のはどうだろうか?わかるのか、わからないのか。

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2015/09/06

おお、コーデリア……君はなんて真面目で寡黙で、辛抱強いんだ。私は読んでいてひやひやしっぱなしだったよ。 正直、彼女の真面目さや頭のよさを、そんなに多くの人が理解してくれるとは思えないし、それに対して敬意を払ってくれるとも思えない。 でも彼女はそういう生き方しかできないし、彼女の...

おお、コーデリア……君はなんて真面目で寡黙で、辛抱強いんだ。私は読んでいてひやひやしっぱなしだったよ。 正直、彼女の真面目さや頭のよさを、そんなに多くの人が理解してくれるとは思えないし、それに対して敬意を払ってくれるとも思えない。 でも彼女はそういう生き方しかできないし、彼女の生きている世界が彼女に対して優しく変化してくれることもないのだ。そのことがただ痛々しくもあり、少しうっとおしくもあり。 コーデリアはこれからも探偵を続けるのだろうか? やはり私は、彼女には探偵という職業は向いていないと思う。

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2013/04/19

久々の海外小説だったので、調子に乗るまであたふた… 分かりやすい話だったのに。 だけど昔取った杵柄で、読みだしたらす~いすい、面白かった!! 国は違えど探偵モノは読む喜びを感じる。 そしてなぜかいつも犯人に悪感情を持てない… 時代劇では悪役はいつも嫌なヤツって決まってるのにね。

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2012/12/05

物語の始まりに、共同経営者が自ら命を絶ったことを発見する主人公。 なんという辛い幕開けなのよ、もう・・・といきなり重たい気持ちで、どんよりと読み始めたこの作品。 最初は、なんか抑揚がなくてわからんなあ、と思いながら読んでいましたが、いつしか、主人公のコーデリアがとても好きになって...

物語の始まりに、共同経営者が自ら命を絶ったことを発見する主人公。 なんという辛い幕開けなのよ、もう・・・といきなり重たい気持ちで、どんよりと読み始めたこの作品。 最初は、なんか抑揚がなくてわからんなあ、と思いながら読んでいましたが、いつしか、主人公のコーデリアがとても好きになってしまっていた。孤独に奮闘するこの人のことを応援したくなる気持ちで、どんどんページをめくっていきました。 それにしても、コーデリア・グレイだなんて、名前がいい! 反則、反則~! わたしもこんな名前になってみたい・・・ コーデリアの探偵としての独り立ちは、そんな形で突然やってきたのですが、パートナーの死の悲しみにひたっている暇もなく、あぶなっかしいけど毅然として仕事に立ち向かう姿は痛々しくて、そう、全編を通じて心が痛みながら、この作品を読み終えたのでした。 捜査(探偵だから調査なのかな)の中で出会う人たちの、なんとも人間くさいところもいい。全員何かを隠していそうで、あやしいけど、かといって完全なワルにもなりきれそうにない人たち・・・ コーデリアのひたむきさに心が引き寄せられ、コーデリアをみんな好きになっていくところがおかしかったな。 本当は話さないで鍵をかけておくつもりでいたのに、ちょっとづつ、協力をしてくれるようになるあたりが、仕事に追われ、感情もあらわにできないコーデリアのかわりに、なんだか報われた気持ちになっていきました。 はからずも単独での仕事を引き受けることになり、行き詰まったり、不安に思う事があっても、もはや相談できる上司もない中で、孤独に仕事に立ち向かっていくことは大変なことだと思うのです。自分だっらそんなことできるか?と。だけど、これまで仕事の中で教えられるともなく伝えられていた上司のポリシーを支えに、正しいことに向かって進んでいくコーデリアはとても可憐で爽快、あっぱれだったな。 コーデリアのような「女」には、向かない職業じゃないと思ったよ! そういえば、以前、上司が、”「紳士であれ」ということはきみにはできないだろう?”と言っていたのがとても印象的で、そういうの、コーデリアもきっとくやしかったんだろうな~。 でも、こじか色のスカートとグリーンの半袖スエーターを仕事着に選んでトランクに詰めるなんて、そんなおしゃれ、まさに紳士にはできないでしょう。おっちゃんには向かない女性探偵という職業(←当たり前だ)、ミニクーパーで疾走する彼女の活躍を、もっとシリーズものでたくさん読みたかった気もしますが、そこはかなわないからいいのだ、というような気もします。 (あと一作あるので、つぎのお楽しみに。) 読み終わって一息ついて考えてみると、これは探偵ものというより人間ドラマだったのだわ!と納得しました。探偵も警察も被害者も容疑者も証言者も、みなひとくせあって正直で、事情のあるなかで生きていて、味のある人達ばかり。そこがこの物語の魅力でした。 こじか色のスカートとグリーンのスエーターのコーディネート。しっかり真似させていただきます。

Posted byブクログ

2012/09/30

  女探偵もの自体、なかなかお目にかからない。私が読んだ、数少ない海外ものの一つ。   ストーリーの起伏は激しくない。ゆるやかに、だが飽きない調子を持っている。内容の割にページ数が多いな、などと手に取った時は思ったが、第一印象などあまりあてにならないな、と思うくらい面白かった。訳...

  女探偵もの自体、なかなかお目にかからない。私が読んだ、数少ない海外ものの一つ。   ストーリーの起伏は激しくない。ゆるやかに、だが飽きない調子を持っている。内容の割にページ数が多いな、などと手に取った時は思ったが、第一印象などあまりあてにならないな、と思うくらい面白かった。訳にも、ありがちな違和感を感じなかった(ように思う)。   本格モノを志向している人には、やや冗長に感じるきらいはあるかもしれない。

Posted byブクログ