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アンリ・ベルクソン の商品レビュー

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2011/08/19

ベルクソンの哲学についての、分かりやすい解説書。著者は西田幾多郎の高弟であり、ドイツ哲学の強い影響のもとにあった当時のわが国の哲学界に、ベルクソンなどのフランス哲学を紹介することに尽力した哲学者である。 本書のベルクソン理解もきわめてオーソドックスなものであり、ベルクソン哲学の...

ベルクソンの哲学についての、分かりやすい解説書。著者は西田幾多郎の高弟であり、ドイツ哲学の強い影響のもとにあった当時のわが国の哲学界に、ベルクソンなどのフランス哲学を紹介することに尽力した哲学者である。 本書のベルクソン理解もきわめてオーソドックスなものであり、ベルクソン哲学の入門書として好適だと思う。ただ、そのことの裏面ではあるが、読者の目を引くような興味深い議論に乏しいともいえる。 本書の始めに置かれた「著作」の章では、いわゆる四大主著の概要を紹介し、ベルクソンの思想の全体像を描き出している。以下の章は、「生命」「哲学」「直観」「人間」となっており、それらのテーマに沿ってベルクソンの哲学の解説が展開されているが、どの章でも同じ内容がくりかえし説明されていて、あまり大きな違いはない。また、巻末にはロータリークラブでの講演「人間らしく」が収録されているが、これも他の章とほぼ同内容である。

Posted byブクログ