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自由の科学(2) の商品レビュー

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2015/08/10

邦訳『自由の科学』続編。本巻では、主として啓蒙時代における政治学が考察対象となる。とはいえ、長い伝統を誇る自然法学の話題はほぼ全く出ず、「寛容」や奴隷制廃止、高等法院とフランス王権の角逐など、当時の政治問題に対してヴォルテールやディドロがどのような解答を与えたのかに焦点が当てられ...

邦訳『自由の科学』続編。本巻では、主として啓蒙時代における政治学が考察対象となる。とはいえ、長い伝統を誇る自然法学の話題はほぼ全く出ず、「寛容」や奴隷制廃止、高等法院とフランス王権の角逐など、当時の政治問題に対してヴォルテールやディドロがどのような解答を与えたのかに焦点が当てられている。とりわけ、モンテスキューやヴォルテールが行ったような、歴史的知識を活用して自らの政治的見解を表明する点に著者は着目しているように思われる。またその中で、重農主義者による「合法的専制」の擁護やヴォルテールらによる啓蒙絶対君主の擁護がある程度割り引いて考えられるべきであり、彼らは総じて自由主義的な思想の擁護者であったという解釈が提示されている。

Posted byブクログ