鉄の夢 の商品レビュー
何この劇画タッチな文章は!序盤から脳内は「北斗の拳」や「魁 男塾」の様な暑苦しいイメージで満たされてしまった。フィクションのフィクションという設定は面白いと思ったが、あまりにもヒャッホー的な内容に、逆に爽快感すらおぼえる。巻末の解説で全てが納得できるかどうかは自分次第。
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ここまで計算されたやけくそというのはすごい 表紙 7点木嶋 俊 展開 7点1972年著作 文章 6点 内容 700点 合計 720点
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「おれの名前はフェリック・ジャガー、純人間だ」 B級SF作家・ヒトラーが書き、ヒュ―ゴー賞を受賞したという仮想世界の作品「鉤十字の帝王」。そこで語られる、血の純粋性に拘り、ミュータント全滅を鉤十字のもと掲げた政党はまさしくナチス。フェリック・ジャガーこそ独裁者・ヒトラーそのも...
「おれの名前はフェリック・ジャガー、純人間だ」 B級SF作家・ヒトラーが書き、ヒュ―ゴー賞を受賞したという仮想世界の作品「鉤十字の帝王」。そこで語られる、血の純粋性に拘り、ミュータント全滅を鉤十字のもと掲げた政党はまさしくナチス。フェリック・ジャガーこそ独裁者・ヒトラーそのもの。 何度も同じ微細な描写が繰り返される稚拙な戦闘シーン、力を鼓舞するパレードシーン。故意に文法をややこしくしたような文体。 読み難い。 でも、この本は架空の心理学者によるあとがきによって完成される。心理学者は「鉤十字の帝王」を解題し、「読み難い」ことは作家・ヒトラーの異常な狂気を物語っている、とする。なるほど。 というのを全部含んだメタ・フィクション作品がノーマン・スピンラッド著「鉄の夢」だ。 絶版になっていることとか やや値段が高騰していることとか なにより「鉤十字の帝王」のあまりの読み進められなさとか いくつか障害はあるけれど でもそれらをすべてクリアしないと、何も分からない。 「世にもおぞましいミュータント達が跋扈する世の中を粛清する」 現実のヒトラーには本当にそういう世界に見えていたのかもしれない、ひょっとしたら。
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