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女の一生(二部) の商品レビュー

4.4

44件のお客様レビュー

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2011/03/14

昭和五年、四月二十四日ー、 夜半からふりはじめた雨が、朝がた烈しくなって、眠っている長崎の人々の目をさまさせた。土砂ぶりといっていいほど強い音を立て、屋根や庭の樹木を叩いていた。

Posted byブクログ

2013/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「死なないで」彼女は引き絞るように叫んだ。「生きて。戻ってきて」+++  高校で出された課題本は一部だけでしたが、二部も読んでみたいと書店へ走った記憶があります。一部はひたすらに胸が張り裂けるような本でしたが、この二部はサチ子のひたむきな愛情に泣かされっぱなしでした。  そしてこの本を読んだ翌年の、高校三年の夏。キャンパス見学の帰りに、私はふと靖国神社にたちよりました。余りの暑さに辟易して、境内に涼を求めたのです。ついでだからと参拝しようとなんとなく思って拝殿に向かいました。  拝殿でお参りが終わったときに、車いすのおじいさんとすれ違いました。そのおじいさんは本殿にたどりついた途端てぬぐいを握りしめて、はげしく慟哭しはじめたのです。震えるおじいさんの背中と、言葉にならない悲痛な叫び、五月蠅い程の蝉しぐれ。社会人になった今でも、まだ胸に焼き付いています。  サチ子はラストで生き残った修平の友人を見つけます。彼は生き残り、教会でなにを祈ったのか。大戦で散った若いいのちはせつない形だけれど私たちのなかに息づいている。それを実感した一冊です。

Posted byブクログ

2011/02/22

おじいちゃんとかおばあちゃんの若い頃の話を聞いてるみたい。 自分のおばあちゃんは当然おばあちゃんになった後のおばあちゃんしか知らないけど、彼女にも私と同じくらいの年の時があったんだよね。 そして、私もそう思われるようになるんだろう。

Posted byブクログ

2011/01/21

1部は個人的に辛い話だったのですが、この2部はひたむきな愛情がストレートに響きました。こういう利他的な姿に弱い。もし長崎の大浦天主堂に行く機会があるのなら、事前に一読をお勧めします。

Posted byブクログ

2010/09/14

1部のほうが夢中で読めた。 でも2部のほうが感銘をうけた。 (男女関わらず)人を愛するってそーいうことなのかぁ。な?

Posted byブクログ

2010/07/11

太平洋戦争下の長崎。キリスト教信者の幼なじみ、サチ子と修平。上京し文学を志す修平は、「人を殺すなかれ」のキリスト教の教えと戦争とに矛盾を感じつつ学徒出陣により徴兵され、神風特攻隊で戦死。サチ子は修平への強い愛を抱きながらも時代の流れに巻き込まれ、昭和20年8月9日“ふとっちょ”原...

太平洋戦争下の長崎。キリスト教信者の幼なじみ、サチ子と修平。上京し文学を志す修平は、「人を殺すなかれ」のキリスト教の教えと戦争とに矛盾を感じつつ学徒出陣により徴兵され、神風特攻隊で戦死。サチ子は修平への強い愛を抱きながらも時代の流れに巻き込まれ、昭和20年8月9日“ふとっちょ”原爆長崎に投下。 本当に哀しい世代。今は考えられないようなこんな話が普通だったんだろうね。ただ、この話の中に壇一雄の師匠の佐藤春夫先生の詩が出てきたから少しうれしくなった。

Posted byブクログ

2013/01/28

一生忘れない作品。 アウシュビッツでのコルベ神父の行動が、“愛”とは何かを教えてくれる。アウシュビッツで見る夕日。それを見て、残酷で絶望的な状況にあるユダヤ人が、単純に美しいと思う、その姿に胸を打たれる。

Posted byブクログ

2010/05/05

ともに長崎を舞台にした小説。 夜更かしをして読んだ本。 長崎とキリスト教は切っても切り離せない関係にあるということ、キリスト教徒がなぜ、自分を犠牲にしても、キリスト教徒であることをやめないのか? その時代、おかれた状況で信仰心は変わってくると思う。 途上国・戦時中・満たされない時...

ともに長崎を舞台にした小説。 夜更かしをして読んだ本。 長崎とキリスト教は切っても切り離せない関係にあるということ、キリスト教徒がなぜ、自分を犠牲にしても、キリスト教徒であることをやめないのか? その時代、おかれた状況で信仰心は変わってくると思う。 途上国・戦時中・満たされない時代では、信仰心は強くなると感じる。 今、この時代にこんな虐待が行われると、大半の人は信仰を捨てるだろう。 それにしても、遠藤周作、うまい。 どちらかというと、サチコの場合がはまったな。 特にアウシュビッツの場面。

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2009/11/11

憲法で宗教の自由が認められたにも関わらず、戦争が原因でなお言われなき差別の中にあるキリスト教徒たち。しかし、戦争と言う条件下では愛する男の無事を祈る気持ちは誰も同じです。戦争により多くを失った全ての女たちを、サチ子の一生が体現しています。

Posted byブクログ

2009/10/27

コルベ神父の愛に思わず泣いてしまった 戦争の、アウシュビッツの悲惨な出来事を、わたしたちは忘れちゃいけないのだろう 向き合わなければいけないのだろう こんな時代では見失いがちな恋愛観

Posted byブクログ